ASUS_ZEN


タブレットの登場により私はノートパソコンを全て手放しました、今の環境ではノートパソコンは無用の長物だと思っていたのですがそんな私ですら欲しいと思う魅力的なノートパソコンと出会ってしまいました。
今回レビューはパソコンパーツメーカー大手ASUS社のZENBOOKになります、このZENBOOKはIntelが提唱したUltrabookと呼ばれるカテゴリーに属するもので、軽くて薄く、高性能で長時間稼働しつつ価格は手ごろというまさに夢のようなノートパソコンになります。

しかし本当に夢のようなマシンなのか?Ultrabookというカテゴリーと共にZENBOOK UX31Eのレビューを進めていきたいと思います。

なお今回のレビュー対象であるZENBOOK UX31Eは新品を購入した方から僅かな時間お借りして使用してみただけなので比較的簡単なレビューとなります。

一番の売りはデザイン

アルミの質感

ZENBOOKの一番の売りはなんといってもデザインです、ボディは全てアルミで研ぎ澄まされたシャープな印象を与えます、機械という冷たくも美しいイメージを表現しているようで見ていて飽きが来ません。

重量のあるアルミの採用は筐体の剛性にも影響しており天板が歪むこともなく全体的にガッシリとしチープな印象を微塵も感じません。

ただしこのアルミの採用はデザイン面ではプラスに働きますが持ち運びにはマイナスに働きます。
本来Ultrabookは軽いものなのですがこのZENBOOK UX31Eは重量が約1.3Kgと歩いて持ち運ぶには重すぎです、さらにレビューサイトの実測では1.4kgもの重量があったと報告しているところもあります。

また、アルミは熱伝導率が高くデザイン面だけではなく冷却面でもプラスに働くものなのですが筐体自身が冷却の役目をして暖かくなるのを嫌ったのかボディを冷却に使用しません、そのため冷却に難がありインテル ターボ・ブースト・テクノロジーによるCPUのオーバークロックは設定されているほどの性能を出すことができないようです。

ただしCPUを酷使し冷却用のクーラーが全開で回っている状態でも筐体は排気口付近と右側が暖まる程度で、通常操作時に触る箇所の温度はそれほど変わりません、人肌より暖かいキーボードや筐体はいやという人にはメリットでしょう。

他には表面の加工により指紋が目立ちにくいというメリットもあります、開閉時など指で触った後でも特に目立つことなく綺麗な表面を維持しています。


拡張性を捨て究極に薄く

筐体左側

Ultrabookの特徴の一つが薄さですがこの薄さを実現するためには拡張性を捨てなければ実現できません。

LAN端子(RJ-45)は大きく邪魔になるので搭載されていません、有線LANケーブルを接続する際は付属のUSB接続のLANアダプタを使用して接続することになります。

また光学ドライブも搭載されていませんのでDVDやオーディオCDの再生、CD-ROM等からドライバーやソフトをインストールするには外付けの光学ドライブを用意する必要があります。

ただし差し込めるのはUSB3.0が1ポート、USB2.0が1ポートと2つのUSBポートしか持ち合わせていません、もしマウスやキーボードなどを使うのであればBluetoothにしておかないとあっという間にUSBポートが塞がり何も接続できなくなってしまいます。

筐体右側


外部ディスプレイ端子も薄さの妨げになるのでminiVGA(独自規格)とマイクロHDMIという小型の端子を採用しています。

miniVGAは専用のアダプタによりVGA端子に変換してつかえるので旧式のモニターやプロジェクターとも接続が可能です、マイクロHDMIは変換ケーブルを用意することでPC用モニターやデジタルテレビへ音声込みで接続することが可能ですので外部ディスプレイに関しては並のノートパソコンと変わりません。

裏側


バッテリーは内蔵タイプで交換はできません、大容量バッテリーや予備のバッテリーで長時間稼働させることはできませんが省エネCPUを搭載しているためカタログスペックでは8.1時間もの連続稼働を実現させています。

この裏側を見ているとメモリーの交換は?と思いますが実はメモリーは基盤固定のため増設や交換はできません。

搭載メモリは4GBと少し余裕は持たせてありますがOSのアップデート等によりメモリ使用量が増大していきストレスを感じるようなことになれば買い換え時ということでしょう。
その際はバッテリーも劣化しているでしょうからある意味買い換え時をハッキリと提示してくれる潔いUltrabookです。

これらの設計を見るにタブレットやスマートフォンのように買ってそのままで使用して古くなれば買い換えるといった使い方になります。
地デジが観たい、音楽CDが作りたい、外付けHDDを取り付けたりとアレもコレもしたいという人には間違いなく不向きなUltrabookになっています。

これは他のUltrabookにもいえますがデザイン重視で拡張性は後回しになっているものが殆どですのでデザインだけで選ぶと痛い目に合います、もし初めての1台として選びたい、もしくはZENBOOKだけでやりくりするという場合は外付けドライブとBluetoothマウスも購入することになるでしょうから予算は多めに用意する必要性があります。

すでにデスクトップやノートパソコンをメインとして使っており、ネットやメール、エクセルやワードなどを使うといった軽い作業用パソコンとして購入するのであれば文句なしにお勧めできるUltrabookになります。


詰めが甘い入力デバイス

キータッチは良好

ワイド画面のため筐体は横長ぎみとなっています、そのためキーピッチは大きく文字を入力する際に間違って他のキーを押すことはありません、キーを押した感触も安っぽい感じはせずしっかりと入力した感触が指から伝わり入力する際に違和感を感じることはありませんでした。

ストロークについては短いため意見が分かれるところでしょう、普段デスクトップのフルキーボードを使用している身ですが印象に残るような違和感は無くノートパソコンというカテゴリから見れば当たり障りのない感触です。

電源ボタンの位置は考え物

ただ、キーボードのレイアウトには問題点もあり、電源ボタンがキーボードの右上にあるため間違って押しやすいという問題もあります、レイアウト的にDeleteやBackSpaceキーがよくある箇所に電源ボタンがあるためノートパソコンを普段から使用している人は誤って押してしまう可能性が高いです。

その点はメーカーも考慮しているようで電源ボタンは長押ししないと動作しないようにしてあります、とはいえ文字入力時に毎度ひやっとされられるのは頂けません。

タッチパッド

問題はタッチパッドにもあります、タッチパッド下部のクリック部分もセンサーとなっているため両手で操作するとマウスカーソルがどこかへ飛んでいきます、そのため両手で使用する場合は同時にタッチパッドに触ることができず使いにくい仕様になっています。

片手で操作する分には問題はなく、滑りもよくしっかりと指先をトラッキングするので操作にいらだちを覚えることはありませんでした。


付属ソフトは僅かでスッキリ

家電ブランドメーカーのパソコンといえば数多くの使えないアプリがインストールされていることが多いのですが
ZENBOOK UX31Eにプリインストールされているアプリは僅かでリカバリーツールやシステムツール類以外はインターネットの情報を制限するi-フィルター、Office互換ソフトKINGSOFT Office 2010 Standard 30日間無料体験版、そしてトレンドマイクロ ウイルスバスター無料体験版だけとなっています。

体験版で今後使う予定もないため即座にアンインストールしましたが非常にスッキリしたデスクトップで使っていて気持ちがいいですしSSDの容量も無駄に消費していないため理にかなっているといえるでしょう。


高解像度なモニタ画面

モニターは高解像度で画面により多くの情報を映し出すことができます。
ノートパソコンと比べると僅かに小さい13.3インチワイドの画面に1,600 x 900ドットの解像度になっていますので多くの情報を映し出す代わりに文字は小さく長時間画面を見続けると目が疲れます、目が良くない人には正直お勧めできないレベルです。

液晶パネルは光沢パネルで画面のギラつきもないところはさすがデザインを重視しているUltrabookだけあります、チープな雰囲気はここでも感じません。


完成には後一歩及ばない

デザインを重視しチープな雰囲気を微塵も感じないのですが残念だと思う点はいくつかあり全体的な完成度としは後一歩及ばない感じです。

まず一番最初にやってしまったのが電源コネクタを間違ってヘッドホン端子に差したことです、電源コネクターが細く形状もヘッドホン端子とほとんど変わらないサイズのためすんなり入ってしまいました、ショートはしませんでしたがやってしまった時は冷や汗がじんわりと出てきました。

また、この電源コネクターを差込む箇所とUSBポートのスペースが近く手持ちのUSBフラッシュメモリが干渉して使えませんでした、USBケーブルやフラッシュメモリはものを選んでしまいます。

ZENBOOKはSSDを搭載しているためストレージへのアクセス時に稼働音がしません、困ったことにステータスランプが電源と無線LANのみのため搭載しているSSDにアクセスしているのか全く分かりません。
OSやソフトがフリーズした場合、読み書きに手間取っているためなのか単純にソフトがフリーズしているのか見分けがつかず困りものです。

リカバリーディスクイメージの作成に失敗

ZENBOOK UX31Eにはリカバリー用のディスクはついていません、光学ドライブも装備されていないためリカバリーディスクの作成は外付けのライティングドライブを取り付けるかISOイメージを作成して他のパソコンでディスクを焼く必要があります。

しかしイメージを作成するためのツールがエラーで止まりISOイメージを作成することができません、ソフトのアップデートも試してみましたが結果は変わりませんでした。
ある程度ソフトを入れた後とはいえこれではどうしようもないためOSのシステムイメージを作成してリカバリーディスクの変わりとして保存しておきました。


性能は抜群

corei7

性能についてはさすがUltrabookと名乗るだけあります、最新の第二世代 Core i 7 CPUを搭載しておりネットやメール、ビジネスソフト関係のソフトはストレス無く動きます。

しかし高性能になるにつれ消費電力は高くなりがちなのですがこのCore i 7は2677Mは超低電圧版で消費電力をかなり抑え込んでいます。
また必要に応じてオーバークロックで処理性能の上乗せも可能なインテル ターボ・ブースト・テクノロジーによりアイドル時は省電力を優先しパワーが必要なときはオーバークロックで真の性能を発揮するという状況に応じた動きをしてくれます。

SSDのベンチマーク

また動作の速さの秘密は搭載しているSSDにもあります、このSSDも最新規格であるSATA3.0に対応した高速タイプでシーケンシャルリードは440MB/秒と怖ろしく高速です。
この速度によりOSの起動は僅か20秒足らずと最初に起動したときの立ち上がりの早さには驚きました。

これはBIOSの立ち上がりも含めての時間です、BIOSも高速起動させるため手を入れてあり高速化に貢献しています。


まとめ

使い勝手という点では残念な点が多く完成度は後一歩ということろですがデザインは洗練され完成の域に達しています。

デザイン一辺倒という意味ではスポーツカーに似ているものがあり、実用性を犠牲にしてまでも美しいエクステリアと高い性能を実現させ、道具では無く持つ喜びを与えてくれるUltrabookに仕上がっています。