この前レビューしたASUS ZENBOOK UX31Eのあまりにも早い起動速度を体感したため自作PCの速度に満足がいかなくなってきました、BIOS POST込みで起動20秒切りという怖ろしい起動速度をもつASUS ZENBOOK UX31Eに対抗するすべはないのか?
その答えを見つけるべく高速なSSDを探してみました。
それでは高速なSSDの検討をする前に少しばかりおさらいです。
SSDの速度はメモリコントローラーで決まる!
SSDの速度はメモリコントローラーというSSD内部に存在するコントローラーチップがその性能を左右します、このメモリコントローラーはARMアーキテクチャーを採用しているものが多いのですがこのARMどこかで聞いたことありませんか?
そうです、スマートフォンに採用されているCPUも同じARMなのです、つまりメモリコントローラーはSSDの頭脳ということになり性能が高ければ高いほど高性能なSSDができあがるわけです。
しかしHDDと違い様々なメーカーからSSDが発売され同時にコントローラーを製造しているメーカーも様々です、今回はSSDの特性を知るうえで重要なメモリコントローラーを製造しているメーカーとその特徴を挙げてみました。
Marvell
NASや組み込み型コンピューターのCPU(ARM系)を製造しているメーカーで実績は間違いなし、高速で安定した性能を発揮する主にCrucial製のSSDに搭載されている。
SandForce
2006年に創業した新興メーカー、主力商品はSSDコントローラーのみだがIntelに採用されるなど実力は持ち合わせいる。
コントローラーはデータの圧縮により速度が激しく上下するため採用されているSSDはメーカー公表速度を鵜呑みにしてはいけない。
Intel
Intel製のSSDに搭載されているコントローラー、現在はSandForce製のコントローラーを採用したものも発売しているためIntel製SSDが全てIntelコントローラーというわけではない。
性能はさすがIntelで速度はMarvell製に及ばないもののパーティションアライメントを考えてなくてもいいため様々な環境で最高のパフォーマンスを発揮する。
JMicron
マザーボードに搭載するSATAやIDEコントローラー等も製造しているが評価はさんざん、プチフリという言葉を生み出した原因である伝説のメモリコントローラーJMF602を生み出したメーカーでもあるため今も避けられていることが多い。
現在は改善したメモリコントローラーで巻き返しを図ろうとしている。
INDILINX
OCZに買収されたためOCZの一部のSSDに採用されている。
JMicronと同じく低価格帯SSD向けのコントローラーを製造しているが性能は価格なり。
Samsung
メモリ製造最大手だけあってコントローラーの性能はMarvellと比べても遜色がないレベル。
最新モデルは通常のコントローラーよりも1コア多い3コアタイプを使用して高速化を図っているためランダム速度も速い。
TOSHIBA
自社製SSDのみに採用、自社メモリに最適化しているらしいがTOSHIBAのSSD自体人気がないため実力は不明。
メモリコントローラーの更新がないため現在主流の他社コントローラーと比較すると遅い。

OSの起動の早さは4Kランダムアクセスが左右する
メーカー公表値は500MB/sと高速なものが出てきましたがこの速度は連続したデータを読み書きする際の速度です、実際はSSDから他のSSDへと大きなファイルをコピーや移動した際に発揮される速度になります。
しかしOSの起動速度はこの速度ではなく4Kランダムアクセスに左右されます、これは起動時に小さなファイルを読み書きしているためでこの4Kランダムアクセスが早ければ早いほど起動速度の向上につながります。
例えるのであれば引越しをイメージしてみてください、シーケンシャル速度は大きなダンボールを受け渡しすることで、4Kランダムアクセスは食器などの小さな荷物を受け渡しすることだといえば分かりやすいかもしれません。
もしOSの起動速度に重点を置くのであれば4Kランダムアクセスを重視してください。
ファームウェアの不具合に注意
SSDはファームウェアを起因とする不具合が発生することがあります、あの半導体産業最大手のIntelですら過去にいくつかの不具合を出しているほどです。
不具合は発売後に発覚するためある程度使用しているSSDの動向を見ておく必要があります。
最高のパフォーマンスを出すにはSATA 3.0に対応したマザーボード必須
高速化するSSDに対してSATAの速度が頭打ちする事態となっています、すでに最新のSSDではSATA2.0の300MB/sを超えるものばかりです、したがって最高のパフォーマンスを出すためにはSATA 3.0(SATA 6Gbps)に対応した環境を用意する必要があります。
またSSDのアクセスはATAモード(IDEモード)ではなくAHCIモードでアクセスするように設定しておかないとそのパフォーマンスを発揮できません、BIOSでドライブへのアクセスモードがATAモード(IDEモード)になっている場合はAHCIモードに切り替える必要があります(OSをインストールした後に切り替えるとOSの再インストールが必要です)。
パーティションアライメントに注意
SSDはHDDと違いパーティションアライメントに注意する必要があります、パーティションの開始位置が本来あるべきところからずれているとSSDは性能を十分に発揮できないことがあります。
しかし中にはパーティションアライメントについてまったく考えなくても最大限のパフォーマンスを発揮するものがあります、Intel製のメモリコントローラーがそれにあたります。
ちなみにパーティションアライメントがずれていないか確認する方法はベンチマークを取って同じSSDのベンチマークと比較することです、同じSSDなのに速度が遅い場合はパーティションアライメントがずれている可能性があります。
パーティションアライメントがずれてる?と思ったらこちらの記事を参考してみてください。
最新SSD徹底比較検討
それでは高速なSSDを比較検討していきましょう。
![[並行輸入品] Crucial m4 128GB 2.5inch SATA 6Gbit/s CT128M4SSD2](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41R4BO9jhpL.jpg)
[並行輸入品] Crucial m4 128GB 2.5inch SATA 6Gbit/s CT128M4SSD2
Crucial M4 シリーズ
お勧め度 ★★★★★
メーカ公表値:最大リード415MB/s 最大ライト260MB/s SATA 6Gbps対応
採用コントローラー:Marvell 88SS9174-BKK2
高速なSSDとして不動の地位を保ち続けているCrucial社のSSDです。
メモリコントローラーはMarvell製を採用し安定して高速な速度を出すことができています、その性能は過去のシリーズでも同じで先代のモデルであるRealSSD C300を2台ほど使用していますが高速でトラブルもありません。
残念なことにCrucial M4 シリーズでは他のメーカーと同じくファームウェアに不具合が見つかりRev.0309以下のバージョンでは通電時間が5,184時間を超えると正常動作しなくなりまともにパソコンが使えなくなるようです。
対策済みのファームウェアとアップデート方法がこちらで公開されていますので購入時にファームウェアがRev.0309以下の場合はファームウェアのアップデートをしましょう。
実績とコストパフォーマンスでいえばCrucial M4 シリーズに右に出るものはないでしょう。

Intel SSD 520 Series(Cherryville) 120GB 2.5inch Reseller BOX SSDSC2CW120A3K5
Intel 520 シリーズ
お勧め度 ★★★★☆
メーカ公表値:最大リード550MB/s 最大ライト520MB/s SATA 6Gbps対応
採用メモリコントローラー:SandForce SF-2281
自社コントローラーを捨てSandForce SF-2281を採用したSSDです、まさかあのSandForceを採用するとは驚きを隠せません。
Intel製といえばSSDでも実績があるのですがそれはIntel製メモリコントローラーを搭載したSSDでの実績です、SandForce製のメモリコントローラーを採用している520 シリーズについては注意しておくことがあります。
SandForce製のメモリコントローラーはデータを圧縮するため環境によって速度が激変します、この圧縮機能が最大限に効いた場合の速度は確かメーカー公表値と同じなのですが実際にOSをインストールするドライブとして使用する場合は読み書きするデータはそれほど圧縮が効かないデータばかりで性能が落ちます。
このため実際の使用環境に近いランダムでベンチマークをするとシーケンシャルと512KBのライトが激減(同じSandForce SF-2281を採用しているA-DATA S510シリーズでは速度が半減)することもあり物議を醸し出しています、これは520 シリーズに限ったことではなくSandForceメモリコントローラーを採用しているすべてのSSDで同じ現象が起こります。
こちらのベンチマーク結果では圧縮が効く場合(0Fill時)と圧縮が効かない場合(デフォルト=ランダム時)の比較が掲載されていますが結果はパソコンで使う場合に参考となる圧縮が効かない場合の速度が510シリーズよりも低いところもありSandForce製のメモリコントローラーの特性が出ています。
データをコピーする作業では510シリーズに劣りますが4Kランダムアクセスは圧縮の効きにくいランダム時でも510シリーズよりも速度が出ているので起動はわずかに早いようです。
OSの起動速度のみを重視する場合はIntel 520 シリーズが有力な選択肢となるでしょう。

Intel SSD Elmcrest 120GB SATA 2.5Iinch MLC w/Cable Retail K SSDSC2MH120A2K5
Intel 510 シリーズ
お勧め度 ★★★★☆
メーカ公表値:最大リード500MB/s 最大ライト315MB/s SATA 6Gbps対応
採用メモリコントローラー:Marvell 88SS9174-BKK2
Crucial製SSDでのMarvellメモリコントローラーの実績を買われたのか、Intel自社のコントローラーを捨てMarvellメモリコントローラーを採用しています。
4Kランダムアクセスは520シリーズに劣るもののランダム時の性能低下は無く安定した速度を保ちますので最新の520シリーズと比較した場合全体的な完成度は510シリーズのほうが上です。
Crucial M4シリーズと比較した場合読み込み速度が315MB/sと早いのですが実際はシーケンシャルライトはそこまで出ないようです。
Intel製のSSDじゃないとダメという場合でコストパフォーマンスを重視するなら510シリーズでしょう。
Plextor M3 Proシリーズ
お勧め度 ★★★★☆
メーカ公表値:最大リード535MB/s 最大ライト350MB/s SATA 6Gbps対応
採用メモリコントローラー:Marvell 88SS9174-BKK2
かつては高性能なCD-Rドライブを出していたのですがその後ヒット商品も無く元気の無いPlextorでしたがSSDにより活力を取り戻そうとしているようです。
もちろん信頼と実績のMarvellコントローラーを採用し期待を裏切らない性能となっています。
Crucial M4 シリーズと同じメモリコントローラーを採用しているのにもかかわらず最大ライトが上なのは採用しているフラッシュメモリの性能差でしょうか。
まだ発売されて間もないため実績は未知数ですがベンチマーク速度をみると実績のあるCrucial M4 シリーズをかなり引き離しているので今後爆発的に人気が出てくる可能性が高いSSDです。
コストパフォーマンスはCrucial M4 シリーズに劣るものの、価格さえ下がれば今後SSDの定番となる可能性を秘めています。
個人的に今一番使ってみたいSSDだったりします。

A-DATA SSD S510シリーズ 2.5インチ 120GB SATA6.0Gb/s AS510S3-120GM-C
A-DATA S510シリーズ
お勧め度 ★★☆☆☆
メーカ公表値:最大リード550MB/s 最大ライト510MB/s SATA 6Gbps対応
採用メモリコントローラー:SandForce SF-2281
Intel 520シリーズでも採用されているSandForce SF-2281を採用しているためか人気が高いようです。
ただし販売代理店はIntel 520 シリーズでもその特性を消し切れなかったSandForceの特性を鑑みてか「最高のパフォーマンスを発揮するためには、起動ドライブではなく、2台目以降のドライブとして使用すること」と弱気の表現を使用しています。
おそらくOSをインストールして使う場合は圧縮が効かないため最大リード550MB/s 最大ライト510MB/sという速度を出せずクレーム防止のためこのような表現をしているのでしょう、Windows 7ではファイルのコピーや移動時に転送速度が表示されるので誰にでも転送速度が分かるようになっているというのも遠因として挙げられます。
しかしA-DATA S510シリーズにはそれでも人気がある秘密があります、それは価格です、120Gモデルはなんと1万円で買えるというお得感のため人気があるようです。
HDDからの乗り換えなら十分に選択肢に入るSSDでしょう。
まとめ
起動速度一辺倒というのであればIntel 520シリーズでしょうがやはりSandForce製のコントローラーの特性上安易に勧められません。
個人的にPlextor M3 Proシリーズがかなり気になるのですが人に勧めるのなら実績と信頼があるCrucial M4 シリーズをお勧めしたいところです、次点としてはIntel 510シリーズでしょうか。




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