Leap Motion

HTCのVIVEでVRゲームを体験していると感じるのが、体の一部でもVRの世界に反映できると没入感が劇的に向上するということでした。

VIVEには専用のコントローラーが最初から同梱されているため、手の位置については的確にトラッキングできますが、各指の状態までは再現できません。

そこで、手の指に至るまでモーションをトレースしてくれるLeap Motionを導入してみました。
Leap Motionのパッケージ

小型モーションセンサーというだけあってLeap Motionのパッケージは思ったよりも小さめです。

内容物

中を開けてみると・・・
 
・Leap Motion本体
・USB3.0ケーブル(ショート・ロング)
・セットアップカードと簡易マニュアル

が入っていました。

Leap Motion本体

Leap Motion本体には、セットアップページを先に見るように催促するメッセージが書かれた保護シールが貼られています。
 
セットアップカードにも同じようにアドレスが書かれており、接続する前にまずはセットアップページに目を通してくれということが伝わります。

オシャレなデザイン

Leap Motion本体はMacのデザインのようにオシャレなデザインで、PCVRのゴツゴツしたイメージとはかけ離れています。

上部は黒色のカバーがしてあり、ここにはセンサーとカメラが埋め込まれています。

サイズはお菓子のFRISKとほぼ同等

サイズはお菓子のFRISKとほぼ同等のサイズをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

このサイズのおかげで、FRISKのケースをVRゴーグルに付ける際のマウントとして使うカスタムも生み出されています。もちろん、専用のマウントも海外では販売されているようです。

横前面の右側に電源ステータスランプ

本体には横前面の右側に電源ステータスランプ。

0マイクロBコネクタ

横左側にUSB3.0マイクロBコネクタ。

背面

背面にはLeap Motionとデカデカとロゴが掘られた滑り止めのゴムシートが貼ってあります。

本体のみの重量

PCVRと組み合わせる場合にはゴーグルに取付けて使うため重さが気になるところですが、本体のみの重量は32gと軽量でした。

指定のアドレス

PCとの接続についてはLeap Motionを接続し、指定のアドレスにブラウザで飛びます。「Windows用ダウンロード」をクリックしてLeap Motionアプリ(ORION)をダウンロードします。

セットアップ

Leap Motionアプリをインストールしたら初期セットアップは完了です。
 
ドライバー

途中ドライバーのインストールがありますが、「インストール」を選択してドライバーをインストールします。

セットアップ完了

このまま完了を選択するとLeap Motionアプリが立ち上がります。

モード選択

モードの選択画面ではデスクトップモードとVRモードのボタンが用意されていますが、VRのボタンを選択してもマウント方法の説明画面に切り替るだけなので(どちらを選択しても機能的な変化は無い)、「デスクトップ」を選択します。
※最新バージョンでは表示されない模様

Leap Motion App Homeが立ち上がり使用準備は完了です。プレイグラウンドというデモがありますのでとりあえずそれでトラッキング精度を確認してみると良いでしょう。
※Leap Motion App Homeが立ち上がらない場合は、デストップのLeap Motion App Homeショートカットかプログラムから起動





Leap Motionの使い方

Leap Motionをデスクの上で使用する際は、このようにLeap Motionの上で手を動かすとセンサーとカメラで手の状態を把握してトラッキングします。

Visualizer

ORIONにはカメラとセンサーの状態を確認できるビジュアライザーが用意されているので、まずはこのツールで手や指を動かしてみると、どのようにトレースされた手が3Dの手に反映されるのか分かりやすいでしょう。

専用ストア

また、ORIONには専用ストアも用意されており、無料のゲームやアプリが用意されています。ただし、Leap Motion自体がニッチなものなので、ゲームやアプリの総数はほとんどありません。

Google EarthをLeap Motionで操作

試しにGoogle EarthをLeap Motionで操作してみましたが、地球儀を手でくるくると回すような直感的な操作ではなく、とてつもなく理不尽な操作を強いられるため数分もせずに投げ出しました。

KYOTO

他にも簡易デモのようなアプリなどをプレイしてみましたが、Leap Motion単体で楽しむコンテンツ自体は魅力に欠けるものが多く、コミュニティ自体も閑散としている印象を受けます。

元々、Leap Motion単体ではなくVIVEと組み合わせることを前提としていたので、コンテンツについては気にならないのですが、センサーのトラッキング範囲についてはかなり気になりました。

Leap Motionが搭載するセンサーのトラッキング範囲は高さが約25cm程度で、机の上で使うには良いのですが、VRゴーグルと組み合わせて使うにはこれが問題となります。

Leap Motion をVRゴーグルに取付ける際はゴーグルの手間に取付けるのですが、センサーのトラッキング範囲が狭すぎるため、ゴーグルの手前に手を常にかざしておく必要があります。

没入感はそれほど大きく向上しない

これでは、VRの世界と現実の手の位置が一致しないため、没入感はそれほど大きく向上しないという結果になりました。

加えて、指のトラッキングも精度が甘く、指が重なると変に折れ曲がって反映されるなど、思ったようにトラッキングされないことが多々あり、Leap Motionから離れるほどトラッキングの精度が落ちて指の状態が滅茶苦茶になっていきます。

また、使用中Leap Motionを触ると結構な熱を持っているのも、電子製品だけに耐久性が気になるところでした。

結局の所、思った程のトラッキング性能は無く、VIVEにマウントする前に熱が冷めてしまいました。

なお、VIVEに取付ける際はVIVEのゴーグルにあるUSBソケットに、アクセサリストアで別売りしているUSBエクステンダーを取付けて使うとケーブルの取り回しが良くなります。

ただし、Leap MotionはUSB3.0の帯域を前提として設計しているため、PCに接続しているVIVEを含めUSB2.0の帯域が不足していると誤動作や認識しない等のトラブルが発生します。

その際は、USB2.0で接続している周辺機器をUSB3.0ソケットに付け替える。VIVEのカメラ機能を切ったりフレームレート落とすという方法で帯域を確保できます。

それでもダメな場合はあきらめて、USB延長ケーブルでPCからLeap Motionまでケーブルを配線して接続するしかありません。

マウンターについては前述のFRISKのケースをゴーグル前面に両面テープで貼り付けてはめ込む方法。

若しくは背面の両面テープが貼り付けられない滑り止めのゴムシートを剥がして両年テープで貼り付ける方法。

手軽なものとして、輪ゴムを八の字にして取付ける方法もあります。

MocuMocuDance

なお、当初の予定ではMocuMocuDance(現在公開終了)にて利用する予定でしたが、期待していたほどの操作性の向上や体験が得られるものでもなく、トラッキングの酷さも相まって殆ど使わずしまってしまいました。

幸い、値上がりする前に捨て値で売っていたものを入手したためダメージは浅かったものの、VR対応の紳士向けゲームの対応による需要で値が上がった現状では手を出すのはお勧めしないハードといわざるを得ません。

Leap Motionの設計が2012年と古く、現状の要求に答えられないのも仕方ないといえばそうなのですが、発想自体は素晴らしいものですし、この手のハードの必要性を感じているVRユーザーは様々なところで見られます。

Leap Motionについては次世代モデルの開発も噂もありますので、今後のモデルに期待したいところです。