しっかりと固定

VRのサードパーティー製周辺機器といえば有名なものにLeap Motionがあります。Leap Motion はVRのHMDにマウントし、手の動きのVR内に反映させる用途に使われていますが、PC本体からUSBのケーブルを延長して取付けると非常に邪魔になるので考え物です。

しかし、VIVEのHMDにはLeap Motionを取付けるのに便利なUSBポートが搭載されているため、このUSBポートにLeap Motionを接続してマウントしてみることにしました。

Leap Motionはコネクタが干渉するものの、付属のUSBケーブルでVIVEのHMDに装着できるそうです。

VIVEのUSBエクステンダー

しかし、ただでさえ狭いコネクタ部分が干渉すると、動きによってはゲームプレイ中にコネクタが接続不良を引き起こしそうなので避けて通りたいところ。そこで、用意したのがVIVEのUSBエクステンダーです。

USBエクステンダーはVIVEのHMDに用意されているUSBポートにピッタリと収まる専用のUSB延長ケーブルです。

通常では見ることがない角度

そのため、このように通常では見ることがない角度でケーブルがUSBコネクタ部分から出ています。

このUSBエクステンダーをまずはVIVEのHMDに取付けるのですが・・・

取付手順01

最初にVIVEのHMD上部にあるカバーを手間に引っ張ります。

取付手順02

カバーの溝が外れたら、そのまま上にあげてコネクタ類にアクセスできるようにします。

取付手順03

このUSBポートがUSBエクステンダーを取付ける場所です。なお、コネクタ部分がUSB3.0規格の色をしていますが内部的にはUSB2.0規格になっています。

取付手順04

ここにUSBエクステンダーを差し込みます。専用品だけあってピッタリと収まりました。

取付手順05

カバーを元に戻し、Leap Motionを接続して取付け完了です。

マウントする位置を決める

次に、Leap Motionをマウントする位置を決めます。センサーとカメラを避けてこの場所に設置することにしました。

背面のラバーシートを剥ぎ取った

しかし、Leap Motionは滑り止めのラバーシートが背面に取付けられており、そのままだと両面テープを貼り付けることがきません。そこで、背面のラバーシートを剥ぎ取って使います。
※ラバーシートを剥がすのが嫌な場合、フリスクケースを介してマウントする方法がある。

スポンジタイプの両面テープ

使用するのは強力なスポンジタイプの両面テープです。この手の両面テープは強力かつ柔軟性があり、剥離性に優れているので何かと便利です。

しっかりと固定

VIVEのHMDは湾曲しているため両面テープの長さはさほど必要なかったのですが、強力な両面テープを使用したため、僅かな接着面積でもLeap Motionはしっかりと固定されています。激しく頭を振るようなVRゲームをプレイしても張り付いたままです。

しかし、別の問題が出てきました。USB2.0の帯域不足と熱害によるVIVE側センサー精度の低下です。

Leap Motionはカメラが装着されており、赤外線に反射した映像を検出して手の動きを検出する方式ですが、カメラが捉える映像は帯域が大きく、VIVE自身もカメラを装備しているためUSB2.0の帯域を圧迫してしまいます。

帯域が不足すると手の動きを検出する映像のフレームレートが落ち、VR内での手の動きがコマ落ちしたようになり没入感を台無しにしてくれます。

警告を表示

更に酷い場合はLeap Motionが警告を表示して一時的に利用ができなくなります。これでは折角取付けたLeap Motionが無意味になってしまいます。

解決策は、VIVEの動作に必要なUSB機器以外はUSB3.0コネクタに繋ぐことです。

外付けのHDDはもちろん、マウス、キーボード、ジョイパッド等の帯域の占有率がささいなものであっても、USB2.0の帯域を確保するためUSB3.0コネクタへ繋ぎ直します。

また、VIVEのオーディオ設定で、プレイバックデバイスがHTC VIVE USBオーディオになっている場合はHTC VIVE HDMIオーディオに切替えます。

カメラレート

他にも、VIVEのカメラを使用時に警告が出る場合は、VIVEのカメラのフレームレートを落とします。SteamVRの設定からカメラを選択し、カメラレートのスライダーを左へ動かしてフレームレートを落とすとVIVEの使用する帯域が減少します。

それでもダメな場合は、諦めてLeap MotionをPC本体のUSB3.0コネクタにさして延長するしかないのですが、それではUSBエクステンダーの意味が無いので最後の手段といったところでしょうか。

熱害については、Leap Motionの発熱がVIVEのHMDに埋め込まれているセンサーの精度を落とすようで、十数分程度使用していると、いつもは正常に動きをトラッキングするエリアなのに徐々にトラッキングが途切れていく場所が増え、酷い場所だと静止した状態なのにトラッキングをロストした際に発生するグレー画面と正常な画面がチカチカと目まぐるしく切り替ります。

この問題は再現性があり、エアコンの冷風で直接冷却するか、Leap Motionをコネクタから外して冷却する等した後、再度使用するとトラッキングが正常に戻っていることを確認しているため、熱害なのは間違いないでしょう。
※熱害発生時の室温は約27度

両面テープを両端に3段重ね

熱害対策については、両面テープを両端に3段重ねで使用してLeap Motionを浮かせることで廃熱を促す方法を取り入れたのですが、これでもトラッキング精度が低下する症状が出たので、室温をエアコンで下げるか小型のファンを取付けて強制冷却するしかないのかもしれません。

排熱対策

熱害によるトラッキング精度の低下については、他のユーザーでは症状が出ていないので、個体差か使用環境によるものもあるのかもしれません。私の場合は、そこまでLeap Motionを使う事はないので、これ以上の対策はせず一旦保留にしました。

こうして、USBエクステンダーを取付けてVIVEのHMDにLeap Motionをマウントしてみたわけですが、Leap Motionの検出範囲がせまいのと、手が離れるにつれて検出精度が落ちていくという状況のため、VIVEのHMDに取付けたとしても、常にHMDの前に手をかざしておかないと検出されません。

使用できるコンテンツが少ないことも相まって、思ったほどの魅力は無いとLeap Motionのレビューでは評価しましたが、VIVEのHMDに取付けた場合、やはり物足りなさを感じるのは変わりないといったところですが、没入感が増した感覚があるといえばあるという感じです。

熱害の問題もあり、過度に期待するとがっかりする可能性もあるため推しはしませんが、お財布に余裕があるのであれば、セットで入手して使ってみると良いかもしれません。