ワイドモニターよりも横に長いウルトラワイドモニター。21:9というアスペクト比で、主流の16:9モデルよりも情報が多く表示できるため、手にする人もじわじわと増えてきたようです。

そんなウルトラワイドモニターを、今、買うのならどのモデルが良いのか、購入を前提として検討した結果、残った5つのモデルを紹介したいと思います。

なお、ウルトラワイドモニターを初めて知ったというかたは、この記事を読まれる前に、こちらの記事を読んでおくと、自身にあったモデルを探しやすくなると思います。

日本では今ひとつ馴染みがないメーカーですが、グローバル企業として活動している、オランダのフィリップス社から販売されているウルトラワイドモニターです。

コストパフォーマンス重視のモニターですが、外観は若干プレミア感を感じるフレームを採用しており、おしゃれな机の上に置いても味気なさを感じることはあまりないでしょう。

デメリットは応答速度と入力ラグが約14msあることです。応答速度は遅い方で、応答速度を向上させるOD機能(SmartResponse)をかけると、GtGで5msという標準的な応答速度になると仕様上は記載してありますが、SmartResponseをかけ過ぎると、映像のエッジがブレて画質の低下を招くこともあるので、動きに弱いモニターといえます(1世代目モデルのため)。

動きの激しい動画やゲームには不向きですが、表計算や写真の編集、シネマスコープの動画を見るといった用途に向いているといえます。なにより、価格が安価のため、予算がない場合は有力なモデルとえいます。



●スタンダードでいきたいなら(Laineema的お勧め)


ASUS PB298Q(29インチ 2560x1080)

PCの周辺機器やパーツを出しているメーカーのものが良いというのであれば、ASUSのPB298Qがお勧めです。

ウルトラワイドモニターの中では、PCモニターらしいスタンダードな黒フレームのデザインを採用しており、映像への没入感を向上させています。デメリットは、同じくスタンダードな外見のため、存在感がなく目立ちにくいという点でしょうか(商品としての存在感も薄いが侮ってはいけない)。

GtGで5msという応答速度はODによるものと思われますが、ASUSはゲーム用の応答速度の高いモニターも販売していることもあり、ODをかけているからといっても酷くエッジが破綻することは無いと思います。

海外のレビューでは、応答速度はウルトラワイドモニターの中でもトップクラスと計測結果が出ており、入力ラグは無いためゲームで使用するのにも向いています。

※29インチウルトラワイドの応答速度と入力ラグの参考(英語)
http://www.philips.co.jp/c/pc-monitor/brilliance-lcd-monitor-with-multiview-298x4qjab_11/prd/ 

他にも多機能なスタンドが用意されており。ピボット、スイーベル、チルト機能がついているため、自在にモニターの調整が可能です。縦置きや、マルチモニター環境に使う際に、モニターアームに頼らずとも、標準装備のスタンドだけで事足りる可能性が大きいです。

調整範囲外の場合はモニターアームの出番となりますが、元々縦横自在に設置できる設計のため、長時間縦置きにしていても安心です。

Acerも似たような価格帯で29インチのウルトラワイドモニターを出していますが、スタンドの機能が劣るため、この価格帯で狙うのであればASUS PB298Qでしょう。

見た目よりも実用性を重視しているのであればASUS PB298Qはお勧めです。なお、スタンド機能は劣るものの、外観に高級感を持たせたMX299Qもあります。



●やっぱり国内メーカーの製品が欲しい


国内メーカーではこの手の変則的なモニターを販売するところはないだろうと思いきや、何を血迷ったかNECが販売しています。

黒フレームモデルもあるのですが、白フレームのモデルや性能のことを考えると、どちらかというと業務用の製品というニュアンスが強く感じられます。

デメリットは16msの入力ラグがあることと、応答速度も映像によっては遅いクラスにはいるなど、動きのあるゲームや動画編集といった作業には向いていません。

また、PCユーザーからすると必要なのか疑問に思う機能(人感センサー、CO2を強く意識したエコモードなど)が数多く備わっているため、モニター本来の機能を重視しているユーザーには9万円を超える売価は割高に感じてしまいます。

ただし、入力系統は6系統と非常に多く用意されており、1台のモニターに2系統の映像を同時に表示することもできるので、2台のPCを1台のモニターで同時に使ったりと使い方の幅が広がります。

PCゲームや動画編集といった動きのあるものに使うのは不利ですが、入力系統が多いので1台であれこれしたい人向けだと感じます。また、国内メーカーのためサポートは期待できそうですので、業務用に導入を考えているのであれば、デザイン含めお勧めの1台です。




●ともかく最高のものが欲しい!


LG 34UC97-S(34インチ 3440×1440 曲面液晶パネル)

34インチの大型ウルトラワイドモニターです。特徴的な曲面液晶パネルは、縁に近くなるほど目の焦点距離がずれ、ぼやけてみえる現象を改善するためのもので、大型化に伴い、顕著になったこの問題を解決するための構造です。

応答速度はGtGで5msという仕様になっています。実際に計測した資料は見つからなかったものの、2014年10月に販売と比較的新しい世代のウルトラワイドモニターですから、1世代目のような遅さにはならないでしょう。(LGはウルトラワイドモニターに力を入れており、改善を繰り返している)。

入力ラグについても、旧モデルで改善済みですので、こちらも問題無いのではと予想しています。

デメリットは10万を超える販売価格です。モニター1台でミドルアッパークラスのPCが1台手に入るレベルで、29インチのウルトラワイドモニターだと2台買えるほど高価です。

最新、最高のスペックのものが欲しい、人が使っていない物が欲しいというのであればお勧めの1台となるでしょう。

なお、メーカーやロゴに抵抗感があるという人は、似たような仕様のウルトラワイドモニターUltraSharp U3415WがDELLから発売されますので、そちらを検討するのも良いかと思います。