Wavy-II

小さくて場所を取らないので私も愛用しているMini-ITXマシン。小さくて置き場に困らないため、ファイルサーバーや録画マシンなどさまざまな使い方があります。

もし、これからMini-ITXマシンを組み上げるのなら特に注意して選ぶべきパーツがあります、それはPCケースです。

Mini-ITX専用PCケースはケースもマザーボードに合わせて小型化しています。しかしこの小型化のせいで静音性や拡張性、冷却性能が犠牲となっています。

自由に組み合わせることができるミドルタワーのPCケースとは違い、電源やスペース、拡張性などの自由度が低く、もし使い方に合わない場合は買い換えるはめになってしまうことも・・・。

そんな選び方が難しいMini-ITX専用PCケースですが、今回は代表的ケースを紹介しつつその特徴やメリット、デメリットを説明していきたいと思います。




ANTEC デザインと冷却性に優れた小型Mini-ITXケース ISK-100


ANTEC デザインと冷却性に優れた小型Mini-ITXケース ISK-100



省スペースタイプ

静音性    ★★★★☆(AtomやFusionと組み合わせた場合)
冷却性能    ケース設計による
拡張性    ☆☆☆☆☆
電源容量     ★☆☆☆☆
省スペース性 ★★★★★


省スペースタイプは限りなく小型化を目指したMini-ITX専用PCケースです。そのため電源はACアダプターを使い、内部にはDCDCコンバータのみと極力内部スペースを潰さないように設計しています。

拡張性は犠牲になり光学ドライブやPCI、PCI Expressの拡張カードは使えないものがほとんどです。HDDは2.5インチタイプが主流のため大容量で高速な3.5インチタイプは使えないものが多く見うけられます。またACアダプターの電源は故障しても、電源のみを単品で購入することができないため純正以外のACアダプター電源を購入して取り付ける必要があります。これが意外と高く、PCケース代金なみの価格です。

また使用できるCPUについては電源の容量やCPUクーラーの高さにより非常に厳しいいものとなっています。省スペース型のMini-ITX専用PCケースにおける電源は100W以下の出力がほとんどで、デスクトップ用のCPUを使うMini-ITXマザーボードを使用するのであればTDP35W以下の物を選ばないと容量不足で動作が安定しないでしょう。

冷却性能については写真で紹介しているISK-100のようにメッシュを多用してエアフローを確保しているものであれば十分に確保できますが、発熱の大きなデスクトップCPUを使うのであれば静音性が犠牲になるのはいうまでもありません。

相性がいいのはIntelのAtomやAMDのFusionをオンボード搭載したMini-ITXマザーボードです、省エネで低発熱のためファンはゆるゆると回すだけでいいですし、電源の容量も100Wもあれば必要十分です。メールやWEBサイトを見たりビジネス系のアプリなどといったCPUに負荷のかからない作業であればしっかりとうごいてくれますよ。

デメリットが多く存在するのがこの省スペース型ですが、机の上に置いても邪魔にならないほど小さなPCを作るのであればこれが正解でしょう。


IN WIN Mini-ITX 160W電源内蔵PCケース IW-BMR651 (Wavy II)


IN WIN Mini-ITX 160W電源内蔵PCケース IW-BMR651 (Wavy II)




ミドルサイズタイプ

静音性    ★★★☆☆(AtomやFusionと組み合わせた場合・ケースによりファン交換必須)
冷却性能    ケース設計による
拡張性    ★★★☆☆
電源容量    ★★☆☆☆
省スペース性 ★★★☆☆


ミドルサイズのMini-ITX専用PCケースは拡張性が若干広がり、電源容量も増えてCPUの選択肢が多くなります。同時に筐体のサイズもそれなりに大きくなります。

省スペースタイプでは搭載することが難しかった光学ドライブの搭載ができるようになっており、通常はノートPC用に使うスリムタイプの光学ドライブを使用するケースが多いのですが、ケースによっては5インチクラスの光学ドライブを使えるものもあります、ただし、いくらケースが大きくなったといっても一回り大きくなった程度なので、使用する際には制限(CPUクーラーの高さ、ケースファンの取付制限など)がかってくる場合があります。

HDDは3.5インチのサイズも使えるようになっているケースが多く、3.5インチと2.5インチを同時に取り付けることができるものもあるので、今流行のSSD+HDDというハイブリットストレージ構造を実現することができます。

拡張性が広がり、ケースによってロープロファイルの拡張カードが使える物とフルサイズの拡張カードが使える物とで分かれます。ロープロファイルに対応したMini-ITX専用PCケースは拡張カードを直接スロットに挿すのに対して、フルサイズの拡張カードに対応したMini-ITX専用PCケースは、ライザーカードという拡張カードの取付を90℃回転させるカードを介して拡張カードをとりつけします。

このライザーカードには相性問題があり、マザーボードと拡張カードの組み合わせで正常に拡張カードが使用できないということがあります。また、いくらフルサイズの拡張カードが使えるといってもカードの高さや長さ、電源の消費量には制限があることを忘れてはいけません。

電源は省スペースタイプと同じく専用の電源ばかりですが、デスクトップ用の電源を小さくした構造をしており、100W以上の容量を持っています。中には300Wの容量をもつものがありますが、大きな出力を出すほど発熱も大きくなるため電源のファンが大きくなるというデメリットも伴っています。

電源の容量にもよりますがTDP65W以上のCPUを使うこともできますので、快適な動作をするパソコンが組めることになります。もちろんTDPが大きくなるほど発熱は大きくなるので冷却ファンが高速で回り静音性が低下してしまいますし、ケースファンが搭載されていない窒息ケースの場合はケースファンを追加する必要があります。

デスクップ向けのCPUを搭載する場合だと、メッシュを多用しケースファンを搭載しているため、静音性は低いが冷却性能は高いものか、逆に窒息気味で冷却性能は悪いが静音性は高いタイプを選ぶか二者択一となります。

IntelのAtomやAMDのFusionをオンボード搭載したMini-ITXマザーボードを使うのであればケースファンの交換やファンコントローラーで静音化できることもありますが、電源の騒音を小さくするにはハードルが高いため最初から電源が静かなものを選択する必要があります。

小ささを求めつつも拡張カードを使いたいという場合や、TDP65WクラスのデスクトップCPUを使い快適な作業をしたいという場合に最適なMini-ITX専用PCケースといえるでしょう。



BitFenix PRODIGY キューブケース ホワイト  BFC-PRO-300-WWXKW-RP


BitFenix PRODIGY キューブケース ホワイト BFC-PRO-300-WWXKW-RP



大型タイプ

静音性    ★★★☆☆(ケースによってはファン交換が必要)
冷却性能    ケース設計による
拡張性    ★★★★★
電源容量    ★★★★★
省スペース性 ★☆☆☆☆


拡張性が高くATX電源を搭載することができたり、フルサイズの拡張カードをライザーカードを介することなくスロットへ取り付けることができるなど、デスクトップのPCケースに近い形で使用することができます。

その反面サイズはキューブタイプやミニタワーより一回り小さいサイズでMini-ITXマシンの売りである省スペース性は失われています。

しかし、ATX電源を使うため電源を自由に選ぶことができ、ハイパワーなTDP100W越えのCPUも余裕で動かすことができますし、ビデオカードもミドルスペッククラスのカードならサイズ的にもケースに納まるでしょう。

ケースによっては拡張カード用のPCIブラケットが複数使えたり、3.5インチもしくは2.5インチのストレージを複数取り付けられるなど自由度はMini-ITX専用PCケースの中ではダントツです。

エアフローを重視しているケースでは120mmケースファンを採用しているものもあるので、静音ケースファンでゆるゆる回して冷やすということもでき、状況に応じて環境を変化させることができるのが売りです。

しかしここまで大きくなると、いっそミニタワーでもMini-ITXマザーボードは取り付けられるので、別に専用ケースである必要はないのでは?という疑問も生じてくるサイズです。

あくまでもMini-ITX専用という形にこだわりを持ちつつ、拡張性を最大限に活かしたいという場合に選択するMini-ITX専用PCケースでしょう。


色々と種類のあるMini-ITX専用PCケースですがそれぞれに特徴があるのが分かっていただけたでしょうか。これからMini-ITX専用PCケースでPCを組み上げようという人は、自分の使い方にあったケースを選択して、買い直す羽目にならないようにしましょう。