モニターというとアスペクト比(縦と横の比率)が16:9の液晶パネルを採用したものが現在の主流ですが、最近では21:9という横長のウルトラワイドモニターなるものが出てきています。

この、ウルトラワイドモニターは横に長くなった分、作業領域が広がり、動画や写真の編集作業、表計算の入力効率が良くなったり、ゲームや映画の没入感が大きくなるなど、そのメリットに惹かれて購入するユーザーも増えたためか、ラインナップも拡充してきました。

そこで、今回、実際に購入を前提に色々と調べたうえで、ウルトラワイドモニターの現状についてまとめてみました。
16:9の液晶パネルは市場に出てずいぶんと長いため、デメリットの解消や機能の拡充が図られていますが、ウルトラワイドモニターはまだ市場に出て日が浅いため、一般的なモニターの感覚で購入すると失敗する可能性が大きいです。そこで、ウルトラワイドモニターの特徴などをまとめてみました。
 

●23・24インチワイドは29インチウルトラワイドを27インチワイドは34インチウルトラワイドを

液晶のインチ数は液晶パネル(映像が表示されるエリア)上部の角から、下部反対側の角までの長さ(対角線)で決まります。ウルトラワイドモニターは横に長い分、高さは同じでもインチ数が大きくなるため、インチ数に注意しないといけません。

23~24インチワイドを使用している人は29インチのウルトラワイドを、27インチワイドを使用している人は34インチのウルトラワイドに替えると、横幅が長くなるだけなので違和感が少ないと感じるはずです。

ただし、34インチウルトラワイドモデルは解像度が2560×1080のものと3440×1440があり、画面は大きくなったのにアイコンの表示が小さくなって見にくいなどということもありますので、ドットピッチ(画面の精細さ)も見ておく必要があります。

23、24インチワイドの主流である1920×1080の解像度の場合、ドットピッチは0.249mmと0.276 mm。29インチウルトラワイドの2560×1080だとドットピッチは0.262mmとなり、23~24インチワイド(1920×1080の解像度)とそれほど差がないため、替えても違和感は少なく、画面が本当に左右に広がるという感覚を感じると思います。

34インチウルトラワイドモニターの場合は、2560×1080の解像度で0.31mm。3440×1440の解像度で0.2325mmです。27インチワイドの1920×1080は0.311 mmで、3440×1440の場合0.232mmとなります。

27インチワイドで解像度が1920×1080の場合は、34インチウルトラワイドモニターの2560×1080解像度のモデルを、2560×1440の場合は34インチウルトラワイドモニターの3440×1440解像度のモデルを選べば、画面表示の差は小さく違和感を感じにくいはずです。

23~24インチワイドから34インチウルトラワイドモニターへの買換えの場合は、表示が大きくなるか小さくなるかのどちらかです。視認性を重視するなら2560×1080のモデルで、画面の情報量を多くしたいのであれば3440×1440のモデルが最適になります。

23インチワイド(16:9)1920×1080 0.249mm
24インチワイド(16:9)1920×1080 0.276mm
27インチワイド(16:9)1920×1080 0.311mm
27インチワイド(16:9)2560×1440 0.233mm
29インチウルトラワイド(16:9)2560×1080 0.262mm
34インチウルトラワイド(16:9)3440×1440 0.2325mm

インチ数が違えど、ドットピッチさえ確認すれば、画面の見やすさが分かりますので、23~24インチワイド、27インチワイド以外からの買換えでも参考になると思います。

実際は実物を確認すると良いのですが、珍しい商品で店頭に置いていないこともあります。その際は、インチは違っても良いので、近い数値のドットピッチのモニターを見て、アイコンや文字が見にくくないか確認すれば、画面がどれほど見やすいのか参考になると思います。
 

●シネマスコープの映像に最適

この変則的な21:9というアスペクト比は、実はシネマスコープサイズの映像を見るためのものだといわれています。シネマスコープサイズの映像を16:9のモニターで表示すると、上下に帯が入り小さく表示されますが、ウルトラワイドモニターなら黒い帯は入らず、画面一杯に表示できるため、没入感が大幅に改善されます。

シネマスコープの映像を見るのであれば、最適なモニターといえるでしょう。


●入力ラグ

最近発売された商品では、問題を改善したモデルが多くなっていますが、初期の頃のウルトラワイドモニターでは入力された信号が表示されるまでの遅延、入力ラグが大きな問題となっていました。

中には約2フレーム(34ms)の入力ラグがあるものもあり、FPSやシューティング、格闘ゲームなど激しい動きをするゲームで使うには性能不足が指摘されていました。

現役のモデルでは、改善したモデルが殆どとなりましたが、実は初期の頃のパネルや回路を使用した製品が一部現役の商品として発売されていますので、よく調べて買わないとこんなはずじゃ・・・ということになりかねません。

また、初期の頃のウルトラワイドモニターを中古などで購入する際は、確実に入力ラグが発生するので、その点を理解したうえで購入する必要があります。


●応答速度

応答速度が低い(長い)とパネルに残像が残り、3D酔いや目の疲れを誘発します。最近では、GtGで5msと一般的なモニターとほとんど差がありませんが、応答速度を改善するためのオーバードライブ機能では、過度にオーバードライブ機能をかけると画質が低下モデルもあります。

応答速度や数ミリ秒のラグすらも問題とする、FPSや格闘ゲーム、シューティングでは、上記の入力ラグと合わせて向いていないモニターだといえます。

逆に、MMOやレースなど入力ラグや応答速度をあまり気にしなくても良いジャンルで使えば、左右の表示が広がり没入感が大きくなったり、16:9のモニターでは見えない領域が見えるようになり、これらのゲームでは、十分にメリットを感じられると思います。
※ゲームがウルトラワイドの変則的な解像度に対応している必要があります。


●画面との焦点距離

21:9というアスペクト比のため、画面は極端に横に広く、画面中央と端では目の焦点距離が大幅にずれてしまいます。中心部を意識して見ている場合、端はややぼやけた映像となり、違和感を感じる人もいるようです。

特に、サイズの大きな34インチウルトラワイドモニターでは、この問題が顕著に出るため、最近では、湾曲した液晶パネルを採用し、この問題を解決しているウルトラワイドモニターもあります。
 

●作業効率のアップに

23~24インチのワイドモニターから29インチのウルトラワイドモニターに切り替えた場合、横幅で3割以上も表示スペースが増えることになります。

その分表示できる情報も増えるため、エクセルなどの表計算、画像や映像の編集作業、また、立てて表示できるモニターでは、Webサイトを見たりする際に多くの文字や情報を映し出します。

また、画面を分割して複数系統の映像を表示したりすることができるモデルでは、複数台のPCを同時に使うヘビーユーザーにも向いているといえます。


さて、現状のウルトラワイドモニターについて調べ、分ったことを色々とまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

続いて、ウルトラワイドモニターを買うなら、今、どれがお勧めなのかまとめてみました。こちらも購入を前提に、かなり厳しい目で調べてみましたので、参考にしていただければと思います。