世界の中でもブロードバンド回線の普及率がずば抜けて高い日本。光回線の人口カバー率は96%ともいわれており、高速なインターネット環境を入手しやすいはずなのですが・・・市街地から離れているためか、我が家は未だに光回線のサービス範囲から漏れています。
しぶしぶADSLを使っているのですが、こちらもNTTの収容局から離れているためスピードは遅く、なんとかならないかと思っていたのですが、ADSLの高速化である程度速度を改善できるということなので、光回線のこの時代にあえてADSLの高速化にチャレンジしてみました。
ADSLは電話回線、すなわちメタル回線に電波(高周波)を流して通信しているようなもので、距離が離れるほど無線LANと同じく速度が低下します。
さらに、電話線は高周波が流れることを前提として設計されておらず、外部ノイズの侵入を受けやすいため、NTTの収容局から距離が離れれば離れるほど減衰と外部由来のノイズにより通信速度が低下します。
宅内に入った回線も同じように、家電等により発せられるノイズなどの影響を受けて速度が低下してしまうため、ADSLの高速化は主に宅内の環境を改善することがメインとなります。
そこでADSLの高速化のためサンワサプライ コア付シールドツイストモジュラーケーブルとELECOM LD-ADSLSP3 ADSL用スプリッタを導入してみました。
ELECOM LD-ADSLSP3はADSLと電話のラインを分離するスプリッタですが。内蔵されているノイズフィルターにより、ADSLの周波数帯に混じったノイズを取り除き高速化が見込めます。
サンワサプライ コア付シールドツイストモジュラーケーブルはノイズの侵入を防ぐ強力なシールドと、ノイズを取り除くフェライトコアが取り付けられたモジュラーケーブルです。
これらのアイテムを使いつつ、ADSLの高速化にチャレンジしてみました。
まずは手軽な方法からチャレンジです。
・モデムの電源を落として再度入れる
この方法は、モデム内部のノイズにより通信速度を安定して行うために、モデム自体がリンク速度をあえて低下させているときに有効です。
が、しかしモデムにノイズが入る原因を取り除かないと、どのみちノイズが入り時間とともに元に戻ってしまいます。
確かに一時的に速度は上がったものの、600kbps程度のため誤差の範囲内といっても良いほど。次の日には戻っていたので効果としては微妙でした。
・アースを落とす
モデムに入ったノイズを取り除くために、モデムにアース線を取り付けてノイズを逃がしてやる方法です。
アース線がなくともモデムのアース箇所に長い電線を取り付けておけば効果があるとのことですが、これについては特に速度の変化はみられませんでした。
・電源アダプターをコンセント直差しする
電源アダプターをOAタップに取り付けていると、ほかの電源アダプターや電子機器からノイズが入り込んでくることがあります。
電源アダプターをコンセントに直差しすることで、ノイズの入りを最小限に抑えて高速化に繋がることがあるそうですが、こちらも特に変化はありませんでした。
アースの件もですが、どちらかというと通信の安定性に寄与しているのかもしれません。
・モジュラーケーブルを取り替える
ノイズの侵入を防ぐため、短いモジュラーケーブルやノイズ対策がされたモジュラーケーブルを使用する方法です。
今回はサンワサプライ コア付シールドツイストモジュラーケーブルがこの対策にあたります。ノイズの侵入を防ぐシールドとフェライトコアによりノイズの除去を行うという2つの効果で高速化を狙います。
使い方は屋外側の配線に近い方にフェライトコアが付いた側を差込んで使います。
結果は一般的なモジュラーケーブルと大差がありませんでした。恐らくモジュラーケーブルからからノイズが入り込む環境ではなかったということなのでしょう。
メーカー在庫のみという欠品間近の商品のため結構な値段がしたのですが、我が家ではただのごついケーブルという結果に・・・。
・ノイズフィルタを使う
フレッツADSLでは電話とADSL回線の分離ができるスプリッタがモデムに同梱されていますが、このスプリッタの中にはノイズフィルタが入った物があります。
今回用意したELECOM LD-ADSLSP3はノイズフィルタが入ったスプリッタで、高周波の中に入っている不要なノイズをカットすることで高速化を狙うものになります。
なお、同社のスプリッタは2つありますが、電話回線1本を複数の線に分岐している環境(電話などが2台以上あり、着信時は同時に鳴る場合)ではラインセパレータ内蔵のLD-ADSLSPR2を、電話回線を分岐していない場合はLD-ADSLSP3を使います。
使い方は簡単で、既存のスプリッタを交換するだけです。
まずは交換前の転送速度です。
続いてELECOM LD-ADSLSP3に交換した後です。なんと2Mbpsも高速化しました。
しかも、翌日再計測してみましたが転送速度は低下することもなく、安定して高速化した後の速度を維持しています。
こんなに手軽に高速化できるのならもっと早くにやっておけば良かったと少し後悔していますが、毎秒1MB近い速度が出るようになったのでよしとしています。
我が家ではCATV回線も利用していますが、良いときは60Mbpsの速度が出るものの、使用するユーザーが多いとパケットロスが増えて応答速度が遅くなるデメリットがあり、速度は速いが回線の品質に難があるものと、回線の品質は良いが速度が遅いという、帯に短したすきに長しという回線環境を脱せずにいます。
願わくは光回線の提供範囲を拡大してもらいたいところですが・・・、これはもう市街地に引っ越すことも視野に入れないといけないのかもしれません。
コメント
コメントする