我が家は一軒家ですが、2世帯家族が住める広さがあり、また、無線LANを使用する機器も多いという環境のため、広範囲をカバーしつつ、複数台の端末を同時に使用しても安定した通信ができる無線LANルーターが必要になってきます。
また、CATVの高速通信オプションに入ったこともあり、高速で通信できることも視野に入れ、BUFFALO無線LANルーターWXR-1900DHP2をチョイスしてみました。
内容物はWXR-1900DHP2本体、アンテナ3本、LANケーブル、スタンド、ACアダプタ、縦置きスタンド、セットアップカード、マニュアル類です。
WXR-1900DHP2本体はBUFFALOの無線LAN機器にしては珍しい白色ベースの外観です。最近の住宅事情では、明るめの壁紙を多用していることが多く、白色にすることで大きな筐体でも目立ちにくくすることを狙っているのかもしれません。個人的にはこの手の機器はいかにもと感じる黒色が好みです。
前面パネルには各種ステータス表示のランプとAOSSボタン。
上部にはアンテナ取付け用の端子が3つ用意されています。
背面にはセットアップとルーターモードのスイッチ、WAN用のLANコネクタが1つ、LAN用のLANコネクタ4つ、USB3.0コネクタ、電源ボタン、電源ソケットがあります。
ルーターのモード切替えは従来からBUFFALOの無線LANルーターに装備されているものですが、ルーターモード(ROUTER)、アクセスポイントモード(AP)に加え、中継器モード(WB)が設定できます。
また、セットアップスイッチはWAN側回線を自動的に判断して設定を行なってくれるモードで、フレッツ光やADSLなどのPPPoE設定が必要な場合は手動設定の必要がありますが、DHCPで接続するCATVや一部のADSLサービスの場合、WXR-1900DHP2が自動的に接続設定をしてくれます。
USB3.0コネクタはプリントサーバーの他、HDDを接続してNASとして活用できます。
ただし、USB3.0モードで使用した場合、高周波ノイズの影響で電波が干渉し、2.4 GHzがつながりにくくなる可能性があるというデメリットも存在し、通信安定性を求めるのであれば使わないか、USB2.0モードでの使用が求められます。
なお、無線LANルーターに装備されているNAS機能はおまけ的要素なので、USB3.0をサポートしているとはいえ、PCと接続して高速なファイル転送をするような用途には向いていません。
スマートフォンやタブレットPCで使用する程度であれば、そこまで不満を持つことはないと思います。
WXR-1900DHP2は縦置き専用で横置きは推奨されていません。
立てた状態でアンテナを取付けてみましたが、高さが約35cmと結構な高さがあります。日本の住宅事情からすると、少し大きく感じるかもしれません。
このアンテナは向きを変えることが可能で、3階建てなど上部に長い建物ではこのように横にアンテナを寝かせることで、縦方向へ電波を集中させることができます。
平屋で横に広い場合は、このように扇状に配置して電波を横方向へ集中させます。縦方向にも横方向にも電波を広げたい場合は、アンテナの向きを組み合わせることで、住宅環境に対して柔軟に対応できるようになっています。
※WAN側にLANケーブル、無線での通信は1台のみの環境で計測
USB3.0コネクタにHDDを取付ける、LANケーブルの接続本数を増やすと消費電力は増加すると思います。
続いて無線LANの性能テストをしてみました。今回の計測では、PCとスマートフォン(iPhone5s)、タブレットPC(ARROWS Tab Wi-Fi FAR70A)を使用して計測してみました。
計測内容はPCの無線LANリンク速度、PC・スマートフォン・タブレットPCによるインターネット実測値となっています。
なお、PCでの計測にはBUFFALOの無線LAN子機WI-U3-866D(11ac対応)を使って計測しています。
※計測PC
Dell Latitude E5520(Core i3 2310M 2.1GHz / RAM 2GB / Windows7 Professional Professional 32bit)
※WI-U3-866Dは不安定動作の報告があるが、私の環境では安定していた。
※WI-U3-866Dは不安定動作の報告があるが、私の環境では安定していた。
計測結果は以上のようになりました。自室は2部屋(直線で約5m)離れの位置に、倉庫は3部屋(直線で約15m)離れの位置、バスルームは2部屋(直線で約5m)離れており、全室ドアを閉め切った状態計測しています。
※木造建築平屋建て
インターネットの実測値よりもリンク速度が高いため、無線LANにより足を引っ張られていると感じるのは倉庫ですが、ここは元より無線LANルーターから遠いため、PCでは従来の11n対応のハイパワータイプ無線LANルーターでも中継器を通してやっと通信できるような環境でした。
転送速度も遅くYouTubeすらまともにみられないほどの環境から、快適なインターネット環境へと変化しました。
ただし、アンテナの性能が劣りがちなスマートフォンでは電波が途切れてしまい、通信できない結果に終わっています。
WXR-1900DHP2では混線の少ない5GHz帯にも対応していますが、電波の特性上、周波数は高ければ高いほど減衰しやすいため、2.4GHzよりも高速な通信に対応しているものの、環境によっては無線LANルーターと通信できないことがあります。
※通信が不可能な倉庫では5GHz帯、2.4GHz帯共に通信不可
タブレットPCでも通信はできたものの通信速度は酷く、高速でハイパワーだから広範囲をカバーできると思っていると思わぬ落とし穴に落ちる可能性があります。
スマートフォンやタブレットPCを含めた上で広範囲をカバーしたいのであれば、中継器の導入も考えておく必要があるでしょう。
※WXR-1900DHP2は中継機能があるため2台セットで広範囲カバーも可能
インターネットの実測値においては、スマートフォンやタブレットPCの場所を検知して適切な電波状態にするビームフォーミングEX機能が効いているのか、ビームフォーミングEX非対応のタブレットPCよりも対応しているiPhone5sが全ての箇所で高速という結果が出ています。
PCにおいては、倉庫を除いてほぼ有線接続並みの速度を維持しており、インターネットで動画を視聴する際にストレスを感じることはありませんでした。
また、無線LANルーターをWXR-1900DHP2に替えた後、自室で11n対応の子機からWI-U3-866Dに切り替えた際、わざわざ延長ケーブルで電波環境がよい場所へ子機を置いた11nよりも、PCにWI-U3-866Dを直接PCに差し込んだ状態のほうが高速という結果が出ており、動画を見るにはぎりぎりの電波環境だったバスルームでもストレスなく動画を視聴できるようになるなど、電波環境が良い箇所では11nまで対応の旧モデル無線LANルーターより良好な結果を得ることができました。
まとめ
PCとの接続においては従来の11n対応の無線LANルーターよりも広範囲をカバーでき、尚かつ最新の11acに対応しているため高速で通信が可能になります。
アンテナの感度が劣るスマートフォンやタブレットPCでは、PCのような広範囲をカバーするというメリットを享受しにくいのですが、電波環境が良ければ通信の高速化を見込めますし、ビームフォーミングEX及びビームフォーミングに対応した機種であれば、さらなる高速化が期待できるものとなっています。
今回は11nまで対応の旧モデル無線LANルーターからの更新でしたが、WXR-1900DHP2はハイスペックモデルだけあって、従来までの通信環境よりも快適な環境になりました。
コメント
コメントする