逝った!

年の瀬で仕事もプライベートも忙しくなってくる頃に限って、タイミング悪く仕事で使っていたLinkStationが突然死してしまいました。

もちろん、このような時のことを考えバックアップを取っていたので、真っ青になることはなかったものの、復旧しないことには一部の仕事が進まないため、LinkStationからデータを復元にチャレンジしてみました。
LinkStationはエラー発生時にインジケーターの点灯でエラーの状態が分かるのですが、今回は、基盤故障のためHDDは生きている可能性が高いです。

最悪、LinkStationに取付けたバックアップ用の外付けHDDからデータの復元を考えていましたが、前回のバックアップから壊れるまでの期間に保存したデータはバックアップされていないため、最新のデータが詰まっているLinkStation内蔵のHDDから復元することにしました。

しかし、LinkStationのHDDはLinuxのフォーマットを採用しているため、Windows PCでは中身を読み込めません。そこでLinuxをPCで起動させて読み込むことにしました。

必要なもの

この作業で必要なのは、LinkStationから取り出したHDDと、PCに直接HDDが取り付けられないのであればHDDケース(スタンドタイプがお勧め)、データの待避用HDD、そしてLinuxのLiveディスクです。

なお、複数台のHDDが組み込まれているLinkStationは、RAID1の設定以外だと今回の方法では読み込めません。LinkStation本体で復旧作業を行い、できない場合は復元業者に頼むか(数十万は用意する必要あり)、あきらめるしかありません。

外付けHDDを取り付けバックアップしている場合は、今回の方法で外付けHDDからデータを取り出せますので、外付けHDDを取り付け、日頃からLinkStationのバックアップのタスクをスケジュールしておくことを強く推奨します。

ubuntuサイト

それでは作業に移ります。まずはLinuxのLiveディスクを作るためUbuntuの日本語版ディスクイメージをDLします。
 
DLページ

Ubuntuは無償で配布されているLinuxなので、Ubuntuの公式ページへ行き、Ubuntuの入手ページからISOファイルをDLします。

ディスクへ書き込み

DLしたISOファイルをDVD-Rに焼きます。Windows 7/8/8.1ならISOイメージを右クリックし、Windowsディスク書き込みツールでイメージをDVD-Rに焼き込めます。

HDDスタンドケース

次にデータ待避用のHDDとLinkStationの内蔵HDD、もしくはバックアップ用に使っていた外付けHDDをPCに接続します。今回は、PCとの接続にUSB2.0の外付けHDDスタンドケースを利用しました。

光学ディスクから起動

光学ドライブにUbuntuを焼き込んだDVD-Rを入れて、光学ディスクから起動します(Windowsが起動する場合は、BIOS設定で光学ディスクが最初に読み込まれるように設定する)。

ubuntuを試す

Ubuntuが起動するので「Ubuntu試す」を選択し、Ubuntuをインストールせずに使います。

デスクトップ画面になったら画面左のタスクバーにHDDのアイコンがあるので、LinkStationで使っていたHDDの容量の表示に近いサイズ表示のHDDアイコンをクリックします。
※ここで接続したはずのHDDが見つからない場合は、接続が間違っているか、HDDが死んでる可能性大です。

HDDアイコンをクリック

フォルダが開くので、LinkStatioで使っていたフォルダがあるか確認します。
※画面はLinkStationに接続していたバックアップ用外付けHDDの場合 

待避用HDDを開く

次にデータの待避用HDDの容量のHDDのアイコンをクリックし、データの待避用HDDのフォルダを開きます。

データをコピーして救出

LinkStatioに使っていたHDDから、復旧したいファイルやフォルダをデータの待避用HDDのフォルダにコピーして救出していきます。データの量や接続方法にもよりますが、多い場合は時間がかかるので、寝る前にコピーするのがお勧めです。

なお、UbuntuはFPTに対応しているので、稼働している他のNAS(要FTP設定)にデータを移すことも可能です。

コピーが完了せず止まる、エラーが出てコピーできないファイルやフォルダがある場合は、HDDが死にかけている可能性が大きいです。コピーできるものだけ引き上げていきましょう。

コピーが完了したら、画面右上の歯車アイコンからシャットダウンをして、ディスクを取り出します。

そのままデータの待避用HDDを取り付けたままPCを起動してWindowsを立ち上げ、コンピューターからデータの待避用HDDにアクセスすれば、LinkStationで使っていたファイルやフォルダにアクセスが可能です。これで、新しいNASにデータを移すなりして復旧することができます。

以上Linuxを使った、LinkStation内蔵のHDD復元作業でした。役に立てば幸いです。

ちなみに、今回はLinkStationの基盤故障のため、HDDのデータは全て復元することができましたが、HDDが故障した場合はこの方法では復元できません。

復元するためには業者に数十万という高額の費用を払って復元してもらうしかありませんので、日頃から外付けHDDをLinkStation取り付けてバックアップをしておくことを重ねて推奨しておきます。