日本でもニュースなどに取りあげられて注目を集めているBitcoin。調べれば調べるほど、そのシステムは素晴らしく、設計者の天才ぶりがうかがえるものとなっています。
この仮想通貨というものは取引所で正式な通貨(円、ドルなど)で購入する他、採掘という行為で手に入れることができます。
しかし、まるで軍拡競争のようだと比喩されるほど加熱するBitcoinの採掘により、Bitcoinは個人で採掘するには難しいものになってしまいました。
※個人が全力でGPUを2台回して月500程度、これから電気代を引くと・・・
そこで、すでに個人では採算の合わないBitcoinではなく、今でも個人で採掘しても採算に乗るLitecoinを採掘してみました。
まず、Litecoinを採掘する理由ですが、Bitcoinに次ぐ仮想通貨であるということ。そして、Bitcoinと違い専用ハードが出ていないscrypt系コインだからです。
参考:各仮想通貨の取引規模 http://www.cryptocoincharts.info/v2/coins/graphicalComparison
仮想通貨は政府が認めていない通貨ですから、今のところゲーム内のお金と同じ感覚です。しかしRMTと同じく仮想通貨や通貨を交換する交換所があり、LitecoinをBitcoinに変えることもできます。
もちろん通貨や証券の取引だと身分を証明する手続きが必要ですが、仮想通貨であれば必要ありません。取引所(BTC-e・CoinEX・Cryptsyなど)に登録してしまえば自由に仮想通貨を取引できます。
そして、専用ハードが出ていないということは、競争がBitcoinほど激しくないということです。個人がビデオカードで採掘しても採算があう仮想通貨になっています。
以上によりLitecoinを採掘すのが今現在、最も効率がよいと判断したのです。
それでは、採掘に関して順を追って説明します。
1.採算が合うか計算する
まずここで失敗しては採掘する意味がありません。採算が合うのか、現在のPCの構成で計算することができます。
※採掘はGPU処理が有利なため、ビデオカード必須
最初にハードの処理能力一覧から自分の持っているビデオカードを確認します。
参考:ハード処理能力一覧 https://litecoin.info/Mining_Hardware_Comparison
必要なのはハッシュレートでkH/sの部分に書いてある数値です。
次にMining Calculatorで計算をします。
Mining Calculator:https://www.litecoinpool.org/calc
Hash rateに先ほどの表から得た数値を入力します。複数数値があるGPUは環境による差によるものなので、できるだけ最低値を選択すべきでしょう。
私の場合はGTX570が2個付いて、1つが200kH/sの処理能力を持っているので400を入力しました。
次にPower usageに消費電力を入力します。ワットチェッカーなどの消費電力を表示するツールがあると正確に計算できます。
無い場合は電源容量計算機でピークの消費電力からCPUのピークとアイドル消費電力との差を引きます(CPUがピーク100Wでアイドル30Wなら70Wをピークから引く)。これはGPU処理がメインの採掘ではCPU処理はほとんど必要ないからです。
皮算用計算機:http://www.cost-simulator.com/eco/eco3.html
ちなみに、皮算用計算機に電源まで入力して、各ボルトの電源容量が80%を超えるようだと、電力供給が不安定になりシステムがクラッシュする原因となるので注意してください。
GPUをフルパワーで回すため、特に12Vは要注意です。
私の場合はワットチェッカーで出た実測値520Wを入力しました。
Network Difficultyについては数値を変更しません。ここは自動入力です。
※Network Difficultyは採掘難易度
最後に電力コストのEnergy costを入力します。
電気代は各電力会社が提示している資料から探してください。
北海道電力http://www.hepco.co.jp/
東北電力http://www.tohoku-epco.co.jp/
東京電力http://www.tepco.co.jp/index-j.html
北陸電力http://www.rikuden.co.jp/
中部電力http://www.chuden.co.jp/
関西電力http://www.kepco.co.jp/
中国電力http://www.energia.co.jp/
四国電力http://www.yonden.co.jp/
九州電力http://www.kyuden.co.jp/
沖縄電力http://www.okiden.co.jp/index.html
電気代は使用量に応じた段階的な課金となっているので、各電力会社のサイトに電気代の計算機能があるのであれば、実際に計算するといいでしょう。
私の場合は大体25円/kWh程度になりましたので、USDで0.25と入力しました。
入力したらComputeボタンを押して採算があうのか結果を出してもらいます。
これが私の環境で採掘した場合の採算です。
1日6.22USD分ほどLTCが採掘できることになります。おおざっぱに1ドル100円としても、1月で18,600円程度の利益が出る計算になりますが、採掘難易度は約3日ごとに上昇し続けているため、日が経過するごとに利益が減る計算になります。
下記のページのNetwork Difficultyに書いてあるレートを見ると分りますが、どんどん上昇しているが分ります。従ってこの上昇率を考慮しないといけません。
https://www.litecoinpool.org/charts
また、相場により仮想通貨の価値は激変しますので、良く市場に目を通しておかないと赤字に転換することもあります。
また、日本ではLTCを直接円に替えることができないため、LTCを海外の交換所でBTCに交換し、BTCをmt.goxに振込み、BTCを売って円にするという手順で初めて円に変わることができます。
そのため円にするには、LTCからBTCに交換するレートも計算に入れる必要があります。
面倒な場合は、これから先、日本にもLTCの取引所ができるまで待つか、LTCで取引できる時代まで待つしかないでしょう。もしかしたら、Bitcoinのように高騰することで含み益がでるかもしれません。
※追記:エクセルでLTCからBTCを経由して日本円に変えたときのコスト計算表を作ってみました。必要事項を記入するだけで簡単にコストが日本円で計算できます。
LTC採掘コスト計算表(日本円換算)右クリックして対象をファイルに保存(注意:採掘難易度は変化無しの想定で計算)
初期入力の数値は今現在、私の環境に合わせて計算されています。
2.集団採掘所に登録
さて、採算が合うPCが準備できたら採掘を開始しましょう。
まず、採掘についてですが、個人採掘と集団採掘に分かれており、今では個人で採掘する人は集団採掘をしています。
これは、採掘の原理を理解するとわかるのですが、マシンが処理をした時間に対してコインが割与えられるシステムではなく、マシンが処理してコインを見つけたとき初めてそのコインをもらえるというシステムだからです。
従って高速な処理ができるマシンほど短時間でコインを見つけることができます。
先ほどのMining Calculatorにはコインを発掘できる可能性が書いていますが、個人で採掘すると1年処理し続けて85.46%の可能性でブロック(コイン)を見つけることができると書いてあります。
個人採掘は、見つかればそのブロック分のコインは全て採掘者のものですが、あくまでも見つかる可能性なので、処理したとたん発掘できることもあれば、1年以上も見つからない可能性があります。
このようなバクチ的要素が大きいため、集団で処理能力を束ねて採掘し、集団採掘所がコインを発見したら処理能力に応じた割り当てをもらうことができるようにしたのが集団採掘所です。
集団採掘所では即座に処理能力に応じた報酬をもらえるため、ひたすらコインを発見するまで採掘に耐える必要はありません。
もちろん集団採掘所によっては集団採掘所に支払う報酬があり、Fee○%という表記がしてあります。この場合、採掘したコインの○%は集団採掘所が報酬としてもっていくことになります。
さながら、データセンターのような巨大規模で採掘するのが個人が巨大採掘機で鉱山を掘るイメージ、個人がPCで採掘するのが工事現場で使う掘削機を使い採掘するイメージ、集団採掘所は工事現場で使う掘削機をもったユーザーが集まり、鉱山を掘るというイメージでしょうか。
ということで、今回は即座にコインをもらうことができる集団採掘所に登録して採掘します。
集団採掘所にも色々ありますが、今回選んだのはCoinotronです。古くからある採掘所で集団採掘所自体の総合採掘能力が高いのが魅力です。
総合採掘能力が高いとブロックの発見率も上がるため、安定してコインが手に入ります。
Coinotron:https://coinotron.com/
Coinotronに移動したら、メニューからRegistrationを選択して必要な項目に入力をしてCreateボタンを押せば登録が完了します。
入力は上からユーザーネーム、パスワード、パスワード(誤入力確認用)、eメールのみです。
登録したらMy Accountからワーカーの登録をします。
Add Workerの下にある登録欄にWorkerの名前とパスワードを入力します。CoinはLTCになっていることを確認してください。
※なおWorkersは自由に増やせるので複数台のPCを使い採掘することもできますが、ブレーカーの容量とコンセント及びコードの容量には注意しないと火事のもとになるので、その点は特には特に注意してください。
Payment modeは採掘報酬をどのような形により出すかです。
Pay per shareは時間は関係なく、採掘したときの処理能力に応じて報酬がでるようになっています。パートやバイトような時給システムと考えて良いでしょう。
PPNLSは一定の時間内にどの程度のブロックを採掘したかで報酬が出るようになっています。さながら日給月給制度ににているといえます。
Round Pay per shareについてはよく分らないのですが、採掘できたブロックが集散採掘所のものとなるまで支払われれず、最悪ブロックが孤立したら(採掘所が手に入れることができない場合)支払われないというもののようです。現物配給制とでも言えばいいのでしょうか?
今回は集団採掘所に支払う報酬が3.5%と大きいが、個人にとっては手っ取り早くコインが入るPay per shareを選択しました。
入力と選択が終わったらAddボタンを押してワーカーを登録してください。
正常に登録すれば、スクリーンショットのようにWorkersの項目にワーカーが表示されます。
これで集団採掘所の登録は終了です。
3.PCを採掘マシンに仕立て採掘する
ここでは採掘につかう採掘ソフトminerのセットアップを行います。
minerには様々な種類があり、それぞれ得手不得手があります。
例えばnVidiaのGPUはcgminerやGUIMiner-scryptだと効率が悪く、CUDA minerを使わないと100%の能力が出せません。消費電力はどちらも同じなので、効率の悪いminerで採掘すると電気代のコストが膨らみます。
※GTX570がCUDA minerで200kH/sだがGUIMiner-scryptだと50kH/sになる
絶対的な効率からいえばAMDのGPUに軍配が上がるので、もしPCを採掘用に組むのであればAMDのGPUを採用したビデオカードを選択し、複数枚マザーボードに差込んで使うのが正解です。
そしてminerと集団採掘所を繋ぐStratum Proxyというものが必要です。これは個人の採掘能力を集団採掘所に繋ぐ重要なもので、Stratum Proxyが起動している環境で採掘する必要があります。
それでは実際の手順を書いていきます。
Stratum Proxyの準備
Stratum Proxyをダウンロードします。ページのDownload official Windows binaries (EXE) をクリックしてダウンロードしてください。
DL先:http://mining.bitcoin.cz/mining-proxy-howto
Stratum ProxyもminerもDOSで動かすアプリのためできるだけルートに違いフォルダに入れておくことが望ましいです。
今回は仮にD:\LTCに保存したとします。
次にコマンド入力する手間を省くためBATファイルを作成します。
メモ帳を開き以下のコマンドを入力します。
D:\LTC\mining_proxy.exe -o coinotron.com -p 3335
※D:\LTC\mining_proxy.exeは保存した箇所により変えてください。
メモを保存したら、拡張子をtxtからbatに変えておきます。名前は適当な英数にしておきましょう。
今回はLTC mining_proxy.batにしておきました。
拡張子が変えられない場合はフォルダのメニューからツール>フォルダオプション>表示>登録されている拡張子は表示しないのチェックを外してください。これで.txtの部分が表示されるようになります。
Stratum Proxyの準備はこれで完了です。
minerの準備と採掘
minerですが、色々あるので代表的なところを説明します。
CUDAminer編
CUDAminerはnVidiaのGPUを使っている場合に使用します。DL先は以下のサイトです。
https://bitcointalk.org/index.php?topic=167229.0
cudaminer-2013-11-20.zip [Update: 32+64bit version] (11.4 MB)という箇所をクリックして、MEGAからダウンロードしてください。
中には32Bit OS向けのx86と64Bit向けのx64バージョンが入っていますので、使用しているOSに合ったものを選択してください。
今回は仮にx86 or x64フォルダの中身をD:\LTC\cudaminerに保存したとします。
次にメモ帳を開き以下のコマンドを入力します。
D:\LTC\cudaminer\cudaminer.exe -o stratum+tcp://coinotron.com:3334 -O workername:woker password
username.workername:woker passwordの部分はCoinotronに登録したものを使います。
CoinotronのMy Account内にあるMy Workersの箇所のNameがworkernameに入れる文字です。Nameがyamda.satouでPasswordが1234なら以下のコマンドになります。
D:\LTC\cudaminer\cudaminer.exe -o stratum+tcp://coinotron.com:3334 -O yamda.satou:1234
スタートボタンのプログラムとファイルの検索欄にcmdと入力してコマンドプロンプトを起動します。
起動したらStratum Proxyを起動するためLTC mining_proxy.batをドラックアンドドロップで放り込みます。
Enterキーを押してStratum Proxyを起動させます。スクリーンショットのように文字が出たら成功です。
この状態で新しくコマンドプロンプトを立ち上げ、CUDA.batをドラッグアンドドロップで放り込みEnterキーを押して起動します。
自動調整が始まり、調整が終わり次第採掘が開始されます。GPUの温度が上がりファンが高回転で回るため、エアフローに注意してください。
cgminer編
AMDのGPUを使うのであればGPUをサポートしているcgminer最後のバージョン、cgminer 3.7.2を利用するのがお勧めです。
まずはcgminerをDLするために以下のサイトにいきます。
https://bitcointalk.org/index.php?topic=28402.0
ページの
ダウンロードしたらZipファイルを解凍します。今回はD:\LTC\cgminerにcgminer.exeの保存してあるフォルダの中身を解凍します。
メモ帳を開き以下のコマンドを入力します。
D:\LTC\cgminer\cgminer.exe -o stratum+tcp://coinotron.com:3334 -u username.workername -p woker password --scrypt
※D:\LTC\mining_proxy.exeは保存した箇所により変えてください。
username.workernameとwoker passwordの部分はCoinotronに登録したものを使います。
CoinotronのMy Account内にあるMy Workersの箇所のNameがworkernameに入れる文字です。Nameがyamda.satouでPasswordが1234なら以下のコマンドになります。
D:\LTC\cgminer\cgminer.exe -o stratum+tcp://coinotron.com:3334 -u yamda.satou -p 1234 --scrypt
※お好みでhttps://litecoin.info/Mining_Hardware_Comparisonにあるコマンド(config)を追加すれば効率が上がるかもしれません。
集団採掘所から報酬をもらうには、Litecoinウォレットを持っていないといけません。
このウォレットとは仮想通貨ネットワーク内にある財布で、自由に作成することができます。
まずはLitecoin公式ページからLitecoinクライアントをDLします。
https://litecoin.org/ja
今回はWindows版を使うのでWindowsダウンロード用を選択します。
ダウンロードしたLitecoinクライアントを起動するとネットワークとの同期が始まります。同期をしないとLitecoinを送ることも受け取ることもできません。
この同期作業は長い(私の環境で10時間必要だった)ので、起動したらそのままにしておきます。
同期の途中でも必要な情報は表示されるので、Receiveをクリックします。
Address欄に表示されている英数字が振り込み用のデータ(口座)になります。no labelと書いてある箇所をクリックし、Copy AddressをクリックすればAddressをコピーしてくれます。
コピーしたアドレスはCoinotronのMy Account上部にあるLTCの箇所にペーストします。次に隣の欄のPayout thresholdに最低払い出し値を入力します。
Payout thresholdは各コインにより最低値が決まっており、2013年11月30日現在CoinotronのLTC払い出し最小値は1LTCとなっていますので、ここは1.00以上の数値を入れる必要があります。
現在、最低払い出し値が0.3に変更となりました。ただし、払い出しが5LTC未満だと0.03LTCを払い出し手数料として支払うことになります。
入力後Saveボタンを押して支払先のLitecoinウォレットの登録は完了です。
設定した数値のLTCが貯まった時点で支払われます。なお、支払い後、自身のLitecoinウォレットに反映されるには最短で5分、長いときは数時間から数日かかります。
これはシステム上不正処理や多重処理を行わないためのに必要な時間で、各種コインでも同じような現象が発生します。
これでLitecoinの採掘は以上です。後は手に入れたLitecoinをため込んでおくか、BTC-eのような交換所でBitcoinに変えるかは自由です。
今のところ採算が合ううえに、初期投資を1ヶ月でペイできるほど、まだ余力があるLitecoinの採掘は魅力的です。
今回は試験的採掘でしたが、次回は効率の良いAMDのGPUを使った採掘専用PCを作りたいと思っています。
それと、海外ではDonateといいアドレスを貼り付けて寄付受け付けている光景をみます。
個人間で小さな額の取引が気軽にできるだけあって、質問掲示板などではその回答に対する寄付を受け付けるため盛んにアドレスが張られているようです。
ということで私もLTCのアドレスを張ってみます。もし、よろしければ投げ銭をお願いします。
LVyPbqHPoPBKmgy8dSSU3uWhJugT7THsyw
参考:各仮想通貨の取引規模 http://www.cryptocoincharts.info/v2/coins/graphicalComparison
仮想通貨は政府が認めていない通貨ですから、今のところゲーム内のお金と同じ感覚です。しかしRMTと同じく仮想通貨や通貨を交換する交換所があり、LitecoinをBitcoinに変えることもできます。
もちろん通貨や証券の取引だと身分を証明する手続きが必要ですが、仮想通貨であれば必要ありません。取引所(BTC-e・CoinEX・Cryptsyなど)に登録してしまえば自由に仮想通貨を取引できます。
そして、専用ハードが出ていないということは、競争がBitcoinほど激しくないということです。個人がビデオカードで採掘しても採算があう仮想通貨になっています。
以上によりLitecoinを採掘すのが今現在、最も効率がよいと判断したのです。
それでは、採掘に関して順を追って説明します。
1.採算が合うか計算する
まずここで失敗しては採掘する意味がありません。採算が合うのか、現在のPCの構成で計算することができます。
※採掘はGPU処理が有利なため、ビデオカード必須
最初にハードの処理能力一覧から自分の持っているビデオカードを確認します。
参考:ハード処理能力一覧 https://litecoin.info/Mining_Hardware_Comparison
必要なのはハッシュレートでkH/sの部分に書いてある数値です。
次にMining Calculatorで計算をします。
Mining Calculator:https://www.litecoinpool.org/calc
Hash rateに先ほどの表から得た数値を入力します。複数数値があるGPUは環境による差によるものなので、できるだけ最低値を選択すべきでしょう。
私の場合はGTX570が2個付いて、1つが200kH/sの処理能力を持っているので400を入力しました。
次にPower usageに消費電力を入力します。ワットチェッカーなどの消費電力を表示するツールがあると正確に計算できます。
無い場合は電源容量計算機でピークの消費電力からCPUのピークとアイドル消費電力との差を引きます(CPUがピーク100Wでアイドル30Wなら70Wをピークから引く)。これはGPU処理がメインの採掘ではCPU処理はほとんど必要ないからです。
皮算用計算機:http://www.cost-simulator.com/eco/eco3.html
ちなみに、皮算用計算機に電源まで入力して、各ボルトの電源容量が80%を超えるようだと、電力供給が不安定になりシステムがクラッシュする原因となるので注意してください。
GPUをフルパワーで回すため、特に12Vは要注意です。
私の場合はワットチェッカーで出た実測値520Wを入力しました。
Network Difficultyについては数値を変更しません。ここは自動入力です。
※Network Difficultyは採掘難易度
最後に電力コストのEnergy costを入力します。
電気代は各電力会社が提示している資料から探してください。
北海道電力http://www.hepco.co.jp/
東北電力http://www.tohoku-epco.co.jp/
東京電力http://www.tepco.co.jp/index-j.html
北陸電力http://www.rikuden.co.jp/
中部電力http://www.chuden.co.jp/
関西電力http://www.kepco.co.jp/
中国電力http://www.energia.co.jp/
四国電力http://www.yonden.co.jp/
九州電力http://www.kyuden.co.jp/
沖縄電力http://www.okiden.co.jp/index.html
電気代は使用量に応じた段階的な課金となっているので、各電力会社のサイトに電気代の計算機能があるのであれば、実際に計算するといいでしょう。
私の場合は大体25円/kWh程度になりましたので、USDで0.25と入力しました。
入力したらComputeボタンを押して採算があうのか結果を出してもらいます。
これが私の環境で採掘した場合の採算です。
1日6.22USD分ほどLTCが採掘できることになります。おおざっぱに1ドル100円としても、1月で18,600円程度の利益が出る計算になりますが、採掘難易度は約3日ごとに上昇し続けているため、日が経過するごとに利益が減る計算になります。
下記のページのNetwork Difficultyに書いてあるレートを見ると分りますが、どんどん上昇しているが分ります。従ってこの上昇率を考慮しないといけません。
https://www.litecoinpool.org/charts
また、相場により仮想通貨の価値は激変しますので、良く市場に目を通しておかないと赤字に転換することもあります。
また、日本ではLTCを直接円に替えることができないため、LTCを海外の交換所でBTCに交換し、BTCをmt.goxに振込み、BTCを売って円にするという手順で初めて円に変わることができます。
そのため円にするには、LTCからBTCに交換するレートも計算に入れる必要があります。
面倒な場合は、これから先、日本にもLTCの取引所ができるまで待つか、LTCで取引できる時代まで待つしかないでしょう。もしかしたら、Bitcoinのように高騰することで含み益がでるかもしれません。
※追記:エクセルでLTCからBTCを経由して日本円に変えたときのコスト計算表を作ってみました。必要事項を記入するだけで簡単にコストが日本円で計算できます。
LTC採掘コスト計算表(日本円換算)右クリックして対象をファイルに保存(注意:採掘難易度は変化無しの想定で計算)
初期入力の数値は今現在、私の環境に合わせて計算されています。
2.集団採掘所に登録
さて、採算が合うPCが準備できたら採掘を開始しましょう。
まず、採掘についてですが、個人採掘と集団採掘に分かれており、今では個人で採掘する人は集団採掘をしています。
これは、採掘の原理を理解するとわかるのですが、マシンが処理をした時間に対してコインが割与えられるシステムではなく、マシンが処理してコインを見つけたとき初めてそのコインをもらえるというシステムだからです。
従って高速な処理ができるマシンほど短時間でコインを見つけることができます。
先ほどのMining Calculatorにはコインを発掘できる可能性が書いていますが、個人で採掘すると1年処理し続けて85.46%の可能性でブロック(コイン)を見つけることができると書いてあります。
個人採掘は、見つかればそのブロック分のコインは全て採掘者のものですが、あくまでも見つかる可能性なので、処理したとたん発掘できることもあれば、1年以上も見つからない可能性があります。
このようなバクチ的要素が大きいため、集団で処理能力を束ねて採掘し、集団採掘所がコインを発見したら処理能力に応じた割り当てをもらうことができるようにしたのが集団採掘所です。
集団採掘所では即座に処理能力に応じた報酬をもらえるため、ひたすらコインを発見するまで採掘に耐える必要はありません。
もちろん集団採掘所によっては集団採掘所に支払う報酬があり、Fee○%という表記がしてあります。この場合、採掘したコインの○%は集団採掘所が報酬としてもっていくことになります。
さながら、データセンターのような巨大規模で採掘するのが個人が巨大採掘機で鉱山を掘るイメージ、個人がPCで採掘するのが工事現場で使う掘削機を使い採掘するイメージ、集団採掘所は工事現場で使う掘削機をもったユーザーが集まり、鉱山を掘るというイメージでしょうか。
ということで、今回は即座にコインをもらうことができる集団採掘所に登録して採掘します。
集団採掘所にも色々ありますが、今回選んだのはCoinotronです。古くからある採掘所で集団採掘所自体の総合採掘能力が高いのが魅力です。
総合採掘能力が高いとブロックの発見率も上がるため、安定してコインが手に入ります。
Coinotron:https://coinotron.com/
Coinotronに移動したら、メニューからRegistrationを選択して必要な項目に入力をしてCreateボタンを押せば登録が完了します。
入力は上からユーザーネーム、パスワード、パスワード(誤入力確認用)、eメールのみです。
登録したらMy Accountからワーカーの登録をします。
Add Workerの下にある登録欄にWorkerの名前とパスワードを入力します。CoinはLTCになっていることを確認してください。
※なおWorkersは自由に増やせるので複数台のPCを使い採掘することもできますが、ブレーカーの容量とコンセント及びコードの容量には注意しないと火事のもとになるので、その点は特には特に注意してください。
Payment modeは採掘報酬をどのような形により出すかです。
Pay per shareは時間は関係なく、採掘したときの処理能力に応じて報酬がでるようになっています。パートやバイトような時給システムと考えて良いでしょう。
PPNLSは一定の時間内にどの程度のブロックを採掘したかで報酬が出るようになっています。さながら日給月給制度ににているといえます。
Round Pay per shareについてはよく分らないのですが、採掘できたブロックが集散採掘所のものとなるまで支払われれず、最悪ブロックが孤立したら(採掘所が手に入れることができない場合)支払われないというもののようです。現物配給制とでも言えばいいのでしょうか?
今回は集団採掘所に支払う報酬が3.5%と大きいが、個人にとっては手っ取り早くコインが入るPay per shareを選択しました。
入力と選択が終わったらAddボタンを押してワーカーを登録してください。
正常に登録すれば、スクリーンショットのようにWorkersの項目にワーカーが表示されます。
これで集団採掘所の登録は終了です。
3.PCを採掘マシンに仕立て採掘する
ここでは採掘につかう採掘ソフトminerのセットアップを行います。
minerには様々な種類があり、それぞれ得手不得手があります。
例えばnVidiaのGPUはcgminerやGUIMiner-scryptだと効率が悪く、CUDA minerを使わないと100%の能力が出せません。消費電力はどちらも同じなので、効率の悪いminerで採掘すると電気代のコストが膨らみます。
※GTX570がCUDA minerで200kH/sだがGUIMiner-scryptだと50kH/sになる
絶対的な効率からいえばAMDのGPUに軍配が上がるので、もしPCを採掘用に組むのであればAMDのGPUを採用したビデオカードを選択し、複数枚マザーボードに差込んで使うのが正解です。
そしてminerと集団採掘所を繋ぐStratum Proxyというものが必要です。これは個人の採掘能力を集団採掘所に繋ぐ重要なもので、Stratum Proxyが起動している環境で採掘する必要があります。
それでは実際の手順を書いていきます。
Stratum Proxyの準備
Stratum Proxyをダウンロードします。ページのDownload official Windows binaries (EXE) をクリックしてダウンロードしてください。
DL先:http://mining.bitcoin.cz/mining-proxy-howto
Stratum ProxyもminerもDOSで動かすアプリのためできるだけルートに違いフォルダに入れておくことが望ましいです。
今回は仮にD:\LTCに保存したとします。
次にコマンド入力する手間を省くためBATファイルを作成します。
メモ帳を開き以下のコマンドを入力します。
D:\LTC\mining_proxy.exe -o coinotron.com -p 3335
※D:\LTC\mining_proxy.exeは保存した箇所により変えてください。
メモを保存したら、拡張子をtxtからbatに変えておきます。名前は適当な英数にしておきましょう。
今回はLTC mining_proxy.batにしておきました。
拡張子が変えられない場合はフォルダのメニューからツール>フォルダオプション>表示>登録されている拡張子は表示しないのチェックを外してください。これで.txtの部分が表示されるようになります。
Stratum Proxyの準備はこれで完了です。
minerの準備と採掘
minerですが、色々あるので代表的なところを説明します。
CUDAminer編
CUDAminerはnVidiaのGPUを使っている場合に使用します。DL先は以下のサイトです。
https://bitcointalk.org/index.php?topic=167229.0
cudaminer-2013-11-20.zip [Update: 32+64bit version] (11.4 MB)という箇所をクリックして、MEGAからダウンロードしてください。
中には32Bit OS向けのx86と64Bit向けのx64バージョンが入っていますので、使用しているOSに合ったものを選択してください。
今回は仮にx86 or x64フォルダの中身をD:\LTC\cudaminerに保存したとします。
次にメモ帳を開き以下のコマンドを入力します。
D:\LTC\cudaminer\cudaminer.exe -o stratum+tcp://coinotron.com:3334 -O workername:woker password
username.workername:woker passwordの部分はCoinotronに登録したものを使います。
CoinotronのMy Account内にあるMy Workersの箇所のNameがworkernameに入れる文字です。Nameがyamda.satouでPasswordが1234なら以下のコマンドになります。
D:\LTC\cudaminer\cudaminer.exe -o stratum+tcp://coinotron.com:3334 -O yamda.satou:1234
メモ帳を保存したら、Stratum Proxyの時と同じく拡張子をtxtからbatに変えておきます。今回は名前をCUDA.batとしておきました。
これで準備は完了です。
これで準備は完了です。
スタートボタンのプログラムとファイルの検索欄にcmdと入力してコマンドプロンプトを起動します。
起動したらStratum Proxyを起動するためLTC mining_proxy.batをドラックアンドドロップで放り込みます。
Enterキーを押してStratum Proxyを起動させます。スクリーンショットのように文字が出たら成功です。
この状態で新しくコマンドプロンプトを立ち上げ、CUDA.batをドラッグアンドドロップで放り込みEnterキーを押して起動します。
自動調整が始まり、調整が終わり次第採掘が開始されます。GPUの温度が上がりファンが高回転で回るため、エアフローに注意してください。
cgminer編
AMDのGPUを使うのであればGPUをサポートしているcgminer最後のバージョン、cgminer 3.7.2を利用するのがお勧めです。
まずはcgminerをDLするために以下のサイトにいきます。
https://bitcointalk.org/index.php?topic=28402.0
http://ck.kolivas.org/apps/cgminerの箇所からDL先にいき、3.7フォルダからwindows用のバイナリcgminer-3.7.2-windows.zipをDLします。
ページの
ダウンロードしたらZipファイルを解凍します。今回はD:\LTC\cgminerにcgminer.exeの保存してあるフォルダの中身を解凍します。
メモ帳を開き以下のコマンドを入力します。
D:\LTC\cgminer\cgminer.exe -o stratum+tcp://coinotron.com:3334 -u username.workername -p woker password --scrypt
※D:\LTC\mining_proxy.exeは保存した箇所により変えてください。
username.workernameとwoker passwordの部分はCoinotronに登録したものを使います。
CoinotronのMy Account内にあるMy Workersの箇所のNameがworkernameに入れる文字です。Nameがyamda.satouでPasswordが1234なら以下のコマンドになります。
D:\LTC\cgminer\cgminer.exe -o stratum+tcp://coinotron.com:3334 -u yamda.satou -p 1234 --scrypt
※お好みでhttps://litecoin.info/Mining_Hardware_Comparisonにあるコマンド(config)を追加すれば効率が上がるかもしれません。
メモ帳を保存したら、Stratum Proxyの時と同じく拡張子をtxtからbatに変えておきます。今回は名前をCgmining LTC.batとしておきました。
これで準備は完了です。
スタートボタンのプログラムとファイルの検索欄にcmdと入力してコマンドプロンプトを起動します。
起動したらStratum Proxyを起動するためLTC mining_proxy.batをドラックアンドドロップで放り込みます。
Enterキーを押してStratum Proxyを起動させます。スクリーンショットのように文字が出たら成功です。
この状態で新しくコマンドプロンプトを立ち上げ、Cgmining LTC.batをドラッグアンドドロップで放り込みEnterキーを押して起動します。
スクリーンショットのような画面になれば成功です。画面はcgminer3.1.0のものですが、バージョンが変わっても見た目はほぼ変わりません。
ちなみに、画面はGTX570を使って採掘しているものですが、CUDAminerだと200kH/s出るのに、cgminerは6kH/sしか出ません。いかにGPUに合ったminerが必要か分ると思います。
集団採掘所で採掘ステータスを確認
採掘が成功したら集団採掘所で実際に採掘の状態を確認しておきます。
これで準備は完了です。
スタートボタンのプログラムとファイルの検索欄にcmdと入力してコマンドプロンプトを起動します。
起動したらStratum Proxyを起動するためLTC mining_proxy.batをドラックアンドドロップで放り込みます。
Enterキーを押してStratum Proxyを起動させます。スクリーンショットのように文字が出たら成功です。
この状態で新しくコマンドプロンプトを立ち上げ、Cgmining LTC.batをドラッグアンドドロップで放り込みEnterキーを押して起動します。
スクリーンショットのような画面になれば成功です。画面はcgminer3.1.0のものですが、バージョンが変わっても見た目はほぼ変わりません。
ちなみに、画面はGTX570を使って採掘しているものですが、CUDAminerだと200kH/s出るのに、cgminerは6kH/sしか出ません。いかにGPUに合ったminerが必要か分ると思います。
集団採掘所で採掘ステータスを確認
採掘が成功したら集団採掘所で実際に採掘の状態を確認しておきます。
集団採掘所から報酬をもらうには、Litecoinウォレットを持っていないといけません。
このウォレットとは仮想通貨ネットワーク内にある財布で、自由に作成することができます。
まずはLitecoin公式ページからLitecoinクライアントをDLします。
https://litecoin.org/ja
今回はWindows版を使うのでWindowsダウンロード用を選択します。
ダウンロードしたLitecoinクライアントを起動するとネットワークとの同期が始まります。同期をしないとLitecoinを送ることも受け取ることもできません。
この同期作業は長い(私の環境で10時間必要だった)ので、起動したらそのままにしておきます。
同期の途中でも必要な情報は表示されるので、Receiveをクリックします。
Address欄に表示されている英数字が振り込み用のデータ(口座)になります。no labelと書いてある箇所をクリックし、Copy AddressをクリックすればAddressをコピーしてくれます。
コピーしたアドレスはCoinotronのMy Account上部にあるLTCの箇所にペーストします。次に隣の欄のPayout thresholdに最低払い出し値を入力します。
Payout thresholdは各コインにより最低値が決まっており、
現在、最低払い出し値が0.3に変更となりました。ただし、払い出しが5LTC未満だと0.03LTCを払い出し手数料として支払うことになります。
入力後Saveボタンを押して支払先のLitecoinウォレットの登録は完了です。
設定した数値のLTCが貯まった時点で支払われます。なお、支払い後、自身のLitecoinウォレットに反映されるには最短で5分、長いときは数時間から数日かかります。
これはシステム上不正処理や多重処理を行わないためのに必要な時間で、各種コインでも同じような現象が発生します。
これでLitecoinの採掘は以上です。後は手に入れたLitecoinをため込んでおくか、BTC-eのような交換所でBitcoinに変えるかは自由です。
今のところ採算が合ううえに、初期投資を1ヶ月でペイできるほど、まだ余力があるLitecoinの採掘は魅力的です。
今回は試験的採掘でしたが、次回は効率の良いAMDのGPUを使った採掘専用PCを作りたいと思っています。
それと、海外ではDonateといいアドレスを貼り付けて寄付受け付けている光景をみます。
個人間で小さな額の取引が気軽にできるだけあって、質問掲示板などではその回答に対する寄付を受け付けるため盛んにアドレスが張られているようです。
ということで私もLTCのアドレスを張ってみます。もし、よろしければ投げ銭をお願いします。
LVyPbqHPoPBKmgy8dSSU3uWhJugT7THsyw
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