PIXUS MG5430

ずいぶんと前から活躍していた我が家の複合機PIXUS MG5430がエラーにより使えなくなりました。

このPIXUS MG5430の導入時に、ネットワークの環境を見直して複数有ったプリンターをPIXUS MG5430でまとめていたので、いざ使えなくなると非常に困りものです。

新しく買い換えるかとも考えましたが、エラーを調べていくと個人でも対処できるレベルのエラーだったので、粗大ごみになる覚悟で修理方法を試してみることにしました。
■B200エラーの修理方法

今回、PIXUS MG5430で発生したエラーはB200エラーというメジャーなエラーです。

このエラーはプリンター部分のプリントヘッドに係わる部分に問題が発生すると表示されるようで、このエラーが出ると一切の操作を受け付けなくなります。

大抵の原因はプリントヘッドの目詰まりが原因のようで、目詰まりさえ解消してやれば正常に使えるようになることが多いようです。

修理方法についてはいくつかありますが、プリントヘッドを交換するか洗浄してしまう方法です。
プリントヘッドについては売価が7,000円もするため早々の除外となり、後はプリントヘッドの洗浄を試すしかないため、この方法確認してみたのですが・・・。

お湯でプリントヘッドを洗浄するという精密機械の修理にあるまじき修理方法が出てきました。

他にも無水エタノール(火気厳禁・手荒れ要対処)やマジックリン(EPSONの目詰まり対策では有名)に漬け込んで洗浄するという荒業が出て来る始末で、完全に使えなくなることを覚悟せよといわんばかりの修理方法となっています。

PIXUS MG5430は既に家庭で想定される印刷枚数をとうに超えて償却しきっているので、ダメ元で一番手軽なお湯で洗浄する方法を試して見ることにしました。

■お湯洗浄にチャレンジ

Canonのプリンターインクは顔料タイプの黒以外は染料タイプのため、非常に水に溶けやすくなっています。

顔料インクは水に溶けにくいので、顔料インクが主流のEPSONやHPではアルカリ性のマジックリンや無水エタノールで溶かすという方法が数多く出てきますが(顔料インクは粒子が粗くて目詰まりしやすい)、Canonでは顔料タイプの黒のみ顔料インクなので水である程度対処することが可能です。

顔料インクの詰まりが気になる場合はマジックリンや無水エタノールの出番でしょうが、アルカリ性の洗剤なので洗浄力が強いだけでなく、部品や人体に対する攻撃性も強く、素肌に付着すると手荒れを起こすので取扱には要注意です(アルカリ洗剤は気管にも刺激を与えるため要注意)。

洗浄方法するためにはプリントヘッドを取り外す必要がありますが、PIXUS MG5430はプリントヘッドを脱着できるタイプなので洗浄はしやすい機種になります。

手前に引き出してロックを外す

PIXUS MG5430のプリントヘッドを外すには、全てのインクカートリッジを抜き出し、プリントユニットの手前部分を手前に引き出してロックを外すことで、奥側にあるプリントヘッドがフリーになり取り出せます。

後は、このプリントヘッドをお湯で洗うわけですが、ある程度の温度がないと効果が限定的とのことだったので、電気ポッドのお湯(90度)をインクが入っていく穴にめがけて勢いよく注いで洗浄してみました。

何度か繰り返し洗浄

最初は真っ黒な液体となったのですが、何度か繰り返し洗浄すると黒とシアンとマゼンタのみが溶出するようになり、最後は黒も溶出しなくなりました。

その後、プリントヘッド側をキッチンペーパーに押しつけてインク出てこないか確認したのですが、何度やっても僅かにインクは残るようで、シアンとマゼンタがキッチンペーパーに滲んで残ります。

結局1.5リットル程度のお湯を注ぎ込み洗浄したのですが、それでもインクが滲み出てくるので、諦めて乾燥へと移りました。

プリントヘッドの水をしっかりと払い、2時間程度エアコンの風が当たるところに置いて乾燥させたのち、PIXUS MG5430に取付けてみたのですが、B200エラーが表示されて使えないという残念な結果に・・・。

今までどおりプリントができるように

しかし、その後1日放置していると何故かエラーが出なくなり、今までどおりプリントができるようになっていました。

同じ方法で修理した人も、同じように暫く放置すると治ったという話があったので、理由は不明ですが、洗浄後にB200エラーが出ても放置することで治る見込があるようです。

■お湯洗浄では完治せず

PGBKが盛大に目詰まり

プリンターが復旧したので、最初にプリンタヘッドの目詰まりを確認するためヘッドの目詰まり確認をしてみたのですが、顔料インクのPGBKが盛大に目詰まりを起こしていました。

どうやら、B200エラーの原因は対処不能なレベルで顔料インクが目詰まりを起こしたことによるものと考えらますが、洗浄時に黒インクの溶出は止まっていたので、水による洗浄では顔料インクの目詰まりを完全に除去するまで至らなかったようです。

※顔料インクはプリンターを使用する頻度が少ないと目詰まりしやすいが、2日に1回以上は使用していたので使っていても詰まるということになる。

前述のマジックリンや無水エタノールを使えば顔料インクも強力に溶かし出すことができるのでしょうが、面倒なので試しに強力クリーニングでヘッドクリーニングをしてみると、少しずつ目詰まりが解消されたので、強力クリーニングをひたすら繰り返して目詰まりを除去することにしました。

全インクカートリッジの半分のインクを消耗

結局、満タンだった大容量カラーインクを半分使うまで強力クリーニングを繰り返してようやく顔料インクの目詰まりが取れました。全インクカートリッジの半分のインクを消耗したため、これだけで結構なコストが掛かったことになります。

面倒くさがらずに、手元にあった無水エタノールで洗浄しておけば良かったと少し後悔したものの、PIXUS MG5430は無事に使えるようになりました。

■製品寿命だと思うべし

今回のB200エラーの対処法については全く使えなくなる対処方法で、最悪の場合、粗大ごみになる覚悟で修理に取組む必要があります。

例え、対処が可能で修理できたとしても、製品寿命が来ている可能性があるため、再びエラーが表示されて使えなくなることを覚悟しておかなければいけません。

供用している家族には、修理はできたものの騙し騙し使うようなもので、また壊れる可能性があると伝えておき、完全に使えなくなるまで使い倒すことにしました。

この時期は、年末の年賀状印刷に向けてプリンターや複合機の需要が高くなり価格が上がる傾向にあるため、修理ができたのはとても幸運でしたが、願わくは年賀状印刷の最中に故障するのだけは勘弁してもらいたいものです。