モバイルドライMD-2

最近湿気で蒸した日が多くなりましたが、もうすぐ本格的に梅雨入りしそうな気配を感じます。梅雨時期といえばカメラの天敵「かび」が繁殖しやすい時期です。

今までは、ドライボックスに使い捨ての乾燥剤を入れて防かび対策にしていましたが、何度も繰り返し使える乾燥剤があるとのことで実際に購入してみました。

パッケージ

今回購入したのは東洋リビングの除湿ユニット モバイルドライ MD-2です。コンセントに繋ぐと再生して何度でも使えるという便利な除湿ユニットになっています。

モバイルドライMD-2
本体は約11.5cm×7.5cm×3.3cm。手のひらに載るコンパクトなサイズになっています。

インジケーター

本体中央部にはインジケーターが用意されており、乾燥剤の状態を色で教えてくれます。

写真はパッケージから出した状態ですが、この紫色の状態は除湿能力が半分程度まで落ちている状態を示しており、乾燥剤が完全に乾燥し準備万端の状態は青色。逆に湿気を吸いきっているときはピンク色になります。

中にもぎっしり

乾燥剤はシリカゲルで、インジケーターの部分は除湿能力を示すため少量しかありませんが、金属製のメッシュケースの中にもシリカゲルが入っています。

201g


本体の重量は約200gと乾燥剤にしては若干重たくなっています。ドライボックスに入れて使う場合は良いですが、機材を持ち運ぶ際、カメラバックやケースに入れておくには、やや重量が気になるところです。


コンセントにさせば再生


本体にはコンセントプラグが用意されており、本体をコンセントに差込むだけで乾燥剤の能力を再生させることができます。

再生の原理は単純で、シリカゲルの小さな穴に吸着した水分を加熱して放出させることでシリカゲルの除湿能力を再生させています。

シリカゲルは何度も再生できますが無限とはいきません。シリカゲルは湿気以外のものも吸着するため、熱で揮発しない物質だと残留して吸湿能力が低下します。再生してもあまり湿気を吸わなくなってきたら交換時期でしょう。

本体は熱くなる

再生時は本体を加熱するため熱くなります。非接触温度計で計測してみると70度近くの温度が出ていました。加熱中に触れないことはありませんが、再生時は発熱しても安全なところで行うべきでしょう。

消費電力


なお、再生時の消費電力は仕様上65~10Wとなっていますが、ワットチェッカーでは実測14Wを計測し、時間が経つと11Wまで低下していました。

4時間後

パッケージから取り出した後の再生時間は4時間と指定があったので、4時間キッチリと再生してみました。インジケーターのシリカゲルは毒々しいほどの青色になっています。

クローゼット用乾燥剤

次に実際の除湿能力をテストしますが、比較としてクローゼット用の除湿剤を用意しました。この手の除湿剤は使い捨てで吸湿するうちに除湿能力が低下していきますが、長持ちするので今まで使っていました。

空のクローゼット用

まずは空のケースに除湿剤を入れてテストします。最初はクローゼット用の除湿剤です。

4時間後の計測結果は約30%となりました。湿度は高くても低くてもカメラに悪影響を及ぼすため、30%~50%程度を目安にすると良いとのことですが、湿度はその範囲内に納まっています。


空のMD2

次に中の空気を入れ換えてモバイルドライ MD-2を入れてみました。

4時間後に計測すると、湿度は約15%まで低下していましたが、この湿度はカメラを逆に傷める可能性があるため危険です。

詰めたMD2
ネットで調べてみるとベストな湿度になっている人も多いため、何も入れていない状態が問題ではないかと、あれこれと機材等を入れて一晩放置してみました。結果、湿度は約36%になっており、カメラの保管に最適な環境になっています。

湿度管理は湿度が高すぎても低すぎてもいけないので湿度計で適時管理する必要があり、除湿剤を使う場合は手動で湿度調整が必要なうえ、交換や再生をする必要もあるため、手間が掛かって面倒なのがデメリットです。

何度も除湿剤を入れ替えたり再生したり、湿度を適時管理するのが面倒なら防湿庫を買うのをお勧めしますが、防湿庫を買う予算がない場合や、手間が掛かっても安価に済ませたいのであれば、ドライボックスとモバイルドライ MD-2の組合わせはカメラの保管環境が安価で整うのでお勧めです。 

移動用ケースの中

最終的にモバイルドライ MD-2はカメラ機材運搬用ケースに入れて使っていますが、サイズが小さくかさばらず、湿度は最適な状態をキープしてくれるので重宝しています。