AMDがIntelのAtomに対抗して世に送り出したFusion APUプラットフォーム、すでにノートブックやタブレットでも採用されています。
今回はFusionAPUプラットフォームのE-350を搭載したMini-ITXマザーボードSAPPHIRE IPC-E350M1の実力を見ていくことにしましょう。
ハード編
SAPPHIRE IPC-E350M1はMini-ITX規格のマザーボードに機能を詰め込んでいます、しかしGPUとCPUとチップセットの一部を組みこんだAPUやSO-DIMMの採用で見た目はスッキリしています。
リアIOは左からUSB2.0ポート×2・Bluetoothユニット・USB2.0ポート×2・eSTAT・RJ-45・USB3.0×2・D-sub15pin・DVI・HDMI・オーディオIOとなっています。
D-sub15pin・DVI・HDMIが用意されているので単体でマルチモニター環境を構築できます、またHDMIと光デジタル音声端子が用意されているのでリビングPCとしての活用も可能です。
またBluetoothユニットが標準で搭載されているためBluetoothマウス・キーボードが使えます、リビングPC用途には最適としか言いようがありません、後は無線LANが標準搭載されていれば電源コードとディスプレイケーブルを挿すだけで使えるマシンとなっていたでしょう。
省電力CPUのため発熱は低めでCPUクーラーは小さめとなっています、小型のCPUファンは8000rpmとかなりの高回転型となっています、困ったことにこのマザーボードのCPUクーラー制御はPWM制御なのですが肝心のCPUクーラーのファンは3Pinタイプのため全く制御できず常に8000rpmで回転します。
あまりにもうるさいのでペリフェラル4Pinから5Vを引いてきて静音化させています、この状態でBIOSから確認すると室温+40°、OSを起動してアイドル状態で室温+20℃となっていますの、静音性を求めるならファンコントローラーと一緒に購入した方がいいでしょう。
メモリはノートPCで採用されているSO-DIMMタイプとなっています。
使用メモリはDDR3 1066 or 800で最大4GB(両スロット合わせて8GB可)をサポートします、シングルチャンネルで動作するため1本差しでも大丈夫です。
拡張性はMini-ITXにしては余裕がありPCI Express 2.0 x16スロットが用意されています、内部的には×4となっているのであまり高性能なカードは挿しても性能を発揮できません、運用用途からすればそのようなカードを挿すことはないでしょう。
ちなみにグラフィックカードのみサポートされているので他の拡張カードは使えないと思われます。
さらにMini-PCI-Eスロットが用意されているのでSSDカードや無線カードを挿して拡張することが可能です。
このMini-PCI-EスロットはPCI Express 2.0 x1として作動します。
SATA3.0ポートは5ポートとなっています、これだけあればサーバー用途での使用にも耐えられるでしょう。
ちょっと問題になるかもしれないのがCPUクーラーをボードにとめているネジでしょう、結構高さがあるのでケースによっては干渉する可能性があるかもしれません。
IPC-E350M1は珍しくデバッグ用LEDディスプレイが搭載されています、問題発生時にはここに表示される数字で問題が分かるようになっています。
ベンチマーク編
今回の構成はこのようになっています。
PCケース JX-FX100B(電源内蔵)
マザーボード IPC-E350M1
メモリ JM1066KSU-2G
HDD HDS721616PLA320
モニタ iiyama TXA3311M
OS Windows XP Profissional 32Bit
それではベンチマークです。
Sandra Lite 2011.SP3 (17.64)
CPU性能はPentium4 2GHzクラスより僅かに早い程度です。
スーパーπ
104万桁は48秒です、Intel Pentium D 915と同じ単コア性能でTDPは18Wと省電力です。
ゆめりあベンチ
E-350にはRadeon HD 6310が内包されていますがGeForce8400GS程度の性能を持ち合わせているようです。
※1024×768 最高
CrystalMark 2004R3
総合ベンチマークでは単体のスコアを参考にどうぞ。
PCMARK05
E-350はまだPCMARK05には登録されていないようでAthlon 64 Mobileと認識しているようです。
3DMARK05
起動するのはしますが紙芝居状態です、FPS等のハードスペックを要求する3Dゲームとは無縁のマザーボードなので起動しただけでも良しでしょう、とはいえIntelのオンボードに比べればかなりマシな結果といえるでしょう。
動画再生編
どんなにすごいといっても実用性がないものは意味がありません、そこでYoutubeのHD動画やニコニコ動画の高画質動画を快適に見ることができるのかテストしてみました。
HD動画の再生は動画次第といった所ですビットレートにもよりますがYoutubeHDの1080pも720pもドロップフレームが発生しているものの視聴に耐えられないことはありません。
ニコニコ動画については解像度とビットレートがある程度自由に設定できるため一概に視聴できるとは言い難いのですがニコニコ動画内では比較的高画質なTopGearシリーズ(動画はhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm14874604)を再生してみましたが特にコマ落ちは感じられませんでした、もしかしたら確認できないレベルでフレームがドロップしているかもしれません。
消費電力編
ワットチェッカーなるものを手に入れたので早速計測してみました、まずはSAPPHIRE IPC-E350M1のアイドル状態です。
次にCPUとメモリに最大負荷をかけた状態です、最大負荷でも41WならノートPCクラスです、HDDが3.5インチのため2.5インチタイプやSSDにすればもっと消費電力を抑えられると思います。
ここでライバルにご登場願いましょう、ちょっと型古なIntel Atom330搭載D945GCLF2です、アイドルは32Wと殆ど変りませんがこちらは2.5インチHDDでこの消費電力です。
ケース NOAH800(電源内蔵)
MB D945GCLF2
CPU Atom330(ハイパースレッディングOFF)
メモリ トランセンド TS128MLQ64V5J (DDR2 800 1GB)
HDD HGST IC25N040ATMR04-0(2.5インチ 4200rpm 40G)
OS Windows XP Profissional 32Bit
さらにストレステストでCPUとメモリに最大負荷をかけてみたがこちらはそれほど消費電力に変化はなく34Wですハイパースレッディング切っているからでしょうかね。
SAPPHIRE IPC-E350M1はHD動画が再生できるほどのスペック故に高負荷時では消費電力は若干高くなるということでしょう。
まとめ
省電力でMini-ITXにしては拡張性や汎用性が高いIPC-E350M1はホームサーバーやリビングPCにアリだと思います。
1080pの再生には僅かに難があったりCPUクーラーのファンがうるさかったりと問題もありますが拡張性の高さでカバーできます、ライバルのIntelのAtomCPU採用Mini-ITXマザーボードより若干価格は高めですがその分汎用性の高さがあり価格に似合った働きをしてくれると思います。




























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