しかし、低価格故に解像度が低く文字が潰れて見えない等、実用性は微妙ということで購入を見送ったのですが、その後、1280×800の解像度モニターを搭載したEYE THEATERが発売されたのを知り予約購入してみました。
高価な物が多いヘッドマウントディスプレイのなかでも約2万5千円という低価格を実現していますが、十分に実用に耐える性能で驚きました。
フルHDの赤文字が目立ちますが、実際のモニター解像度はフルHDではないのでこの表記はどうなの?と感じるところです。
※映像入力はフルHD対応
※映像入力はフルHD対応
横には3m先に120インチサイズのモニターがあるように見えると表記してあり、ヘッドマウントディスプレイ自体が初めてということもあり期待に胸がふくらみます。
中身はEYE THEATER本体、遮光カバー、電源アダプタ、イヤホン、説明書です。説明書を見るとイヤホンのイヤーピースの替えが入っているはずですが・・・、私の手元に届いた物には入っていませんでした。
本体は軽量化のため樹脂製で、デザインや質感は優れているとはいえませんが、先に販売されたウェアラブルHDMIモニターの異様なインパクトを考えると至ってまともといったところです。
本体は充電式でもなければ、映像をワイヤレスで転送するような機能はありません。そのため電源と映像用にUSBケーブルとHDMIケーブルが本体から伸びています。
ケーブルは鬱陶しく感じることもありますが、充電タイプは重量が増えて本体が重たくなりますし、使いたいときにバッテリー切れということもあるので、どちらが良いとは言い切れないところ。
本体上部にはモニターユニットと目の間隔を調整するアジャスター機能が搭載されています。
また、頭にEYE THEATERを固定するためのバンドは両側がマジックテープになっており、簡単に長さの調整ができるようになっています。
モニターユニットは左右の幅が調整可能なレンズが搭載されています。
目の位置に合せて片眼ずつ調整が可能なので、視聴しながらジャストなポイントに設定することができます。
底面左には電源ボタン、リセットボタン。右に音量、光度切替えボタン、音量・光度各ボリューム調整用のボタンが用意してあります。
EYE THEATERにはスピーカーは内蔵されておらず、使用する際はイヤホンを取付けて使用します。
付属のイヤホンはそれほど良いものではないので、お気に入りのイヤホンを取付けて使用すると良いでしょう。
本体の重量はケーブルを秤の外に出して計測したところ、267gという重量になりました。ケーブルを含めると、これよりも重くなるでしょうが、寝転がって使うものなので実用時の重さはこの重量を参考にすると良いと思います。
EYE THEATERの電源アダプタはUSB電源アダプタタイプで、出力は5V1Aとなっています。
ただし、PC接続時にUSB2.0のコネクタから電源を取っても稼働したため、500mAhもあれば起動できるほど省エネのようです。多くのUSB電源アダプタやモバイルバッテリーで動かすことができるでしょう。
ヘッドマウントディスプレイといえば没入感が売りですが、周囲が明るく没入感を阻害してしまう環境では付属の遮光カバーが役に立ちます。
EYE THEATERに取付ければ没入感がさらに増して、まるで貸し切りのシアターにいるような感覚になります。
フィット感を確認するために装着してみました。バンドとアジャスター機能でEYE THEATERを適正な位置に固定することができます。
また、メガネをかけていても装着が可能なのはEYE THEATERのメリットで、太めのセルフレームだと少し圧迫感は感じるものの、実用性を損なうことはありません。
デメリットとしては、重量は軽めなのですが長時間頭を支えずに使うと重たく感じてしまいますし、寝ながら使用しても、頭をバンドが締め付けている感触が残るため、若干ですが装着感を感じてしまいます。
ただ、これらの点はEYE THEATERに限らず、他の機種でも共通したデメリットでしょう。
なお、EYE THEATERはゴーグルタイプなので使用時は周りが見えなくなります。そのため、即座に周囲を確認するためゴーグルを上部に傾けることができるようになっています。
PCと接続してテストすることにしてみたのですが、指定通り2秒電源ボタンを押しても電源が入らず、壊れたかと思い何度も電源ボタンを押してしまいました。
どうやら、起動してから映像が表示されるまでに5秒程度必要で、即座にモニターに映像が表示される仕様ではないようです。
なお、今回のテストではPCと接続しましたが、スマホやタブレットでもHDMI出力が可能な物なら使用できます。
HDMI出力がないものについては、実用性は別として、HDMIの延長用コネクタク(メス-メス)を使い、クロームキャストやその亜種を接続することで、HDMI出力非対応のものでも一部の映像を出力することができるでしょう。
PCはノートPCならHDMI出力がある物が多いですが、デスクトップだとHDMI出力がないものが多く、あっても空いているHDMIがあれば良いのですが、モニター出力として使用しているHDMI出力を使うとなると利便性が悪くなるため、USB接続のHDMI出力アダプタを使うのもの手です。
だたし、USB接続のHDMI出力アダプタはCOPP・HDCPに対応していないものが多く、非対応の物は地デジやブルーレイなどの著作権保護されている映像は見られません。
※EYE THEATER はHDCP対応
少し話がそれましたが、EYE THEATERのモニター性能について掘り下げていきます。
まず、表示された映像を見たところ感じたのは映像が滑らかということです。モニター解像度が1280×800なのでドットの粒状感は無く、違和感を覚えることはありません。
※入力は1080p・1080i・720pに対応(720p以上は縮小表示)
PCの画面設定で720pの解像度に変更すると縮小表示による文字の潰れもなく、綺麗なデスクトップ画面が表示されました。
モニターの仮想サイズについては、4m先に120インチの画面が出てくる設計のようですが、確かに大きいように見えますが、100インチのスクリーンを使っていた時と比べるとそれほど迫力を感じません。
画面は大きいように見えますが、実際のモニターサイズは小さいため、大きいようで小さく感じるという不思議な感じで、まるで、30インチクラスの液晶モニターを極至近距離で見た感覚に近いものを感じます。
ただ、プロジェクターと違いヘッドマウントディスプレイは視聴環境を簡単に整えられ、近隣や隣部屋の迷惑にもならず、使いたいときに手軽に使えるのが魅力です。
没入感については、ヘッドマウントディスプレイだけあって非常に高いものになっています。レビューの際に試しにと思い動画を少し見るつもりが飲み込まれ、しばらく動画を見続けていたぐらいです。
少し気になる点としては、モニターの光がフレーム内部で反射するため、没入感を僅かに邪魔している点です。しかし、これは奥行きが出てくるため、ある意味シアターにいるような感覚に浸れるといえば良いかもしれません。
ヘッドマウントディスプレイなら動画でしょう!ということで動画を見てみたところ、階調の表示が苦手で、グラデーションの画面になると段階的な階調気味になるのに気づきました。人肌や暗めのシーンでは特にこの点が目立ちます。
他にも残像が強めで、ふた昔前の液晶モニターのような性能だと感じます。アクション系の映画や動きの激しいゲームだと残像により違和感を覚えたり、目の疲れが酷くなりがちです。
もちろん、3D酔いする人はやめておいたほうがいいのは言うまでもありません。
なお、文章を読む用途として利用するのは目が疲れるので向いていません。12ポイント程度の文字は見えますが、周辺部が見にくいので目が非常に疲れます。
※接続先のデバイスによっては映像を縮小して表示する場合もあり、環境によっては文字がつぶれて見にくくなることもあるので要注意
試しに当ブログを読んでみたのですが、文字は読めるもの数十分で目が疲れてきました。
字幕もサイズによりますが小さいと眼球を頻繁に動かす必要があるので疲れますし、また、ニコニコ動画などの文字が流れる動画は頻繁に文字を目で追うため文字が大きくても疲れます。
これらの点から、画質にこだわる場合は大手メーカー製の高級機種を選択するべきで、逆に、安くても実用に耐えられる最低限の画質があれば良いという人には最適といえる性能になっています。
正直なところ、良くこの価格で出せたなというほどの完成度で、今後、集中して見たい動画はEYE THEATERで視聴しようと思っています。
まとめ
大手メーカーの高性能機とほぼ同等の1280×800解像度モニター搭載でこの価格を実現したのは凄い!の一言です。
モニターの性能が今ひとつに感じる点がありますが、価格からすれば適正といったところ。実用に耐えるだけの性能は十分に備えており、没入感は強いので安物買いの銭失いにはなりにくいと感じる性能でした。
なお、紳士の諸君は、くれぐれも周りが見えないことを理解のうえ使用していただきたいところです。
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