前回、過去に中古を勧めておきながら新品を買ったのか?その理由を説明しつつCanon EOS Kiss X7iの魅力を少し語らせて頂きました。
今回はレビューということで、Canon EOS Kiss X7i レンズキットと、私が使っているEOS Kiss X2とを比較しながらEOS Kissの最新機種Canon EOS Kiss X7iの魅力に迫ります。
内容物一覧
Canon EOS Kiss X7i 本体
EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM
LC-E8充電器
LP-E8バッテリー
USB2.0ケーブル
ストラップ
ユーティリティディスク
マニュアル
保証書(本体・レンズ)
外観はマットブラックで統一され、表面はブラスト処理されているのでザラザラとして滑りにくくなっています。
相変わらず小ぶりの筐体ですが、実はEOS Kiss X2を横に並べるとボディ、レンズ共に若干大型化しているのが分ります。
しかし、構えた時に手の中に収まるのは相変わらずで、EOS Kissらしいなと思ってしまうところです。
IF関連は左側にまとめられ、miniUSB、miniHDMI、外部マイク、リモートとなっています。
USBの転送規格はUSB2.0のため、USBでPCと接続してデータを転送する場合、高速なSDHCやSDXCの足を引っ張ってしまいます。
高速なSDHCやSDXCカードを使用するのであれば、USB3.0に対応したカードリーダーの使用をおすすめします。もちろんPCがUSB3.0に対応している事が前提です。
バッテリーはEOS Kiss X4から採用されたLP-E8です。
EOS Kiss F、EOS Kiss X2、EOS Kiss X3で使用するLP-E5と比べると横幅が僅かに長くなり、その分容量も40mAh増えた1120mAhとなっています。
重量はEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMレンズとLP-E8バッテリー込みで769g。
軽いので持ち運びには便利ですが、逆に軽すぎて安定性に欠いているともいえるので、軽いレンズを活用するなら、手ぶれ防止にバッテリーグリップやスタビライザーの導入を考えた方が良いでしょう。
ボタン配列についてはEOS Kiss X6iと同じ配列ですが、EOS Kiss X2からの更新だと若干変更点があり、少し迷うことがあります。
素早さが求められる場合に使うボタン操作だけでなく、わかりやすいタッチパネル操作も可能となっています。
EOS kiss X7iよりレンズキットがEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMになり、STMレンズを手軽な価格で買えるようになりました。
動画の撮影も重視している私にとってはこれは重要で、ある意味EOS kiss X7iとEOS kiss X6iの差で一番おおきな変更点はこのレンズキットの設定だと思っています。
EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMは従来のEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS IIから大幅な進化を遂げ、手ぶれ補正はそのまま、ステッピングモーターを搭載してAFの静粛性を高めています。
これにより動画撮影時に、常に被写体にピントを合わせ続ける動画サーボAFを使用しても、AFのノイズはほぼ音声に記録されません。
また、オートフォーカスはインナーフォーカス方式に変更となり、PLフィルターを使用する際に毎回ピントを合わせた後にフィルターを回転させて調整する必要がなくなります。
タッチパネル搭載のバリアングルモニターは、3インチ104万ドットとEOS kiss X6iと変わりないのですが、23万ドットのEOS kiss X2を使っている私からすると、高精度でピントの位置がわかりやすくなっています。
EOS kiss X2のモニターがぼやっとしている感じだとEOS kiss X7iはキリッとした感じで、従来はEye-FiでPCにデータを飛ばして仕上がりを確認していましたが、EOS kiss X7iの場合はおおよそモニターで確認すれば仕上がりがわかるようになりました。
バリアングルモニターのためライブビューモードではローアングル・ハイアングル・自画撮りもできますし、タッチセンサー搭載のためピントを合わせる被写体の選択もタッチするだけで選択することができます。
三脚を使わず単焦点レンズを使う私の撮影スタイルでは、被写体を手でもって撮影する際にはカメラは目の前にせざるを得ず、被写体とカメラの間は最大で目のまえに構えたカメラから片手を伸ばした状態まででした。
しかしバリアングルモニターでは、弓矢を構えたようなスタイルで撮影が可能となり、より大きなものも手でもって撮影することができるようになりましたし、小さなものであれば無理なく撮影することができるようになりました。
最初はバリアングルモニターなんて必要かなと思ったのですが、使ってみるとこれが便利で、有る無しでは使い勝手相当変わってきます。
全体的なセンサーの精度も向上しており、EOS kiss X2と比べファインダーをのぞいて撮影する際もAFの速度は速く、最初にEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMでピントを合わせた瞬間、音もなく一瞬でピントがあったため、想定外の早さに故障かと思ったほどです。
数世代前の古い機種からの移行だと、きっとその無音と早さに驚くはずです。
また、これはカメラの個体差かもしれませんが、愛用のレンズはEOS kiss X2だと後ピンだったり、ピントの精度が甘いことがありましたが、EOS kiss X7iに変えてからピントがしっかりと決まるようになりました。
パシッとシャッターを切ると思った通りの写真が撮れるので、ファインダーをのぞいてシャッターを切るときの気持ちよさが向上し、撮影に対するモチベーションも向上しました。
このEOS Kiss X7iは写真撮影のみを目的として導入したわけではありません。
実は動画撮影も活用しようと思ったので、まだシャッター寿命があるEOS kiss X2が手元にありながらEOS kiss X7iに更新したのです。
EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMレンズとハイブリッドCMOSにより、動画撮影中のAF追従性とレンズ静音性が向上し、デジタルビデオカメラに近い撮影が可能となりました。
何もデジタル一眼レフで動画を撮影しなくともデジタルビデオカメラで十分なのでは?と思うかもしれませんが、その答えがこれです。
デジタル一眼レフでは写真だけでなく動画もボケ味が出せます。特に明るい望遠レンズを使えばボケ味は相当なものになり、EOS kiss X7iは動画作品作りも可能なレベルのポテンシャルを秘めているといえます。
この差は映像素子のサイズに関係するもので、デジタルビデオカメラやコンパクトデジタルカメラと比較すると、圧倒的に大きなサイズの映像素子を使用しているデジタル一眼レフだから可能なのです。
もし、これと同じレベルのものをデジタルビデオカメラで作成しようとすると、業務用の数十万円というレベルの機材を用意しないといけません。
動画共有サイトにある動画は、プロや業者などが撮影した動画を除き、デジタルビデオカメラやスマートフォンなど映像素子のサイズが小さいもので撮影したものが多く、背景までピントが合ったのっぺり系の絵をよく見ます。
これらの動画と差別化を図りたいのであれば、EOS kiss X7iは強い味方になってくれること間違い無しです。もちろん、動画作品を作るのであればカメラのコンセプト的にもマッチしているといえるでしょう。
動画撮影については注意点もあり、1回の動画撮影時間は最大で29分59秒となっています。時間が来ると自動的に動画の撮影が停止するので、続けて撮影したい場合は再度録画ボタンを押す必要があります。
記録メディアはSDカード、SDHCカード、SDXCカードに対応しています。SDXCカードはUHS-Iに対応しており、高速な転送速度はJPEG記録時の連射枚数を伸ばすことができます。
また、Eye-Fiカードもカメラ側でサポートしており、Eye-Fiカードの通信状態を表示するだけでなく、メニューよりEye-FiのWi-Fi通信をON/OFFに切り替えたり、通信しているAPの情報も確認することができます。
Wi-Fi機能によりバッテリーの消費電力や発熱が大きいEye-Fiカードですが、状況に応じてON/OFFを切り替えられるのはEye-Fiカード愛用者としてかなり便利といえます。
残念ながらHD動画の記録や転送にはEye-Fiカードは向いていませんが、写真のデータであれば使い勝手が良くなります。特に物撮りでは重宝するので、このようなサポートはうれしい限りです。
最後にお気に入りのSIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DGを装着して撮影した写真です。
※画像はブログの仕様により再圧縮されています
今後、SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG意外にもEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STMで撮影した作例や動画を別記事でまとめて公開したいと思います。
●まとめ
写真だけでなく動画にも強くなったEOS Kiss X7iはEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMと合わさり、一つの完成系になったといえる仕上がりとなっています。
全体的に感じるのは、デジタル一眼レフ入門者向けといえるEOS Kissシリーズの軸は全くぶれておらず、張り切って勧めることができる完成度になっています。
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