怒涛のヒットを飛ばし続けるBorderlandsシリーズが3作目を世に放ち幾分か時間が経ちました。いつかはプレイしようと思っていましたが、年末のセールで安くなっていたこともあり年末年始の休暇でBorderlands: The Pre-Sequelをがっつりプレイしてみました。
今作もBorderlands独特の世界観を崩すことなく新しいプレイスタイルを確立しているなど、しっかりと練りこまれていると感じるBorderlands: The Pre-Sequelをネタバレなしでレビューしていきます。
DLCベースのゲーム
Borderlands: The Pre-SequelはもともとDLCとして開発された経緯があるため、ナンバリングタイトル(初代と2)のようなストーリーがぎっしりと詰まったゲームではなくなっています。
同じようなクオリティを期待するとがっかりすると思いますが、Borderlandsの世界観を崩すことなく綺麗にまとめあげられている完成度になっています。
簡単に言うと、ストーリーとマップのボリュームが少ないBorderlandsという感じでしょうか。このため、フルプライスで買うには勿体ないと感じる内容ですが、発売からある程度経過していることもあり、セールでさらに安くなった今が適正価格だと個人的に感じます。
今回の購入価格は、セール時にDLCがセットになったシーズンパス付で3000円程度でしたが、この価格なら十分に内容に沿った価格だと思います。
DLCベースとはいえども、単体で発売できるほどのプレイボリュームにもっていっており、プレイ時間だけでいえば年末年始の長期休暇の間、6日間を費やして廃人プレイを堪能したのですが、それでも3週目の初めあたりというボリュームがあります。
※DLC含む。1週目サブクエストほぼクリア、2・3週目メインクエストのみ。
また、Borderlandsシリーズの売りのひとつであるアイテム収集については、前作同様にボリュームがあるため、アイテム収集にいそしむプレイヤーには前作同様の楽しみ方が味わえますし、周回プレイを楽しむためのハードモードのVault hunter modeとウルトラハードモードのUltimate Vault Hunter Modeも用意されています。
Ultimate Vault Hunter ModeをCLAPTRAPでクリアしてみたのですが、少しのミスで雑魚敵にやられるほど歯ごたえのあるハードっぷりにBorderlandsらしさを感じているところです。
前日譚の難しさ
Borderlands: The Pre-Sequelは前作Borderlands 2とBorderlandsの間のストーリーを補完する内容になっていますが、前日譚にありがちな矛盾や強引な後付け設定感はなく、よく内容が練られていることが伺えます。
今までにつくられたBorderlandsの世界観がバックグランドに存在し、それがしっかり土台として支えており、また、本作でその世界観を破壊することなくストーリーを綺麗にまとめあげていると感じます。
ただし、ストーリーについてはBorderlands 2と密接に関係しており、また、バックグラウンドにあるBorderlandsシリーズの世界観についてはBorderlandsからプレイしないと味わえないため、初めてのBorderlandsシリーズをプレイする人にはお勧めできない内容となっています。
今作では、前作の悪役として登場したハンサムジャックと共に、彼がいかにしてHyperion社の一介のプログラマーであるジョンから、Hyperion社を牛耳るCEOハンサムジャックになっていくのか、その過程を垣間見ることができますが、彼を知るためにはBorderlands 2からプレイしておかないと、彼の性格やストーリー中の出来事が解りにくくなっています。
他にもBorderlandsから登場する主人公や主要キャラクターたちも僅かながら登場することもあり、できればBorderlands 2をプレイしたうえで、可能であればBorderlandsからプレイしたうえでBorderlands: The Pre-Sequelをプレイすることをお勧めします。
月の低重力・無酸素状態
さて、前作Borderlands 2までプレイした人向けとしては、Borderlands: The Pre-Sequelはどう変わったのかが気になるところですが、前作までの舞台である惑星Pandoraから舞台は惑星Pandoraの月Elpisに移動しているため低重力・無酸素状態という要素が追加されている点が大きく目立ちます。
それに伴い、レリックが廃止されO2キットが代わりに追加されています。O2キットはその名のとおり酸素供給キットで、屋外の無酸素状態ではO2キットに蓄積した酸素を消費することになり、残量が0になるとライフが減っていきます。
また、低重力を活かしたアクションが追加されており、O2キットの酸素を消費して2段ジャンプを行なうエアーブーストや、高所から急降下して範囲攻撃するスラムアタックの追加といった要素が、従来までのプレイスタイルを変える、もしくは拡張する大きな要素になっています。
特に、今作で追加されたクリオ属性(氷)は周回プレイでは重宝する要素で、前作のスラグに匹敵する重要な要素でもあります。
クリオ属性の攻撃は敵を凍結させ、大きなショックを与えるとそのまま粉砕することで敵を倒すことができるようになっており、クリオ属性のグレネードや武器でまとめて凍結、スラムやノヴァ、ショットガンのゼロ距離射撃で粉砕というスタイルが楽しめるようになっています。
キャラクターを輝かせるユーモアの利いたネタやブラックジョーク
Borderlands といえば、劇中の搭乗者はごく一部の除き敵味方関係なく、ほぼ狂人しかいないのですが、アッパー系(テンションの高い)のハッピーなやつらが皮肉やブラックジョークを効かせてくれます。
※前作と比べると狂気の具合は控えめ
※前作と比べると狂気の具合は控えめ
特に、前作では独特の皮肉めいたセリフが印象的なハンサムジャックと道中で一緒になる事もあり、味方として再びあの皮肉の効いたセリフを堪能できるようになっています。
※DLCでは影武者(前作のドッペルゲンガー)が登場してプレイヤーとして選択可能
なお、Borderlands 2の前日譚ということもあり、Borderlands 2の映像と比べるとハンサムジャックはまだ若く、白髪も交じっていなければ顔のしわもほとんど目立っていません。
※スクリーンショットは影武者のドッペルゲンガー
※スクリーンショットは影武者のドッペルゲンガー
登場時には仮面もつけていない素顔のままですが軽口は相変わらずで、平気でケツアナとか言い放つチープ系キャラクターの喋りなのに、何故かカリスマ性を備えた愛らしい役ぶりは相変わらずです。
さらに、今作ではこの軽口を相手にまとも?に返せるCLAPTRAPが主人公キャラクターとして登場しているため、CLAPTRAPをプレイヤーとして選択すると妙な方向で会話が成り立つなど意外な面白さもあります。
なお、ウザイ系キャラのCLAPTRAPですが、今作では性格的な意味では比較的まとも(スキルは性格を反映しているのか博打要素が多くてプレイヤーとしては扱いづらい)なキャラクターに入るため、プレイしていてウザイと感じるよりは面白可愛いキャラクターとして楽しめます。
また、映画、ゲーム、漫画、アニメなどパロディや、ネットミーム等を取り入れたネタも楽しめ、特にDLCのCLAPTRAPのデジタルな決死圏は、ネットワークやOS、プログラムという概念をゲームで表現した面白い作りになっており、PCに詳しい人なら「あ~、分かる分かる」と頷くようなPC系のネタが満載されています。
もちろん、ローカライズは前作同様の高いクオリティを維持しており、翻訳や声優のクオリティは十分なので、ローカライズで各キャラクターの個性を殺すことなく、存分に活かしています。
まとめ
元がDLCベースのゲームということですが、プレイボリュームは十分で前作と同様にアイテム収集をがっつり堪能したい人にはまさに最適な続編です。
逆にストーリー性を重視する場合はマップの少なさも相まってストーリーボリュームの少なさに、ナンバリングタイトルとして出なかった理由がそこにあると気づかされる完成度となっています。
全体的なボリュームとしては、フルプライスで買うようなボリュームではないためセール時の半額程度が適正価格といったところで、DLCが入ったシーズンパス付で3千円を切るような価格であれば十分に元が取れる内容になっています。
ただ、Borderlandsシリーズとしては最初にプレイすべきストーリー内容になっていないため、可能であれば前作を、できるのであれば初代Borderlandsからプレイすることをお勧めしたい内容でした。
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