BDR-206JBK

初期のPioneer製Blu-rayドライブの記録品質は酷いものでしたがやはりDVDでは鉄板といわれただけあるPioneer、気がつけばBlu-rayドライブの鉄板ドライブといわれるようになりました。
そんな鉄板ドライブを出し続けるPioneerから発売されているBDR-206JBKを購入してきました。

私の記録では初期のBlu-rayドライブは8万円程度、あまりの高さに当時は手が出せませんでした、しばらくして4万円代となったBUFFALOB R-816FBS-BK(SW-5584)を購入しましたがドライブの値段は下がり今では1万円を切る程の低価格になり手頃に買うことができるようになりました。

しかし価格は下がったが記録品質まで同時に下がっていないか?今回は気になる記録品質を合わせレビューしていきます。

今回のレビューは


 ・外観レビュー
 ・兄弟機との差
 ・付属ソフトについて
 ・ドライブ情報
 ・記録品質レビュー

となっています。


外観

BDR-206JBK内容物


内容物一覧

BDR-206JBK本体
ユーティリティディスク
マニュアル

BDR-206JBKフロント


BDR-206JBKはスタンダードなモデルとしての位置づけで上位機種にはBDR-206JBKをさらに高性能化させたBDR-S06Jが存在しています。

そのためドライブの外観にコストをかけておらずベゼルは通常のドライブと同じく当たり障りない見た目をしています。

正面には開閉ボタンとアクセスランプ、強制排出用のホールがありますがアクセスランプのLEDはまるで取って付けたような状態でコストを重視していることが伺えます。

BDR-206JBKリア


BDR-206JBKには静音性を重視し冷却ファンは装着されていません、発熱による記録品質の低下についてはディスクの回転により発生する風を利用して吸気と排熱をする独自のシステムにより静音性と冷却性能を確保しています。

この冷却システムはかなり優秀で16倍速でDVD-Rを焼きすぐにトレイから出して触ってみたのですがDVD-Rの温度は暖かいというよりは冷たいといった方が適切でした。

さらに冷却システムはディスクの歪みから発生する回転振動をも抑制し騒音の防止と同時にディスクの振動を抑え込み記録品質の向上に役立っています。
特に外周部は振動による影響を受けやすく低品質なメディアほど外周部の記録品質は悪化していきますので記録品質にこだわるならドライブの記録品質性能は重要なポイントです。

これらの記録品質については記事の後ほどで詳しいデータを公開しています。

個人的にはR-816FBS-BKで気になったトレイの開閉音ですがBDR-206JBKはチープな音ではなく標準的なドライブと同じ音でした。

BDR-206JBKを装着


早速BDR-206JBKを取り付けてみました。

兄弟機との違い

BDR-206JBKのレビューに入る前に兄弟機との差についてもお話ししておきたいと思います、BDR-206シリーズはBDR-206JBKとは別にBDR-206MBK・BDR-206DBK・BDR-206BKという3つのモデルが存在します。

もちろんモデルによって仕様に差が存在しています、購入時には同じモデルだからといって安易に購入すると後悔する可能性がありますのでしっかりと差について理解しておいた方がいいかもしれません。

BD-R206シリーズの差


BD-R206JBK 

付属ソフトはPowerProducer V5・PowerDirector8・PowerDVD9・PowerBuckUP V2・Power2GO 7・InstantBurn V5・MediaShow 5・LabelPrint V2
日本製ドライブ採用・DVD-RAM対応・付属ソフト有り・流通形態はリテール

日本製ドライブで高品質、動画再生やライティングソフト等が全部入りなので初めてBlu-rayドライブを購入する人にお勧め。


BDR-206MBK

付属ソフトはPowerProducer 5・PowerDirector8・PowerDVD10・PowerBuckUP V2・Power2GO 7・InstantBurn V5・MediaShow 5・LabelPrint V2
日本製ドライブ採用・DVD-RAM対応・付属ソフト有り・流通形態はリテール

100Gを超える容量を持つ新しいBlu-ray規格「BDXL」に対応しているのが最高の特徴、BDXLは最新規格のため価格は高め、国産ドライブとソフトは全部入り。


BDR-206DBK(英語) 

日本製ドライブ採用・DVD-RAM非対応・付属ソフトなし・流通形態はバルク

DVD-RAMを使わない人向け、品質を重視しつつ価格もという人はこれ


BDR-206DBK /WS

日本製ドライブ採用・DVD-RAM非対応・付属ソフト有り・流通形態はバルク
付属ソフトはPowerDVD10・Power2GO7・PowerDirector8

DVD-RAMを使わない人向け、品質を重視しつつソフトも欲しいけど価格も安い方がという場合に。


BDR-206BK

中国製ドライブ採用・DVD-RAM対応・付属ソフト無し・流通形態はバルク

価格を最重視する人向け。


BDR-206BK/WS

中国製ドライブ採用・DVD-RAM対応・付属ソフト有り・流通形態はバルク
付属のソフトはPowerDVD9・Power2GO6・InstantBurn5・LabelPrint2

価格を重視しているが基本的なソフトも欲しい人向け。


ただし価格の差はBDR-206MBKを除き1000円程度とそれほど差があるわけでもありません、この差なら単純にドライブの性能だけ考えても日本製ドライブでDVD-RAM対応のBD-R206JBK一択といってもいいのではないでしょうか。 

付属ソフト

それではBDR-206JBKのレビューに戻って付属のソフトについて簡単にレビューをしていきたいと思います。

この付属ソフトですがバンドル版なので実際に販売されているものとは違い一部に制限がかかり全機能を使用するには有償アップグレードをする必要があります、またアップグレードを促すアナウンスが起動時に出たりと試用版のような感覚でいまいちな点はありますがアップグレードさえすればBlu-rayでできることがほぼ全て可能となっています。


PowerProducer


PowerProducer V5

VideoCD・DVD・Blu-ray・AVCHDに対応したオーサリングソフト、パソコン内の動画やビデオカメラの動画を
VideoCD・DVD・Blu-ray・AVCHD規格に変換してディスクに焼き込むことが可能です、書き込める規格は一部制限があります。
※地デジの録画データなど保護機能がかかっているものは不可


PowerDirector


PowerDirector8

動画編集ソフト、ディスクへの書き込みにも対応しVideoCD・DVD・Blu-ray・AVCHD規格のディスクを作成可能です、ただし本バージョンではDVDビデオのみの制限があり他の規格を使用する場合はアップグレードが必要になります。
民生用の動画編集ソフトとしては基本的な機能は一通り揃っています。


PowerDVD9


PowerDVD9

動画再生ソフト、DVDビデオだけでなくBlu-rayに記録したデジタル放送も再生が可能ですのでBlu-ray搭載のレコダーでダビングしたデータを再生する場合は重宝します。
もちろんBDR-206JBKとPowerDVD9はCPRM対応なのでDVDに記録したデジタル放送(DVD-VR)も再生ができます。
おそらくPowerDVD9が一番使う機会が多ためか機能制限は無く初期からある機能は使えるようになっています、ただし用意されている機能はアップグレード版と比べると基本的な機能しか備わっていません、また登録を促すメッセージが起動時に表示されたりと目障りなところがあります。

PowerBackup


PowerBuckUP V2

ファイルのバックアップソフト、ファイルを記録型ディスクへバックアップする機能をメインとしHDDドライブのイメージを作成してHDDのクラッシュに備えるといった高度なバックアップは行えません。
Windows 7では同じような機能がOS事態に装備されているだけでなくHDDのイメージも作成できますのでまず使用することはないでしょう。


Power2GO



Power2GO 7

ライティングソフト、データディスクや音楽CD等の作成やディスクのコピー等といった基本的な機能を備えています、起動ディスクの作成やISOファイルを仮想ドライブへマウントするといった高度な機能はアップグレードで可能となりますが普段ファイルをディスクに焼き込む作業にはこの状態でも十分に能力を発揮してくれます。

InstantBurn


InstantBurn V5

パケットライトソフト、ディスクをHDDのように扱えるようにするソフトでファイルをドライブにD&Dするだけでコピーしたり削除してファイルを消したすることが可能です、ただしBD-R等の再書き込みできないディスクではファイルを消しても見えなくしているだけなので使ううちに容量が一杯になり使えなくなります。
DB-REやDVD-RW等で真価を発揮するソフトですがUSBフラッシュメモリや外付けHDDが簡単に手に入る時代においては活用する場面はないでしょう。

このソフトは起動時に自動的に立ち上がりタスクバーに表示されています。

MediaShow


MediaShow 5

画像と動画の管理ソフト、ソフトの必要性についてはさておきフォトームービーDVD作成やFlickr、Youtubeへのアップロード機能などこの手のソフトとしては基本的な部分はしっかりと抑えています。

LabelPrint


LabelPrint V2

ラベルプリントソフト、ディスク表面意外にもケースジャケットの製作も製作が可能です、ラベルプリントソフトを持っていない場合やプリンターに付属しているソフトにありがちな印刷するプリンターに制限がかかっているソフトなら乗り換えて損はないかもしれません。


パイオニアピュアリード機能01
パイオニアピュアリード機能02
パイオニアピュアリード機能03


これらのソフトとは別にドライブの制御を設定するパイオニアピュアリードユーティリティというものがあります、このソフトはドライブを通常の標準モードからマスターモードとパーフェクトモードへと移行することが可能です。

この機能は音楽CDのリッピング時に発生するエラーデータの補完に対する動作を切り替える機能でパーフェクトモードでは完全にオリジナルのデータを読み込む設定になっています。

EACにより完全な音楽CDのデータリッピングをする際はこの機能をパーフェクトモードで使用することによりオリジナルのデータを忠実にイメージ化できるようになります。

この機能は電源を切ると初期状態の標準モードに戻ります。


付属ソフトのまとめ

Power2GO 7・PowerDVD9・MediaShow 5・LabelPrint V2はこのままでも十分に使えますが他のソフトは正直なところアップグレードをしない場合限りなく製品版に近い体験版といった感じで使っていて気持ちが良くありません。
まだBlu-rayでやりたいことができるソフトを一つも持っていない場合はこれらのソフトをアップグレードしてもいいかもしれませんが現在使用しているソフトがBlu-rayに対応しているのならわざわざインストールする必要はないレベルです。


ドライブ情報

BDR-206JBKドライブ情報


ファームウェアは1.56と公式ページで公開されているものよりさらに上のバージョンになっています。
これは2011年7月よりドライブへバスエンクリプションという新しいコンテンツ保護機能が義務づけられたための対応で現在製造しているBDR-206JBKはバスエンクリプションに対応したファームウェア1.56になっています。

おそらく現在流通しているものは殆どが1.56のバージョンになっていると思われます。


記録品質

さてそれでは一番気になるところでもある記録品質の検証です。

検証方法

Opti Drive ControlによりBDR-206JBKでテストディスクを作成
LITE-ON DH-4O1SでOpti Drive Controlを使用して記録品質を計測
BD-Rメディアはパナソニック LM-BRS25LH30の国産品を使用

SW-5884 LM-BRS25LH30


まずはSW-5584です、外周部はエラーレートが上がっているものの品質レベルは良好なレベルです、無機色素を使用して長期的な保存に向いているBD-Rですがやはり焼き上がりの記録品質は保存期間に影響するでしょうから記録品質が良いことに越したことはありません。

BDR-206JBK LM-BRS25LH30


つぎにBDR-206JBKです、エラーレートの傾向は似ているもののほんの僅かながらSW-5584に記録品質は及ばずといったところです。
しかしSW-5584とBDR-206JBKの価格差は4倍ということを考えれば上出来です、たったの1万円でこの良好な記録品質ですから上出来といったところではないでしょうか。


まとめ

さすがは売れ筋ドライブという所です、記録品質は鉄板に返り咲いただけあって文句なしの品質です。
付属のソフトについては残念な部分もありますが市販及びレンタルBlu-rayの動画再生やデジタル放送を録画したBlu-rayの再生、Blu-rayへのファイルの書き込みに使う分には問題は無しといったところでしょう。