1人ロケで音声別撮り・同録をするためAudio Technica PRO70を導入したのですが、PRO70はあくまでもマイクのため、録音するには別途機材が必要になってきます。
そこで、今回レコーダーとして用意したのがTASCAMのDR-40です。
TASCAMといえば音響メーカーとして音楽業界では特に名の知れているメーカーです。
DR-40も本来の目的はライブや演奏の録音などを目的としたPCMレコーダーなのですが、今回は動画作成のお供としてレビューするため、音楽関係でのレビューを求めている人は他のブログなどを参考にしていただければと思います。
まずは内容物一覧です。
DR-40本体
USBケーブル(mini-B)
2GB SDカード
アルカリ電池3本
チルトフット
マニュアル類
外観はいかにも業務用と言わんばかりの外観ですが、外装はプラ製でややチープな印象があります。
前面にはバッライト付のモノクロ液晶モニターがついており、オレンジ色に発光するバッライトがついているので暗所でも状態を確認できます。
操作ボタンについては片手で操作できるように配置してあり、ボタン配置の設定も最適化されているので、ボタンの配置さえ覚えてしまえば片手でも簡単に操作ができます。
この手の音響機器を触るのは初めてですが、直感的な操作ができるようになっているので、操作を覚えるのは早かったです。
右サイドにはSDカードスロットとmini USBコネクタが用意されています。
mini USBコネクタはカード内のデータを読み込む際に使う事もできますが、電源供給用としてもつかえます。
PCやUSB原電アダプター、モバイルバッテリーから電源を供給して稼動させることができるため、長時間の連続録音に使えます。
ただし、供給電力が弱いとファントム電源を供給できない場合があるようです。オプションのACアダプターPS-P515Uの仕様が5V1.5Aのため、5V1.5A以上を供給できるのであれば大丈夫だと思います。
SDカードスロットはSD・SDHC・SDXC(V2ファーム適用時)に対応しています。
添付のSDカードは謎のメーカー製の2GBモデル。容量的に足りないためDR-40と合わせてSDHCの16GBメモリカードを買いました。
左サイドはインプットレベル、ボタンホールド、外部接続設定、ラインアウトとなっています。
DR-40はファントム電源を供給することができるため、外部接続設定にはマイク用ファントム電源モードが用意されています。
このモードに切替えると「ファントム電源ONだけど大丈夫?」と英語で確認を促されます。ファントム電源に対応していない機器へ供給すると壊れる可能性があるので、この注意は助かります。
上部にはスレテオマイクが用意されています。閉じた状態のX-Yと・・・。
開いた状態のA-Bに設定ができ、状態合わせてモードも切り替ります。
このマイクの切替えは面白い使い方をしている人がおり、A-B状態で2人の対談をモノラル2トラックのように録音できるように、各マイクが人に向かうように設置したり、横に立て片方のマイクを口に向け、片方をギターに向けて別トラックのように録音してミックスするなど、アイデア次第で意外な使い方ができるようになっています。
下部にはXLR・TRS兼用コネクタと、オプションのリモートコントローラー用端子が用意されています。接続できるマイクはダイナミック・コンデンサー両対応ですがアンバランスマイクには対応していません。
背面はモノラルスピーカーと三脚ネジ、電池ボックスが用意されています。モノラルスピカーは0.3Wのため、簡易的な確認用として割り切る必要があります。
三脚ネジは、三脚に取付ける際に使用しますが、カメラのアクセサリシューに取付けるアダプターを使えば、カメラに取付けができます。
また、付属のチルトフットをここに差込めば、台の上に直接置いても最適な録音環境を維持できるようになっています。
なお、電池ケースの蓋に格納用スペースが用意してあり、使用しないときはこの箇所に保持しておけるので紛失の心配はありません。
電池は単三電池3本。アルカリ電池とニッケル水素充電池に対応しています。競合機種として挙がるZoom H4nは単三電池2本のため、長時間の稼動になるとDR-40が有利です。
ここからは実際の使用に関しての感想になりますが、最新のV2.00ファームを当てた状態で使用しての感想になります。
DR-40はAudio Technica PRO70と接続して使うのですが、両者ファントム電源に対応しているため、電源管理をDR-40で管理できるというメリットがあります。
ただし、DR-40の説明書にはファントム電源を使うと稼動時間が短くなると書いてあり、上位機種のDR-100mk2 のレビューでは驚異的な電池の減りだと記載があったため、試しにファントム電源をPRO70に供給してどれだけ録音できるのかテストしてみました。
テスト環境は、外部マイクPRO70を接続、ファントム電源ON、モノラル(外部入力1)でデュアル録音モード、16bit 48KHz、Amazonのニッケル水素電池1900mAh(新品)、エンドレスで音声を流し続けるスピーカーの音を拾う続ける状態で計測してみました。
結果は約6時間30分録音が可能でした。バッテリー残量メーターが残り1つになってからの粘りが驚異的です。何処まで持つか不安でしたが、このスタミナなら私の使い方だと十分です。
ただし、マニュアルにはファントム電源供給時の持続時間は約3時間と表記されているので、接続する外部マイクにより大きく変動する可能性はあると思います。
※PRO70はファントム電源使用時2mA
同時にバッテリー切れの場合はどうなるのかも確認してみましたが、バッテリー切れを起こしても事前に自動的に録音を停止しファイルを保護してくれます。
DR-40には音ズレ問題もあり、映像と同期させる場合は注意が必要です。
この問題は周波数を制御するクロック生成回路の性能が低いのか、現実の時間よりも録音した時間が延びるという現象が発生するため、時間が長ければ長いほど映像との同期がずれていきます。
どれだけ音ズレが発生するのか検証するため、動画撮影に使用しているCanonのEOS Kiss X7iとAudio Technica PRO70を接続したDR-40で検証してみました。
※真ん中のトラックがEOS Kiss X7iの音声トラックで、最下部のトラックがDR-40の音声トラック。
Premiere Proでズレを確認したところ、トーンジェネレーターの鳴り止みから約30分後に0.5フレームのズレが出ていました。ひどい個体だと30分で3フレームもあるという話もあったので、これは当たり個体かもしれません。
※WAVE 16bit 48KHzで録音後、トーンジェネレーターの鳴り止みがフレーム先頭に来るように20ms秒先頭を事前にカット。
※編集はPremiere Proを使用。この後調整後のトラックを音声としてH.264で出力したが映像とのシンクロに違和感はなかった。
※最下部のトラックは再生速度の調整後のトラック
このズレを直して同期させるには、WAVEファイルを編集できるソフトで再生速度を微調整して映像と同じ長さにしてしまうことです。そうすれば映像と同期し違和感を感じなくなります。
ただし、この音ズレは終了時間に行くほど伸びていく非常にやっかいなズレなので、この方法では長時間のズレは修正できない可能性が高いです。
調べてみると、この手の製品は大小差はあれ音ズレがするのは当たり前のようです。しかし、DR-40は個体差がひどく、ものによっては大きくズレるのが問題なので、映像と同期させる場合はよく考えてから導入をお進めします。
他にも動画撮影時には外部マイクとしての使用方法もあり、このように一眼レフカメラと合わせて外部マイクの代わりに使うこともできます。
※屋外で使うならウィンドスクリーン必須
カメラ側の音声入力に接続すれば、トーンジェネレーターの音をカメラ側でも録音できるので、編集時の同期作業が幾分か楽になります。
DR-40だと単体の外部マイクと違い、2本の外部マイクが追加で使えるというメリットも生まれます。
さて、実際に使った場合はどうなるのかというと、すでにこちらで使用した動画があります。インタビュー風シーンでDR-40とAudio Technica PRO70を組み合わせて使用しています。
メインとは別に音量を下げたバックアップトラックを同時に録音できるデュアルモードで使用していますが、不足の音割れでも再録が不要なので時間を無駄にすることはありません。
録音後に音ズレと音質の調整していますが、思った以上に良い音で気に入っています。
まとめ
映像に同期させようとすると個体差によっては音ズレが激しいという問題がありますが、ファントム電源が供給できるMTRとして考えたなら、DR-40はコストパフォーマンスが良いので捨てがたいところです。
外部マイクがバランスのみ対応というのはコスト的に仕方ないのかもしれませんが、競合機種よりスタミナがあり、総合的なコストパフォーマンスは良い線を行っているように感じます。































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