最近、動画にアフレコを入れる関係で、PCの騒音が気になりはじめました。メインのPCは、SSDの容量が小さかった頃の名残でHDDがついていますが、このHDDの稼動音がマイクを通して入ってくるため、メインのPCを完全にHDDレス化することにしました。
今回、置き換えに使用したSSDはSANDISKのバリューモデル Ultra II SSDシリーズのSDSSDHII-480G-J25Cです。
サンディスクと言えばフラッシュメモリ関連で有名ですが、技術の転用が可能なのにSSDに参入したのは2013年と後発組で、今年になってラインナップが拡充され、万全を期して攻めてきたなと感じるところです。
現在は、ハイパフォーマンスモデルのExtreme PROと、今回レビューするバリューモデルのUltra II シリーズの2種類が人気のようで、Ultra II シリーズの240GBモデルが価格.comの売れ筋TOP10に入るなど、高性能なフラッシュメモリを手がけているメーカーだけあって、後発でも人気が出ているようです。
今回紹介するのはSDSSDHII-480G-J25Cですが、店舗によっては末尾のCが無いモデルを販売しているところもあります。これは流通経路の違いによる区別のためで、どちらも3年保証となっています。
早速中身を取り出してみましたが、バリューモデルだけあって中身はシンプルです。SSD本体と9mm厚用のスペーサー、簡易マニュアルのみとなっています。
スペーサーは両面テープで貼り付けるタイプで、必要に応じて取り付けます。
SDSSDHII-480G-J25本体はプラスチック製の筐体にシールを貼ったシンプルな作りで、コストを重視しているからか実際に手に取ってみると、メーカーの写真ほど高級感は感じません。
メモリコントローラーはCrucialnなどで採用されている信頼と実績のMarvell社のコントローラーが載っています。チップのモデルは88SS9189です。
SANDISK Ultra II シリーズSSDでは同じMarvell社のチップが載っているCrucialのMX100シリーズと比べ、低容量の128GBモデルでもシーケンシャルライト・リードの性能が変わりません。
この秘密は、SANDISKの独自の技術nCache 2.0によるもので、詳細な仕様は分からないものの、一般的なSSDで採用されている、DRAMメモリによるキャッシュに加え、SLCのメモリもキャッシュとして使われる二段キャッシュ構造で高速化を実現しているようです。
最終的にはTLCのNANDメモリに書き込まれるわけですが、nCache 2.0により、安価ではあるものの、書き込み性能と書き換え耐久性が低いといわれるTLCの弱点を克服して、実用レベルに持ってきたようです。
OS無し OSインストール状態
実際にベンチマークをしてみましたが、古いPCのためシーケンシャルリード550MB/s・シーケンシャルライト500MB/sと、仕様通りの性能は出ていないものの、それに近い数値が出ています。
CT512MX100SSD1 OS無し CT512MX100SSD1 OSインストール状態
CT512MX100SSD1 OS無し CT512MX100SSD1 OSインストール状態
競合モデルのCrucial MX100シリーズの512GBモデルCT512MX100SSD1と比べ、512Kのリードと4KQD32のライトがやや劣っていますが、他の項目については同等の性能が出ています。
計測環境
MB: ASUS P8Z68-V
CPU:Intel Core i7 2600K
RAM:A-DATA AX3U1600GC4G9-2G 2セット(16GB)
VGA:玄人志向GF-GTX570-E1280HD
PSU:ENERMAX EMG900EWT
OD:Pioneer BDR206JBK
SSD:crucial CT512MX100SSD1(512GB)
HDD:WD WDC WD5000AAKS-00V1A0
CASE:Lina-Li PC-V2100 PLUS II(BK)
FAN:12cmケースファン×6
CPUクーラー:Corsair Hydro H60
FC:Scythe 風Q
SU:M-Audio DELTA1010
OS:Windows7 Profesional 64bit
Crucial MX100シリーズは、SANDISK Ultra II SSDシリーズで採用されているTLCメモリよりも性能が良いMLCメモリを採用しているのですが、SANDISKが長年フラッシュメモリで蓄積してきた技術でその差を埋めるどころか、その先へと行ってしまった感じがあります。
ただ、TLCメモリとなるとMLCメモリよりも書き換え耐久性に劣り、総書き込み容量が何処まであるのか不安になるところですが、耐久性の指標となる、総書き込み容量は公開されていないため、未知数としかいいようがありません。
一応、メーカーによる3年の保証はSSDでは一般的な保証期間なので、それなりの自信はもっているようですす。
また、MTBF(平均故障間隔)はMX100シリーズの150万時間に対し、Ultra II シリーズが175万時間なので、nCache 2.0によりMLC並に耐久性があると考えることもできます。
また、MTBF(平均故障間隔)はMX100シリーズの150万時間に対し、Ultra II シリーズが175万時間なので、nCache 2.0によりMLC並に耐久性があると考えることもできます。
他にもソフトウェアが充実しており、ドライブのテータスを表示するSSD Dashboardの他、SSD DashboardからアクセスしてDLすることができる、ApricornのEZ GIG IV(ディスククローン)、トレンドマイクロのTitanium(アンチウイルス)、AbsoluteのLoJack(データ保護)が付属しています。
今回はOSをインストールした状態で計測するために、ApricornのEZ GIG IVを使用してディスクのクローニングをしてみました。
DLするページは英語になっていますが、ソフトは日本語に対応しています。ただ、フォントが中国語フォントなので、怪しい雰囲気を感じます。もちろん、機能に問題はありませんのでご安心を。
まず、ソースドライブ(コピー元)の選択です。一部文字化けしている箇所がありますが、この部分だけは2バイト文字に対応していないようです。
※ApricornのEZ GIG IVを起動する前に、コピー元のディスクとコピー先のディスクを接続した状態でPCを立ち上げておくこと。
※ApricornのEZ GIG IVを起動する前に、コピー元のディスクとコピー先のディスクを接続した状態でPCを立ち上げておくこと。
次にターゲットドライブ(コピー先)の選択です。SDSSDHII480GがSDSSDHII-480G-J25Cなのでこれを選択します。
再確認画面がでるので上部のコピー元とコピー先があっている確認して、問題が無ければ次へをクリックして進みます。
画面が切り替りドライブのコピーが始まります。
ディスクのクローニングソフトといえばAcronis True ImageがSSDに付属ソフトとして数多く採用されていますが、ApricornのEZ GIG IVはAcronis True Imageと違い、ドライブコピーの際にWindowsを起動したままクローニングします。
ネットを見たり、動画を見たりしながらクローニングすることができるので、クローニングの間にPCが使えなくなるということはありません。
ただし、クローニング中に作成・変更したデータはコピー先に反映されないので、データの保存が伴う作業は要注意です。
しばらくすると、クローニングの完了報告が出てきますので、PCの電源を切り、コピー元のドライブを取り外して起動すれば完了です。
難しい設定は全て自動で設定してくれますので、見よう見まねでクローニングができます。
難しい設定は全て自動で設定してくれますので、見よう見まねでクローニングができます。
まとめ
実はSANDISK Ultra II SSDシリーズの中で、一番旨みがないのが今回レビューしたSDSSDHII-480G-J25Cで、同価格帯のCrucial MX100シリーズ CT512MX100SSD1と比べると、TLCを採用しているだけあって耐久性は未知数で、性能は僅かに劣るという残念な結果になってしまいました。
SANDISK Ultra II SSDシリーズの真骨頂は120GB・240GBモデルで、Crucial MX100シリーズは低容量のモデルほどシーケンシャルライトの性能が劇的に低下するのに対し、SANDISK Ultra II SSDシリーズはシーケンシャルリード・ライト共に全モデル変わらない仕様となっています。
※ランダム性能は低容量になるほど少しずつ下がる。
また、SSDの耐久性を上げるためのマージン領域も120GB(8GBの差)・240GB(16GBの差)モデルだと、それほど大きくは感じません。
加えて、1TBモデルでは価格が1万円近く開いており、現在の1TBモデル最安値はSANDISK Ultra II SSDシリーズとなっているなど、480GBモデルが一番旨みが感じられないモデルになっています。
ということで、SDSSDHII-480G-J25CはTLCなのに売価がMLCと変わらない残念な結果となりましたが。今後NASのSSD化を考えているので、ボーナスでも出たら1TBモデルのSDSSDHII-960G-J25Cを買ってみようかと思っています。
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