HTC VIVEで長時間ゲームをプレイしていると、ゴーグルの重みが頬骨部分をじわじわと圧迫して痛みが出てくるようになりますし、メガネを装着してプレイしているとメガネの形状によってはツルの部分を押さえつけられ、耳の付け根部分が痛み始めるため、先人達の知恵を借りてフィット感を改善してみることにしました。
最初は、メガネの装着をせずともPCVRゴーグルの映像がしっかりと見えるとの情報があった水中マスク用のレンズ、リーフツアラー社の「水中マスク用インナーフレーム」と専用の「水中マスク用度付きレンズ」を導入してみることにしてみました。
実は、HTC VIVEとOculus Riftには専用の度付きレンズを販売しているVR Lens Labがあるのですが、海外製のため個人輸入となり、英語対応のうえ視度の検査結果(眼科の検査)の入力が必要で、加えて納期が1ヶ月近くかかるとのことでした。
価格は高いですが、専用品のうえ細部まで仕様を詰めることができることもあり満足感は高いとのことでしたので、時間とお金と手間を惜しまないのであれば選択肢として有りだと思います。
私個人としては、リスクの少ないリーフツアラーのレンズでまず試してみようと考え、満足できないのであればVR Lens Labで専用品を注文しようと思っていました。
これが、リーフツアラー社の「水中マスク用インナーフレーム」と専用の「水中マスク用度付きレンズ」です。
樹脂製で耐久性は望めませんが、入手製が良く価格は手ごろになっています。
こちらがフレーム。
こちらがレンズです。レンズは1度刻みで-2から-6まで用意されています。汎用品のため遠視用、乱視用などは用意されていません。また、左右両用レンズとなっています。
度数についてはメガネをかけている人であれば、メガネのレンズが入っていた袋などに度数が書いてあるので、その数値に近い数値を選択するだけです。
※度数は裸眼の視度ではない。
このレンズを先ほどのフレームにはめ込んで使います。
VIVEへの装着は、ゴーグルの目とレンズの間隔を最大まで広げてレンズの手前に挿入。その後、再び間隔を狭くして固定します。
しかし、そのままの状態だと目盛り1.5分ほど間隔が空いてしまいます。そこで、フレームに加工を施してこの間隔を狭くすることにしました。
加工方法は、フレームの上部にある固定用の板部分を加熱して「くの字」に曲げるだけです。
こうすることで、VIVEのゴーグルと干渉していた箇所がゴーグルの奥深いところに入り込み、間隔を狭くすることができます。
加工を施した後はゴーグルの間隔は0.5目盛りまでに減少しました。
この状態でゴーグルを被ってみたのですが、フレーム部分が若干はみ出て鼻に当たりそうで当たらない絶妙なフィット感でした。
最初は、レンズの度数が微妙に合わないためピント合わせに違和感がありましたが、直ぐに目が慣れてしまい、視度の調整については満足のいく結果になりました。
ただ、メガネのフレームと同じく視界にフレームが入ってしまうのと、条件次第ではレンズの乱反射により映像が二重にレンズに映ることがあるのが目に付きます。
フレームについては普段からメガネを付けているので気にはなりませんが、映像の乱反射については、暗い画面に一部明るいもの映ると発生します。
明るい画面では発生しませんし、プレイ中に頻繁に発生するものでもないので、この点は割り切って使用しています。
他に気になるところといえば、まつげがレンズに当るためかレンズが汚れやすい点と、レンズの硬度低いのか傷が入りやすいという点でしょうか。メガネ用のクロスを使わないとあっという間に傷でレンズが傷だらけになりそうです。
VIVEのゴーグルはレンズ部分に重量が偏っており、柔らかいウレタン製のフェイスクッションで力が分散されているはずなのに、長時間のプレイだとゴーグルの重みで頬にゴーグルが押しつけられます。
上部のバンド調整である程度改善はできますが、頭を動かす度に少しずつずれていき、長時間のプレイとなると結局、圧迫されて痛みが出てきます。
この改善には、溶接面用ヘッドバンドを使って改善する方法もありますが、大改造になるのと、寝ながらの使用だとバンドの締め付けネジが頭に干渉するとのことで、簡単な重りでバランスを取る方法を先に試してみることにしました。
用意したのはリストタイプのウエイトです。この手の商品は重量が様々ですが、ゴーグルの重量から計算してバランスが取れそうな250gのものを用意しました。
取り付けは、このようにVIVEのゴーグルバンド後部に巻き付けるだけです。
たったこれだけなのですが、ゴーグルのレンズ部分にかかっていた重量が分散され、劇的にフィッティングが改善します。
嬉しい誤算としては、モニターを見る際などにゴーグルを一時的に外すとき、改善前は額の部分に留めていても重さでゴーグルが下がってきましたが、改善後は下がってくることはほとんどありません。
改善後、VR対応タイトルのPCゲーム「Elite:Dangerous」で長時間プレイを何度も堪能しましたが、4時間以上もVIVEを装着してプレイする際でも、締め付けや圧迫による痛みやストレスが無く、目の疲れを除けば快適に長時間プレイが楽しめるようになりました。
高価な専用品や、大きな改造が必要になるものはそれだけ改善後の満足感もあるでしょうが、手軽に始められるもので満足がいく改善ができるのであれば、それに越したことはないでしょう。
幸い両方とも入手性も良く、価格も高価ではないのでVIVEのフィット感に不満があるのであれば試してみる価値は十分にあると強く感じるものでした。
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