Wavy-II

2台目のPCやリビングPC、サーバーや録画用マシンとして人気の高いMini-ITXですが、そんな小さくてもできるMini-ITX用の小さなPCケースInWin WAVY IIを購入してみました。

Mini-ITX用PCケース


元々新しくマシンを作るわけでもなく、PCケースを購入する予定ではなかったのですが、雷サージの影響か電源が逝ってしましいました。壊れたのは電源だったのですが、多くのMini-ITX用PCケースは専用電源を搭載しており、電源が壊れるとPCケース丸ごとジャンク品にという流れが多いです。


FILCO ACアダプター for デスクトップPC360W改(ATX,SFX兼用タイプ) ACアダプター使用のファンレスPC電源360Wタイプ(静音タイプ) PLS360K


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スピンレスパソコンという究極の静音化をする際にも使われる、ACアダプター電源を用意するという選択肢もありましたが、これらの電源は総じて高価な物が多く、安価な物でも6000円程度はします。この金額を払うのであれば新しくケースが買えるので迷いましたが、今回は運良く店舗に手ごろな価格でInWin WAVY IIが置いてあったので購入してみました。

Wavy II パッケージ


まずパッケージですが店舗で渡されたときに随分とパソコンとかけ離れたデザインだと感じる物でした。おもちゃ屋に売ってありそうなデザインですが、描かれている物はおおよそコンセプトにマッチした内容になっています。

Wavy II 内容物一覧


内容物一覧

InWin WAVY II 本体
電源ケーブル
ケースファン電源2本出しペリフェラル電源ケーブル
電源変換コネクタ付SATAケーブル
取扱説明書
横置き用ゴム脚
ネジ類

ファン電源出しケーブル

元々中型サイズで拡張性が大きなMini-ITXケースだけに付属のケーブル類も考えられています。もともとMini-ITXマザーボードはサイズの制約からファンコネクタの数が少なく物が多いのですが、このようにペリフェラル電源コネクタから2個分のファン電源コネクタを取り出せるケーブルが付属しています。

InWin WAVY II はケースファンが3つ搭載されているのでこのようなケーブルが付いているのは助かります。

付属のSATAケーブル

もう一つの電源変換コネクタ付SATAケーブルは、電源ケーブルの変換コネクタとSATAケーブルが一緒になった物で、追加でSATA接続のハードを搭載する際に役立ちます。

Wavy-II-前面

前面はゲーム機を彷彿とさせるデザインです。昔Mini-ITXマシンが世に出たての頃に小さなPS2のようなパソコンが売られていたのを思い出しました。パソコンらしくないという点ではリビングに置いても違和感を感じないデザインといえるでしょう。

Wavy-II-前面パネル開放

フロントパネルのカバーを開けると薄型光学ドライブ用ベイ、5インチ、3.5インチ兼用のドライブベイが見えてきます。下にはUSB2.0コネクタ×2、マイク端子とマイクロフォン端子が備え付けてあります。

パネルの支柱は細くて強度に不安を感じる

残念なことに、これらのフロントパネルのカーバーを支えているアーム部分は強度が低めで、無理な力が加わるとすぐに折れてしまいそうなほどです。

Wavy II 左側面


左側面は大きなメッシュパンチになっておりケースファンでエアフローを確保できるようになっています。Intel core iシリーズの搭載も想定した設計になっているとのことで、発熱の大きいデスクトップCPUの搭載にも不安を感じることはありません。

Wavy-II-右側面

右側面には横置き時のゴム脚をつける窪みが用意されています。

Wavy-II-背面

背面には電源コネクタとロープロファイルのPCIブラケット部×2があります。Mini-ITXのマザーボードは小型のため拡張用のソケットは1つのみ用意されている物が多い傾向にあります。しかしロープロファイルのビデオカードにはロープロファイルPCIブラケットを2個使い映像出力用のコネクタを2つ搭載することができるものがあります。

これらのビデオカードを搭載すればInWin WAVY II でマルチモニター環境も夢ではありません。

ACアダプター電源化にも対応可能

背面にはさらにACアダプター電源の仕様も想定しアダプターの取り付けホールが用意してあります。電源が故障した際や、もっと出力の大きな電源を使いたい場合、ケースに穴を開けることなく簡単にACアダプター電源を使うことができます。

Wavy-II-上部

上面にもケースファンが備え付けてあります。このケースファンは排気用なので、サイドから吸気してトップで排熱するというエアフローなります。

Wavy-II-下面

下面には振動を防止するゴム脚が付いています。

HDD冷却ファン

さらにここにもメッシュがあり、HDDやSSDを冷却するケースファンが隙間から覗いています。

InWin WAVY II はデスクトップ用のCPUを搭載することを想定しているだけあって、メッシュやケースファンを多用し冷却性能に振ったMini-ITX用PCケースだということが分かります。

Wavy-II-左側面ケースパネル開放

右側面のパネルを取り外すと、ベイ一体型フレームとそのフレームに設置してあるケースファンが見えてきます。

やたらと目立つケースファン

やたらと黄色で目立つケースファンですが、よく見るとバリが残っていたり表面が粗かったりと品質を期待してはいけません。

FD1290-S3033E

サイズは92mm×25mm。FD1290-S3033E(12V 0.18A 1200rpm 20.94dBA)という型番のケースファンです。低騒音モデルらしいのですがブーンという風切り音が酷く騒音が外に漏れ出します。

リブ無し92mm×25mmケースファン

静音ファンに交換する場合はリブ無しの92mmファンを用意するといいでしょう。厚みはCPUクーラーとの兼ね合いもありますので、デスクトップ用のCPUを搭載する場合は薄めの20mm厚や15mm厚を選択すると干渉を防ぐことができると思います。

フロントベイ

ベイ一体型フレームを取り外してみました。ノートパソコンに使うスリム型の光学ドライブベイ、5インチベイ・3.5インチ兼用ベイが用意されています。

スリム型の光学ドライブと3.5インチベイは同時に使えますが、5インチベイを使う場合はスリム型の光学ドライブと3.5インチベイは使うことができません。また5インチベイ用の光学ドライブを使用する際はサイドのケースファンに干渉してしまい、ケースファンを取り外さないと使えません。

Wavy-II-左側面フレーム開放

さらにベイ一体型フレームを取り除いてみました。

上面のリブ無し80mm×15mmケースファン

上面にはリブ無しの80mm×15mmケースファンが取り付けてあります。

上面のケースファンを取り外す

ケースの上面につけてあるパネルを正面から見て左にずらすと、保護パネルが外れケースファンを固定しているネジが見えてきます。

FD128015LL


ケースファンの型番はFD128015LL(DC12V 0.14A 2100rpm 19dB)こちらのケースファンは軸の音がチッチッチとうるさいです。音も高めのため結構耳に付きます。

HDD冷却用のリブ付き40mm×10mmケーファン

下にはHDDやSSDを冷却するリブ付40mm×10mmファンが搭載されています。型番はFD1240-A3242A(12V 0.09A 回転数不明 騒音値不明)で全力で回転すると風切り音と軸音がうるさいです。必要がなければ取り外すことができますので、あまりに熱に気を使う必要がないSSDを使う場合は取り外してもいいでしょう。

HDDブラケット


下部には他にも3.5インチと2.5インチ両用のHDDマウンタが搭載されています。内側に3.5インチHDDを搭載して、上部に2.5インチのSSDを搭載するといったことも可能です。

電源はネジ1つで固定されている


さらにフロントパネルを取ると電源を固定しているネジが見えます。

特殊な電源で交換できない


InWin WAVY II付属の電源は特殊なタイプで交換はできそうにありません。故障した場合はケースを買い換えるかACアダプター電源に載せ替えになります。

電源仕様

電源の容量は160Wで仕様は以下の通りです。

+3.3V     9.0A
+5V       6.0A
+12V  10.0A
-12V  0.15A
+5Vsb     1.5A

電源容量的に12Vが10Aと弱いためデスクトップ用のCPUを搭載する場合は消費電力に気をつけないと電力不足になります。電源容量計算機によるとTDP65WクラスのCPUでHDDを搭載した場合だとピークロードでも何とか容量内に納まります。ただしグラフィックボード(もちろん消費電力が小さなタイプ)を使う場合はTDP35WクラスのCPUにしておかないと12Vがすぐに容量不足になるでしょう。

電源のファンはAD0412MS-G70

このInWin WAVY II付属電源ですが騒音は殆ど無く静かなものです。冷却用に40mm×10mm AD0412MS-G70(12V 0.08A 4800rpm 20dB)が搭載されているのですが使用状況に応じて動作するうえ、動作しても低速で回転するため電源の騒音は気になりません。

ケース付属の電源はコストの関係で騒音値が大きいファンが採用されていることが多いのですが、InWin WAVY IIの電源は非常に静かで、ケースファンさえ交換してしまえば静音パソコンにすることも十分に可能です。

スイッチ・LED系統

内部のコネクターはHDD LED、Powerスイッチ、PowerLED

内部コネクタ

USB2.0×2個分のコネクタ、HD AUDIOとAC’97オーディオコネクタ

電源ケーブル

24Pin電源コネクタ(20Pinに変更可能)、SATA電源コネクタ×2、ペリフェラル4pin電源コネクタ、ATX12V電源×1です。

付属の変換ケーブルを使えばペリフェラル4pin電源コネクタからSATA電源コネクタに変換できるので、3台のSATA接続ドライブを使うことができます。

ケース内部横のスペース

ケース内部の横幅はリアI/Oブラケットから電源まで175mmとなっています。Mini-ITXの規格が170mm×170mmとなっているので横幅はギリギリといったところです。

ケース内部縦のスペース

縦の幅は260mmとなっていますが、上部のケースファンが15mm出ています。

HDDブラケットが約35mm分

さらに下部のHDDマウンタが34mmほど占有しているので、260mm-15mm-34mmで実質211mmのスペースになります。

ケース内部の高さ

ケースの横幅は108mmですがケースのストッパーなどがありますので内部スペースは100mm程度しか使えません。

マザーボードの基盤からサイドのケースファンまで75mm

一番気になる箇所であると思われるマザーボードからサイドのケースファンまでの高さは75mmです。ケースファンは25mm厚のため、20mmや15mm厚のタイプに交換することでさらにスペースを確保できます。

また、ケースファンを取り外しトップフローのCPUクーラーでCPU冷却兼ケース内へのエアフロー確保という使い方もできるでしょう。

Intel-D945GCLF2を組み込んでみた


InWin WAVY IIにIntel D945GCLF2を搭載してみました。マザーボード下部からHDDマウンタまでスペースがあるのでビデオカードもロープロファイル対応のものなら余裕で入ります。

ヒートシンク類は電源よりも低い

Intel D945GCLF2は低発熱、低消費電力のATOMを搭載しているためヒートシンクは小さく電源の高さ以下に納まっています。core iシリーズのリテールクーラーも取り付け可能なので、InWin WAVY IIにATOMやFusion APU搭載のマザーボードを積むのであれば空間的にかなり余裕ができます。

今回はうるさいチップセットヒートシンク用の40mmファンを取り除き、サイドのケースファンのみで冷却することにしました。

付属ファンを全力で回してみた

まずはInWin WAVY II に初期搭載のケースファンを使ってみましたが、全力で回すと2000rpm前後の回転数で風切り音と軸の音がうるさく、寝室兼書斎に置くには我慢ができないレベルです。

ファンコントローラーで回転数を絞る

そこで前のMini-ITXマシンで使用していたファンコントローラーを使って回転数を絞ってみました。

音量下がったが軸の音や風切り音はまだする

最大まで絞って1000rpm弱ぐらいになり音は小さくなったものの、風切り音や軸からの音は消えることはありませんでした。

静音ファンに取り替え

5V化してさらに回転数を落とす方法もありますが風量の低下が心配なため静音ファンに交換してみました。

サイドの92mmケースファンはainexのOMEGA TYPHOON CFZ-90L究極静音タイプに交換、上部の80mmは誤った情報で25mm厚の物を購入してきたため、NOHA-800に搭載されていた15mm厚のケースファンと交換しました。

さらにファンコントローラーを使い回転数を1000rpm程度に絞り込み静音化をしてみましたが、外付けのHDDのシーク音よりも静かなパソコンができあがりました。正直ここまで静かになるとは思っておらず、おかげでHDDの音のほうが耳に付くようになってしまいました。

最終的な組み込み

InWin WAVY IIに全てハードを組み込んだ状態がこれです。フロントのUSBとオーディオが白く目立っていますが、このままだとメッシュケースのため外から見えてしまいます。見た目を気にするのであればケーブルの処理を考える必要があります。

ファンコントローラーは5インチベイに

ファンコントローラーは光学ドライブを使わないため空いたベイに設置しました。パネルを開ければいつでもケースファンの回転数を調整できます。

Wavy-II


まとめ

Mini-ITX用のPCケースの中では拡張性が高いケースでグラフィックボードを搭載してマルチモニタ環境にすることも可能なケースです。また、デスクトップ用のCPUの搭載も想定内のため、エアフローは必要十分といったところです。

専用電源は替えが効かないという不安がありますが、ACアダプター電源用のホールが設けてあったりと万が一電源が故障したときの対策も用意してあります。

静音性は低いものの、ケースファンの交換やファンコントローラーで対策さえしてしまえば静音PCにも化ける実用性の高いMini-ITX用PCケースだといえます。

なんといってもミドルタワーのパソコンをそのまま小さくした構造で、ミニチュアモデルのような可愛さがあり楽しく組み立てることができたのは意外でした。