HMDI延長ケーブル

PCVRに興味を持ち、気がつくとHTC ViveOculus Riftが手元にあるのですが、この2つを接続した状態では使用することができないことが判明しました。

双方を一台のPCで共存させるには、使用するPCVRのUSBとHDMIコネクタをつなぎ替えるというアナログな手法に頼らざるを得ない状態になっているのですが、毎回PCの背面にアクセスしてHDMIケーブルを付け替えるのは面倒なので、HDMI延長ケーブルを導入してみることにしました。

■同時接続して利用できないHTC ViveとOculus Rift

まず、HTC ViveとOculus Riftの共存の件ですが、正確には両方を接続した状態でSteamVRが使用できないという状態になります。

しかし、Oculusランタイム(Oculus専用のVRプラットフォーム)を使用しているVRコンテンツについては両方接続した状態でも使用ができます。

エラー状態

そもそも、SteamVRはOpenVRプラットフォームであり、HTC ViveとOculus Riftは両方共にOpenVRに対応しているため、SteamVRが立ち上がった瞬間にHTC ViveとOculus Riftが同時に呼び出され衝突してしまい、SteamVRのステータス表示が「コンポジターが 利用できません」となってしまうわけです。

結局、多くのユーザーで使用頻度が最も高いと予想されるSteamVRを使用したVRコンテンツでは、HTC ViveとOculus Riftの共存は不可能となり、排他的な使用方法をしないと使えないという面倒な結果になります。

ならば、使うPCVRを手動で切り替えることで対応しようと思ったのですが、Oculus RiftはHMDから伸びているHDMIケーブルを直接グラフィックボードに差し込むタイプで、毎回PC背面までアクセスしないといけません。

HDMIとUSBが一体化した特殊なケーブル

また、Oculus Riftのケーブル長は4m(ケーブル端から端までの数値)で、背面のHDMIコネクタに接続すると自由に動く部分が短くなり使い勝手が悪いので、HDMIの延長ケーブルを使用してPCの手前までコネクタを持ってくることにしました。

■HDMI延長ケーブルはどの規格を選ぶべきか

HDMIはバージョンにより機能や性能が異なり、必要とされているバージョン以下のHDMIケーブルを使用すると映像が表示されないなどのトラブルの原因になります。

また、HDMIではケーブル長は規定されていないものの、むやみやたらに伸ばすと信号の劣化により映像が表示されないなどのトラブルが起こります。

しかし、HDMIでは正常に通信できるケーブルの長さについてLANケーブルのような明確な規定が存在しないため、ケーブルの品質により長さが決まってしまうのですが、規定がないため何mまでなら確実に延長できるという明確な答えが出せない状態です。

基本的に転送速度が速くなるほどケーブルは短く太くなる傾向があり、バージョンが上がるごとに転送速度が上がるHDMIでは、高いバージョンほどケーブルを延長しにくい傾向があります。

では、HTC ViveとOculus Riftでも使えるHDMI延長ケーブルはどのバージョンなのかというと、HTC Vive がHDMI 1.3でOculus Rift がHDMI 1.4なのでHDMI 1.4の延長ケーブルを購入すれば良いということになります。

さらに、HDMIでは5mを超えて延長すると信号の劣化による問題が顕著になってくるようで、品質の悪い若しくはバージョンの低いHDMIケーブルで無理に延長するとトラブルの原因になりやすい傾向があります。

2mの延長ケーブルでも問題無く耐えたという情報もあるようですが、HDMIケーブルの品質はピンキリですので、万全を期すのであれば1m以内に納めた方が無難です。

■HDMI1.4対応延長ケーブル購入

UGREEN HDMI 延長ケーブル 1m

ということで購入したのがAmazonで売られていたUGREEN HDMI 延長ケーブル 4K 3D対応 タイプAメス-タイプAオス 金メッキコネクタ 1mです。

ケーブル長は1m

ケーブル長は1mで、これをグラフィックボードに差し込み、PCの手前にHDMIコネクタを持ってきました。

実際の使用状態

Oculus RiftはこのHDMIコネクタにHMDのHDMIケーブルを差し込み、HMDのUSB3.0コネクタはPC前面のUSB2.0コネクタを利用しています。

HTC Viveはこの延長ケーブルに一般的な両端がオスのHDMIケーブルを使い、リンクボックスに接続します。


手元にあった2mのHDMIケーブルでも大丈夫だったので、HTC Viveのケーブルを更に延長して使うことも可能ですが、今の長さで十分なので、近いうちにショートケーブルを導入する予定です。

延長ケーブルを接続後、このコネクターを使いHTC ViveとOculus Riftを切り替えて使用してみたのですが、どちらも正常に使う事ができました。

HTC Viveではリンクボックスまで延長ケーブルとHDMIケーブル合せて3mの延長となったのですが、それでも正常に使えるため配線の自由度はとてつもなく高くなります。

■セレクターやKVMスイッチは使えないのか?

KVMスイッチ(CPUスイッチ)やHDMIセレクターは使えないのかという疑問はありますが、今のところ成功したとも失敗したともいう情報はみたことがありません。

実経験からHDMIとUSB(Oculus RiftはHMDのUSBコネクタのみでOK)を両方共に切り替える必要があるため、HDMIセレクターでは切替できないと思われますが(USBは手動で切替えるならOKかと)、USBとHDMIを同時に切り替えることができるKVMスイッチであればボタン1つで切替が可能ではないかと予想しています。

ただ、HDMI 1.4に対応したKVMスイッチは万単位の費用が必要なので、失敗したときのことを考えると導入するには抵抗があります。

もし、切替えに使えたというKVMスイッチが有れば是非とも教えてもらいたいものです。

■まとめ

HTC ViveとOculus Riftを切り替える度に机の下に潜りPCの背面にアクセスにしていましたが、これでPCの前面で切替え作業ができるようになり作業はかなり楽になりました。

できればKVMスイッチで切り替えという方法ができると嬉しいのですが、今の所はこれで吉としています。

Oculus Riftしか持っていない場合も、PC背面に接続するよりもケーブル長が伸びて立位のVRコンテンツでもプレイする際の使い勝手が向上したので、有って損はないアイテムと感じるものでした。