Laineema Paradigm Purgelai_e



前の記事でiPadは勝ち馬だと説明しましたが、今回はAppleが勝ち馬ということをGeneralとElectroConnectの二つの視点を交え説明したと思います。
Appleを語るのはGeneralです、すなわち経営についてですね。
Appleは常に最先端でビルゲイツ氏がMacユーザーという噂があるくらいでMicrosoftのWindow95が爆発的ヒットするまえはMacがそれなりのシェアを誇っていた時代もあったと聞きます、最先端で良いものだったのは確かに記憶にあり、最初に個人用に手にしたのは中古のMacでしたがDOSと違いGUIを搭載しグラフィカルな画面を見せつけられて驚きました、ただ良い物が売れるかといえばそうでもなく最先端だが極限られた世界でしか生きていけない製品でした、DTP・DTM・研究機関・大学等限られた世界でしかユーザーを確保できずMac=Appleという売り方のため価格も高くビジネスに使おうなんて誰も思いませんでした、そこでX86アーキテクチャだったら動くWindows95をMicrosoftが大々的に宣伝しパソコンが変わる!ビジネスモデルが変わる!という売り込みをしたうえでローコストで導入できるという止めの一撃でシェアを独占しました、今でもWindowsシリーズは9割近いシェアを誇っています。

AppleはMacでは商売に勝てないと考えたのでしょう、限られた世界においても浸食が始まりますます危機感を募らせたのではないでしょうか、そこでMacでシェアを取り返すぞ!となると総力戦となりますのでまず勝てません、同じ土俵にすら立たせてもらえないでしょうし(取って代わるほどの利便性が必要)立った時点で勝敗は決まっています(価格競争で利益の低下)、そこでAppleが使ったのが小規模戦場への戦力集中投入です、雌雄が決まった土俵で勝負できないのは先ほど説明したとおりなのでこれから成長する見込みのある分野に圧倒的な戦力投入をしたのです。

ここからはElectroConnectの分野になります、すなわちハードやソフトについてです。
まずはiPodです、デジタルハブ(デバイスの中心はパソコン)という概念の提唱、Apple特有の持つ喜びを生み出すデザイン、直感的操作性、音楽を売るためのシステムを整備し万を期して販売したことにより他のデジタルポータブルオーディオとの差別化に成功、結果爆発的な人気となりました、その後iPhoneを発表、ニッチな市場ではあったが伸びる市場と考え小規模戦場への戦力集中投入です、システム手帳の延長線での認識でしかなかったPDAをパーソナルユースで使うことを前提とした提案により差別化に成功、PDAに対する考え方と認知度を上げる快挙を成し遂げます。
そして今回がiPadです、タブレットPCに属しますがこれもニッチな世界です過去沢山のメーカーが出していますがどれもか価格が高くデザインも誉められたものではありません、そしてここで取らるのも小規模戦場への戦力集中投入ですが、差別化は恐ろしい戦術を使ってきました、PCは何でも出来るのが売りですがiPadは何でも出来ないのが売りという戦術です、どういうことかというと沢山のことが出来るのはいいがどれも中途な物を作るぐらいなら出来ることを限定してそれを極限まで高めるという戦い方を指します(小規模戦場への戦力集中投入に似てますね)、USB・外部映像出力・キーボードを切り捨て自由ではないソフト開発環境やデータの扱い辛さ等、PCと比較して出来ないことが沢山あります、しかしPCでも前からあったデジタルブックはiPadが扱うとPCの比にならない扱いやすさ、紙の本以上の買いやすさ、新しい本の見せ方という体験が待っていることでしょう、全く今までになかった展開で広告媒体として認識されるのもそう遠くないと思っています、しかも出来ない部分は普段扱わないレベルの物でしかなく持ち運んで使う用途のものは一通りそろっています、メーラー・ブラウザ・PDFや画像ビューワ・表計算・文書作成・プレゼンテーションソフト揃っていますしエクセル・ワード・パワーポイントと互換性があるため今までWindows搭載のUMPCでしていた作業がiPadで出来るようになります、UMPCと比べデザインも良く軽くていいなと思いませんか?

ここでまたGeneralに戻りますが、このように勝ち続ける要素を実践したためiシリーズは爆発的な人気を今でも誇っています、そこにあるのは主導権をAppleが持つという考え方です、決めるのは買う側という概念をひっくり返した展開により高利益を確保することが可能となり(圧倒的なシェアと圧倒的な商品の差別化が無いと出来ない)、iPadでは販売店の限定により価格競争による値崩れを防ぐつもりでしょう、iシリーズではソフトウエアの開発においては厳しい制限とソフトの審査が必要とさせコンセプトの崩壊を防いだりアダルトコンテンツ排除によるブランドの保護をしていますし、Intel最後の壁といわれたMacはIntelMacの登場で浸食されたと思ってる方も多いとは思いますが、OSとハードの中間を取り持つシステムの開発に着手し将来的にMacはアーキテクチャを選ばないOSになることによりハードメーカーから主導権を奪うことになるでしょう。

このように勝ち続けることが出来るには訳があり勝ち続けるからこそ出来ることがあります、しかしながらこれがスティーブ・ジョブズ氏の能力だということがAppleの弱みです、彼はオタクの気持ちが分かるカリスマ経営者で彼によるところが非常に大きいと私は思っています、おそらく彼が抜けたときAppleは衰え勝ち馬ではなくなるでしょう。
ビル・ゲイツ氏は経営の分かるカリスマオタクです、彼はすでに引退しましたがMicrosoftはOSにおいては未だ勝ち馬です、しかしすでに自分が作り上げた物の力を過小評価したことによりgoogleという恐ろしいライバルを作り上げてしまいました、今後もgoogleの土俵ではMicrosoftは勝てないでしょうし、Googleが進めるブラウザさえあれば何でも出来るという構想が普及すればOSに左右されることもなくなり企業は安いLinuxへシフトしWindowsは使われなくなるでしょう。
勝ち馬もいつかは衰える時が来るのです。