ICONIATAB-W500の話をするためには少しAMDのFusionAPUのお話をしないといけません、このFusionAPUとは演算を担うCPUと映像処理を担うGPU、さらにそれぞれのハードへのデータの転送を担うノースブリッジがギュッと一つのチップに納められたものです、これにより省電力化に成功しています。
さらにIntelの苦手とするグラフィックもAMDは得意としておりFusionAPUにはRadeon HD 6250（C-50の場合）が搭載されています、ATIを吸収しただけあってオンボードグラフィックについてはIntelのAtomCPUよりも格上だといえるでしょう。

ワンチップに多数の機能を詰め込む構成はまさにARM系CPUのやりかたそのものですがこのまま行くとx86もARM系CPUのように全部入りとなってしまうのかと思ってしまいます。

さてそんな省電力CPUを搭載しているICONIATAB-W500ですがコレをどう見るかによって評価はガラリと変るものと思います、iPadやAndroidタブレットと同列として見るのか、それともUMPCやネットブックの延長線上にあるものと見るのかによってICONIATAB-W500は見え方が変ってきます。


まずはiPadやAndroidタブレットと同列として見た場合その品質には疑問を感じます、Windows7はタブレットも考えた作りになっていますがタブレット専用に開発されたわけではありません、そのため細部まで見た場合あらが見えてしまいます。

ICONIATAB-W500の動画を見てみると分かるのですがiPadのように傾きに合わせグルグルと画面が切り替わるわけではなく画面の切り替わりには若干時間が掛かります、画像の回転処理も何回もやってようやく画像が回転しているなど完成度に疑問を感じます。

またGUIの作りがタッチで入力するには小さくウィンドウを閉じる場合にもしっかりと狙ったところがタッチできずに何回か押してようやくウィンドウを閉じていますしあげくにはエラーを吐くなどiPadのような品質を期待するべきタブレットPCではないでしょう。


しかしFusionAPUのライバルCPUであるAtomCPUが数多く搭載されているUMPCやノートブックがそのままタブレットになったと思えば見え方がガラリと変ります。

なんといってもWindows OSが搭載されているということです、これは最大のアドバンテージです。
iPadもAndroidタブレットもOSは全く別物ですから操作方法は一から覚える必要があります、またアプリや周辺機器は互換性がありませんから同じ作業をするものでも買い直す必要があります、しかしICONIATAB-W500はWindows 7を搭載しているのでそのようことを心配する必要性はありません。


今まで使ってるアプリをそのまま使うことができるのは当たり前です、iPadでは特に困ることが多いUSB接続のハードを余すことなく使えます、外付けHDDやUSBフラッシュメモリならAndroidタブレットでもサポートされていますが外付けスーパーマルチドライブを取り付けCD-RやDVD-Rを焼いたりプリンターを取り付け印刷したりといったことはiPadやAndroidタブレットでは逆立ちしても真似ができない芸当です。

もう一つ逆立ちしても真似できないとことしてマルチウィンドウ環境があるということです、iOSやAndroidではマルチタスクでも画面に表示されるアプリは１つだけです、しかしWindowsタブレットならフォルダを複数開き表示し移動やコピーをしたり、エクセルとパワーポイントを同時に表示したりということができます。

さらにiOSやAndroidでは操作の度に眉間にしわが寄るWindowsのネットワーク上に存在する共有フォルダやNASのファイル操作は快適に操作できるためNASを活用している人には大きなメリットになると思います、写真や動画もわざわざアプリを用意して設定する必要がありません、いつものように操作するだけで写真や動画を見ることができます。

ただ全てWindowsのアドバンテージで帳消しというわけにはいきません、CDやDVDを利用するには別途ドライブを用意しないといけません、また重量は1kg近くあり持ちながら使用するには重すぎです、そしてUMPCやノートブックのようなパソコンと比較するとメモリはオンボードで増設ができずバッテリーも取り外しができないなどタブレットになったことにより人によっては不満が出るところもあります。

しかしながらUMPCやネットブックと違いタブレットタイプは持ち運びしやすく取り回しの良さがありますからキッチンでレシピを見たりリビングでテレビを見ながら気になったことを検索してみたり、寝転がりながら使うことができたりとUMPCやネットブックよりも自由度が高いです。
もちろんストレージは衝撃に強いSSDを採用していますので安心して持ち運ぶことができます。

気になるスペックの方はGPUのサポートもありHD動画の再生にも対応していますしフラッシュゲーム程度は快適に動かせる実力は持っているようです、ただ3D系のゲームは流石に耐えられるようなスペックではありませんからあまり過度に期待をするべきではないでしょう。

まだまだ粗が見えるもののUMPCやネットブックのようなメールやインターネットを見るといった用途として購入するなら選択肢として有りじゃないかと思えるハードです、多くの人も待ち望んでいたようでiPadだらけの価格.comのタブレットPC売れ筋ランキング上位に食い込んでいるほどICONIATAB-W500もといWindowsタブレットの需要性は高いようです。

前からNAS内に保存しているデータの整理や閲覧にWindowsタブレットを狙っていましたがICONIATAB-W500なら期待に答えてくれそうな気がします、というかWindowsタブレットの使い勝手を身を持って体験したい気持ちがかなり強いです、もうちょっと値段が下がると手が出しやすいのですが・・・うーん。