Chromecast

本国ではすでに発売して1年近く経とうかというChromecastですが、この度日本でも正式に販売となりました。デジモノ系ニュースで取りあげられたものの、今ひとつ使い方というか立ち位置が掴めないので実際にChromecastを手に入れてみることにしました。

AppleTVのようなものでもなく、HDMI端子に差込むAndroidドングルのような物でもないChromecastとはいったい何なのか、そしてどのようなユーザーを狙っているのか、Chromecastの謎に今回は迫ります。
パッケージ

Chromecastの発売価格はなんと実売価格で5千円を切ります。AppleTVと比べると破格の価格設定ですが、これはChromecastの機能を紐解いていくと納得できるとおもいます。


 
Chromecastはスマートフォンを中心として考えられた製品であり、製品で単体で動作するものではありません。ちまたに多くあるHDMI端子に接続するAndroidドングル端末は似ているものの、それらは単体で使うコンセプトの商品です。また、良く比較されるAppleTVがありますが、これも単体で動くもなのでコンセプトは異なります。

Chromecastイメージ

答えはChromecastの「cast」という単語にあります。castとは投げるという意味がありますが、ChromecastではスマートフォンやタブレットPCから再生の命令を投げるという仕組みになっています。

命令を受けたChromecast本体は指定の動画や画像をインターネットから読み込み再生するという仕組みのため、操作には必ず端末が必要となります。

また、再生するコンテンツは端末からよりもインターネット上に存在しているもの(動画共有サイトや動画コンテンツ販売サイト)を使うことで最大のパフォーマンスを発揮するため、現在対応しているアプリは殆どが動画共有サイトか動画コンテンツ販売サイトとなっています。
※画面をそのまま転送するにはマシンパワーをある程度必要とするのと、動画ファイルよりも帯域が必要となるため
※PC限定だがChromeブラウザの画面を転送することが可能

このように今までにないコンセプトの元、作成されているChromecastはその立ち位置がよく分らなかったので、答えを出すために入手することにしてみました。

中を開けると・・・

パッケージは手のひらに程度のサイズで中を開けて見るとドングルが出てきます。

内容物

中にはChromecast本体、USBケーブル、USB電源アダプタ、HDMI延長ケーブルが入っています。

Chromecast本体

これがChromecast本体です。USBフラッシュメモリを2~3倍ぐらい大きくしたサイズとなっています。

電源供給口

こちら側には電源供給用のmicroUSBコネクタとリセットボタンがあります。リセットボタンについては一切説明がないのですが、電源がオンの時に25秒以上押し続けることでリセットができるようになっているようです。

HDMIコネクタ側

こちら側にはHDMI端子のみ。

30g

重量は30gとなっています。

電源

ChromecastはHDMI端子でデジタルテレビと接続するのですが、HDMI端子から電源を供給することはできないため、別途USB端子から電源を供給する必要があります。

最近のデジタルテレビには録画用にUSB外付けHDDが取付けられるものもあり、それらのデジタルテレビではそのUSB端子から電源を供給することで動作させることもできます。

ACアダプター

しかし、デジタルテレビの電源供給能力が不足している場合、または端子その物がない環境のためにChromecastでは100V用のアダプターが用意されています。

アダプタの仕様

アダプタの出力は5.1V 850mAとなっています。USB1から2.0までのバスパワーは通常500mAなので出力電流は高めの設定となっています。

HDMI延長ケーブル

もう一つの付属品であるHDMI延長ケーブルです。

HDMI延長ケーブル単品
 
延長といっても僅かしか延長できませんが、HDMI端子にChromecastを直接取付できない環境では、このHDMI延長ケーブルを取付けて差込みます。

接続してみたところ

よほど特殊な構造をしていない限りほとんどのデジタルテレビに取付けることができるはずです。

取付け後、電源を供給すると自動的にChromecastが立ち上がります。ON/OFFという概念はChromecastにはありません。

なお、初期設定をした後の立ち上がりは電源ONから20秒以内となっていますので、デジタルテレビのUSB端子に接続してデジタルテレビと電源を連動させる場合、少し待てば使えるようになります。

ここで画面を見ながらセットアップに入るのですが、Chromecastは単体では設定も操作もできません。初期設定はスマートフォンかタブレットPC用に用意されたChromecastアプリから行います。

Chromecastアプリ

ChromecastアプリはAndroid用iOS用とあります。今回はiPhone5sから初期設置を行ってみました。

Chromecast初期設定01

Chromecastアプリを立ち上げるとこの画面に切り替ります。今回は新しいChromecastの初期設定をするので「新しいChromecastのセットアップ」をタッチします。

Chromecast初期設定02
Wi-FiでChromecastに接続する必要があると説明が出てくるのでiOSのWi-Fi設定へと切替えます。

Chromecast初期設定03

Wi-FiをONにしてChromecastXXXXと表示されているアクセスポイントにタッチし接続をしたら、Chromecastアプリへ戻ります。

Chromecast初期設定04
正しく接続されたら「新しいChromecastが見つかりました。」とメッセージが出てきます。

Chromecast初期設定05

デジタルテレビ側でChromecastが接続されているHDMIの入力に切替えます。

画面と同じ英数字か

Chromecastアプリに表示されている英数字と同じものが表示されていたら「次へ」をタッチします。

Chromecast初期設定06

国の選択がありますので住んでいる国を選択。

Chromecast初期設定07

Chromecastが複数存在する場合を想定し個別に名前を付けることができます。今回はリビングで使う予定なのでChromecast リビングとしました。操作時はこの名前が端末上に表示されることになります。

Chromecast初期設定08
Chromecastが接続するWi-Fiネットワークを選びます。

Chromecast初期設定09

操作する端末も同じネットワークに入っていないと認識ができないので、普段スマートフォンやタブレットPCを接続している無線LANアクセスポイントを選択します。

Chromecast初期設定10

無線LANアクセスポイントのパスワードを入力します。

Chromecast初期設定11
初期設定における端末側の操作はこれで終了です。

アップデート
再起動

正常に無線LANアクセスポイントにChromecastが接続されるとアップデートが始まります。

立ち上がり

しばらくすると自動的に再起動し・・・

準備完了

この画面が表示されます。これで初期設定は全て終わりです。

YouTubeアプリ

今回はiPhone5sでYouTubeアプリを立ち上げ、そこからChromecastに再生させてみます。

Chromecastに再生させる

動画再生画面の上にある四角に電波のアイコンがChromecastのアイコンです。タッチしてChromecastを選択すると・・・

Chromecastで再生された

Chromecastが再生を始めます。

Chromecast再生中は・・・


Chromecastの再生中iPhone5s側ではこのように表示されます。一時停止やシークバーも操作できるので動画の操作がいつも通り行えます。

この際、端末側では動画を再生していないため、自由に他のアプリを使う事もできます。もちろんアプリを切替えてもChromecast側では再生したままなので、サファリを立ち上げたり、ゲームをするなどながら作業に使えます。

1080pかな

動画の画質については回線の状態を判断しているのか環境によって変わってきます。高画質で再生しない場合は、いったんChromecastとの接続を切り、YouTubeアプリで画質設定を720pにすればChromecast側でも高画質になります。

途中で再生が詰まる場合、エラーが出て再生が止る場合はWi-Fiの電波環境に問題があるかもしれません。無線LAN親機を近づけたり、無線LAN中継器が使える場合は中継器を、混線している場合はチャンネル設定を見直してみると良いかもしれません。

ChromeブラウザのChromecast拡張機能

Chromecastでは対応したスマートフォン・タブレットPCアプリ以外にも、PC版ChromeブラウザのChromecast拡張機能を使いPC版Chromeブラウザの画面をChromecastで表示することができます。

Chromeブラウザの画面が表示された

Chromecastアイコンをクリックして接続先のChromecastの選択すると、ChromecastでChromeブラウザの画面が表示されます。

Chromeブラウザとの接続する際は対応したスマートフォンやタブレットPCアプリとは違い、ブラウザ画面に映ったものがそのまま映る同期表示となります。ただし、タブに対しての接続のため、他のタブを開きPCで他のページを見ると言うことも可能です。

この際、負荷がかかると処理落ちしてChromecastに流れる映像が遅くなったりしますので、Chromeブラウザに負荷のかかるような作業は同時に行えません。

また、この機能はChromeブラウザの画面をそのままキャプチャーしてChromecastにストリーム配信しているため、1.5秒程度のラグ(遅延)が発生します。また、映像は720pで送信されるため、1080pのパネルを備えた32インチの画面ですらフォンとの輪郭がぼやけた画質となっています。

ちなみにストリーム時の使用帯域は500KB/s~700KB/s程度です。

ニコニコ動画

Chromeブラウザが表示できるものであれば何でも表示されるので、アプリが対応していないニコニコ動画を表示させてみました。 

音声も転送される

動画を再生してみると意外だったのが音声もChromecast側で出力されることです。動画によっては字幕のカクつきが目立ちましたが動画はヌルヌル動いていたので内部処理の違いなのかもしれません。

フルスクリーン表示

プレミアム会員だけができるフルスクリーン表示に切替えてみたところ、PC版Chromeブラウザはフルスクリーンにはならなかったのですが、Chromecast側ではフルスクリーン表示になりました。

このようにChromeブラウザ限定ではありますが、一応PCとの接続も可能となっています。しかしPCで見ているものをわざわざChromecast側に送りデジタルテレビで見るという行為自体にメリットは感じられないように思います。

720pでストリームをするため映像はぼやけ気味でフォントが滲んで表示されるのでビジネスなどのプレゼンには不向きですし、表示できるものが限られている時点でPCとの連携はおまけ程度と考えるべきでしょう。

もし、デジタルテレビにPCの画面を表示させたいのであればHDMIケーブルでPCと接続するほうが間違いないですし、ケーブル邪魔だというならワイヤレスHDMIという手もあります。

対応アプリ

残念ながら殆どPCの前にいる私のようなPCヘビーユーザーにはChromecastは無用の長物で、スマートフォンを多用しているユーザー向けの商品だということがはっきりと分りました。

現在Chromecastに対応しているAndroid及びiOS向けのアプリはまだ数があるとはいえず、有力なアプリと言えばYouTubeしか無い状態です。

普段からYouTubeをスマートフォンやタブレットPCで良く観ているユーザーで、デジタルテレビの大きな画面でYouTubeを観たいけどケーブルで接続するのは嫌という欲求があればChromecasは満足のいくアイテムになるでしょう。

他にもAndroid OSでは今後、画面そのままをストリームでChromecastに転送するAppleTVのAirPlayにあたる機能を付けるとのことですから、もしかしたらAndroidスマートフォンやタブレットでは魅力的なアイテムに化ける可能性は捨てきれません。