最近レビューをしているOculus Riftですが、USB3.0の相性問題が出ることが多く、私の環境でも、セットアップ中にセンサーの接続に問題有りの状態で一時的に進めなくなるといったトラブルが出てきました。
USBコントローラーを最新のドライバーに更新して再起動をすると、センサーのチェックはパスできたのですが、USB3.0コネクタに常時接続しているハードを接続するため、USB3.0のハブを介してセンサーを接続したたため、VRコンテンツを楽しんでいるときに突如センサーの認識が外れトラッキングをロストすることが多々あり、解決策としてUSB3.0の増設ボートを購入して取付けてみることにしました。
意外と多いOculus RiftのUSB3.0相性問題
Oculus RiftのUSB3.0相性問題については、チップセットにUSB3.0 or 3.1ホストコントローラーを内包していないUSB3.0黎明期のPCで発生しやすい傾向にあるようです。
チップセットがUSB3.0ホストコントローラー機能を持っておらず、NEC(ルネサス)、VIA、ASMediaといったUSB3.0ホストコントローラーのみとなっている場合、相性問題が発生しやすいPCに該当します。
私のPCはASMedia搭載のMBを使っているのでドライバーの更新で対応が可能だったものの、NEC(ルネサス)、VIAについてはドライバーの更新が終了しているものもあるようで、ドライバーの更新をしても相性問題が解決できない場合はOSの変更(Windows10)やUSB3.0増設ボードで対応できる可能性があります。
もちろん資金に余裕があれば、PCVR対応のPCを購入することや、PCを組み直すといったこともできますが、USB3.0増設ボードで対応できるなら数千円で終わりですので、コストパフォーマンスは高いと言えます。
■Inateck KTU3FR-4Pレビュー
今回Oculus RiftのUSB3.0相性問題を解決すべく購入したのがInateck KTU3FR-4Pです。
他にも記載されているUSB3.0増設ボードがありましたが、どれも日本では高額になっており、1万円以上もするものも珍しくないため、Inateck KTU3FR-4Pを選択しました。
なお、Inateck KTU3FR-4P意外にも、Fresco Logic FL1100EXホストコントローラー搭載のUSB3.0増設ボード、Texas InstrumentsやASMedia製のUSB3.0ホストコンローラーが搭載されているUSB3.0増設ボードは相性問題が出にくいとのことです。
早速、手元に来たInateck KTU3FR-4Pを開封してみました。
内容物一覧
・Inateck KTU3FR-4P本体
・電源ケーブル(SATA電源オス- SATA電源メス*2)
・電源ケーブル(ペリフェラル4pin電源メス- SATA電源メス*2)
・ドライバーディスク
・ブラッケット固定ネジ*2
・マニュアル類
本体は黒いブラケット部分と赤い基盤という派手なデザインで、内部が見えるPCでも映えるデザインです。
基盤にはリビジョンが製品名と併せて記載されていますが、私の個体では3Dとなっていました。他の個体では3C表記のものもあるため、もしかしたらマイナーアップデートでリビジョンが変更されているのかしれません。
Fresco Logic FL1100EXホストコントローラーはこのチップです。これが、この製品の肝となる部分です。
USB3.0コネクタはブラケット部分に4つ用意されています。
USBはバスパワーの供給電力が不足すると接続したハードウェアが不安定になることが多いため、電力供給を安定させるため電源供給のためにSATA電源コネクタが取付けられています。
このSATA電源コネクタに電力を供給するためには、電源から出ているSATA電源コネクタを接続します。
SATA電源コネクタが不足している場合は付属のコネクタでSATA電源の間に割り込んで電源を取るか、付属のペリフェラル4pin電源コネクタを使いSATA電源コネクタに変換して接続することで対応が可能です。
MBへの接続はPCI Express x1(Rev.2)接続になります。
一般的なMBにはPCI Express x1が用意されているので、増設ボードを接続していないのであれば1つは空きがあると思います。
しかし、私の環境ではPCI Express x1にワイヤレス電源ボタンの増設ボードを取付けており、PCI Express x1のスロットに空きがありません。
しかし、PCI Expressは長いスロットに短いソケットの増設ボードを差し込んで使う事ができるため、空いているPCI Express x16スロットに差し込むことにしました。
知識として知っているものの、このようなイレギュラーな取り付けは初めてのため、いつもより慎重に取付けに挑みましたが、あっさりと取付けは終わりました。
SATA電源については、電源ケーブルの取り回しを変更したくなかったため、手元にあったSATA電源延長ケーブルを使い接続してみることにしました。
空いているSATA電源に接続し、反対側をInateck KTU3FR-4Pに接続にします。
これで接続は完了です。PCの背面に4つのUSB3.0ソケットが追加されました。
※逆ATXのPCケースを使用しているためボードは上下反対になっています。
■ドライバーのインストール
ドライバーはWindows10の場合であれば自動的にインストールされるのですが、このドライバーを使った場合、センサーの認識がUSB2.0接続となり、OculusソフトウェアでセンサーのステータスがWarning表示になるという問題が発生したので公式ページからドライバーをインストールしています。
今回はWindows7環境でのインストールですが、基本的な操作はWindows10環境でも変わりません。
ドライバーのインストールは付属のディスクからインストールすることもできますが、最新のドライバーをインストールしておきたかったので、公式ページからダウンロードしてきました。
ドライバーのインストール自体は基本的に「はい」か「次へ」を選択していくだけです。
「インストール」が表示されたらクリックしてドライバーをインストールします。
問題無くインストールが完了したら。「完了」が表示されるので、クリックしてインストーラーを終了させます。
デバイスマネージャーを確認すると、新しくFresco Logic xHCI(USB3.0)Controller FL1100 Seriesとして認識されていました。
■解決!相性問題
取付け後、Inateck KTU3FR-4Pにセンサーのみ接続して確認することにしました。
※HMDはケーブル長の関係でPC前面のUSB2.0ソケットを使用
改めてOculus Riftの初期セットアップをしてみましたが、センサーの相性確認は1発でクリアしてしまいました。
また、ハブを介して使用していると、Oculusソフトウェアでは絶えずWarning表示になりエラーログが溜まっていたのですが、Inateck KTU3FR-4Pにセンサーを取付けた後はConnectedに表示になりエラーログは綺麗なままとなりました。
実際にVRコンテンツをプレイしてみたところ、1時間に1回はセンサーの認識が外れてトラッキングロストしていた症状が無くなり、VRコンテンツ中に興を削がれることが無くなりました。
現在、Inateck KTU3FR-4Pにセンサーを取付け、かれこれ40時間以上はVRコンテンツを楽しんでいますが、今のところ1回センサーの認識が外れただけで、USB3.0の相性問題は解決したと言って差し支えないと思います。
Oculusのサポートで推奨しているだけあって相性及び安定性は抜群で、3千円でおつりが来る価格ということもあり、Oculus Riftのために増設ボードを使うのであればInateck KTU3FR-4Pは間違いない選択だと感じるものでした。
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