本格的タブレット


GoogleとAppleによるタブレット合戦が本格的になりました、iPad2とAndroid 3.0搭載タブレットがこの3月から日本でも販売開始となります。
作る側も売る側もかなりの自信を持っているのを感じますし、朝のニュースに出てくるなど販促活動も相当な力の入れようです。

そこで今旬のiPad2とOptimus PadとXOOMを比較してどれが一番お勧めなのか個人的に検討をしてみました。
本当にタブレットが必要なのか?

そういえばこの頃TVとか雑誌で取り上げられているから欲しいかも、けどパソコンどう違うの?とか本当に便利なものなの?と思っているなら一度冷静になって考えてみる必要があります。

まずはノートパソコンやデスクトップパソコンの置き換えとして使うという方法はお勧めしません、拡張性・OS・アプリの柔軟性はパソコンには敵いません、タブレット端末ひとつで全てをやろうとすると失敗します。

UMPCやネットブックの置き換えには最適でしょう、インターネットやメール、写真の表示や文章の入力といったことは十分にこなせます、薄く軽いので持ち運んで使用している人にはかなりの恩恵があります。
実際に私はEeePCからiPad乗り換えましたが起動は一瞬で持ち運びやすく操作も簡単と二度とネットブックに戻ろうとは思わなくなりました。

携帯電話やスマートフォンしか持っていない人でもっと快適にインターネットがしたいけどパソコンまでは必要無いという人にもお勧めです、ただし携帯電話専用のサイトやコンテンツはアクセスできませんからモバゲーやグリー等の携帯電話専用のコンテンツはタブレットでは遊べません。

iOSとAndroidの違い

次にOSの特性を理解しておかなければいけません、iPad2はiOS、Optimus PadとXOOMはAndroid OSを搭載と全く異なるOSを搭載していますから使い方にあったOSを選択する必要があります。

このふたつのOSの違いはオープンなのかクローズなのかという点です、この違いよりハッキリ選ぶべき機種が変わってきます。
今回はオープン戦略とクローズ戦略がどうこうではなく、iOSとAndroidをユーザーが使う上でのメリット・デメリットを書いていきます。


iOSはiPadに最適化されたアプリ資産がある
Appleはクローズ戦略により自社製品のiPhone・iPad・iPodしかiOSを搭載した商品がありません、これによりアプリの開発者は考慮すべき機種が少なくてすみます、機種に合わせ細部まで調整する時間がそれほど必要ないため同じ時間をかけた場合機能の充実やバグの修正などに使えるためアプリの完成度が高くなります、その結果iOSでは各機種へ最適化されたアプリが提供されているわけです。

この結果ユーザーはiPadならiPad、iPhoneならiPhone用にしっかりと調整されたアプリが使えるわけです。

iPad2はiPadのアプリを使えますから6万5千という数のiPadに最適化されたアプリが今すぐに使えます。

対するAndroidは今回リリースされた3.0で初めてタブレットに最適化されました、Android 3.0に対応したアプリの開発はこれからですから、買っても選べるアプリは僅かです(Appleが言うには現在100個程度だそうです)、買って使えるようになるまで暫く時間が必要でしょう。

またオープンなOSのため多種多様な機種が市場に出てきておりアプリ開発者は全ての機種に対応したアプリの開発なんて到底できません、スマートフォンですら機種によってはアプリの表示が崩れたりといったことがありましたからAndroid 3.0搭載タブレットでも同じアプリが同じように使えるとは限りません。


Androidには自由な環境がある
Androidを開発しているGoogleはオープン戦略をとっているためかなり自由にAndroidを使うことができます、例えばiOSでは自身で開発したアプリや個人が公開しているアプリ(通称野良アプリ)はインストールできませんがAndroidは自由にマーケットに登録してあるアプリだろうが個人が公開しているアプリだろうが関係なくインストールして使うことができます。

またiOSで使えるアプリはAppleの審査を通ったものしか使えません、エミュレーター等のグレーゾーンに位置するアプリやアダルト要素が強いアプリは排除されていますがAndroidにはその手のアプリが存在しています。


Flashへの対応は?
iOSとAndroidでもう一つ争点となっているのがFlashへの対応です、iOSはHTML5推進のためFlashを排除しています。
ですがiPadでFlashが使えず困ったことがあるかといわれると、このブログの管理ツールの一部がFlashのため表示できないこと位です、普通にブログやサイトを見る分には特に困ったことはありません。
大手メーカーの公式サイトはフラッシュをこれでもかと貼り付けていることがあるのでその手のサイトに頻繁にアクセスする人には向きません。

Android3.0用のFlash Playerはまだリリースされていませんが2011年春にリリースされるようです、Adobeも正式にアナウンスしていますのでそう遠く無い時期にAndroid3.0でもFlashが使えるようになると思われます。


自分好みにカスタムできる
AndroidにはWindows VISTAや7に搭載されているガジェット機能と同じようにホーム画面にガジェットを表示できる機能があります、Androidではこれをウィジェットといっています。
カレンダーやメディアプレイヤーなどよく使うものをホーム画面に表示しておけばすぐに使うことができて便利です、iOSにはこれと同等の機能は搭載されていません。
さらにAndoridはホーム画面だけではなくホームを担当しているアプリすら変更することができます。

OSの設定についてもiOSの設定は大まかな部分のみしか操作できないのに対してAndroidでは細部まで変更できるため痒いところに手が届きます。


今回の比較機種

それでは前置きも終わったことですので今回の比較の対象となる機種紹介していきましょう、3月~4月の間に発売予定の旬の機種といえばこの3機種ですね。


iPad2

iPad2(Wi-FiモデルはApple直売・3Gはソフトバンクから)3月25日Appleより販売開始予定

iPadのもつ直感的な操作性を受け継ぎハードウェアを追加及び強化しています、iPadよりさらに薄くそして軽くなりデュアルコアCPUで快適に動作します。
性能は上がったのですが省電力化を進めた結果バッテリーは10時間の連続稼働とiPadの7時間を超えています。

今回はブラックモデルだけでなくホワイトモデル登場です。

Apple公式サイト






Optimus Pad
LG Optimus Pad L-06C(ドコモより販売)3月下旬販売開始予定

仕様的に残念な部分が見え隠れするところがありますが3G回線をテザリングできるため、モバイルルーターの代わりに使うことが可能です、これは他の2機種にはない強みです。
なんと3D対応のカメラが搭載されています、タブレットにも3D時代到来です。
※3D動画の録画に対応していますが再生は非対応

Optimus Padはドコモと契約が必要です、機種代金以外に毎月通信料金が発生します。

ドコモ公式サイト




XOOM
MOTOROLA XOOM(auより販売)4月販売予定

MOTOROLAがXOOMを発表したとき日本での販売はないと思っていましたが良い意味で裏切られました、キャリアとの契約の必要が無いWi-Fiモデルをまさかキャリであるauが販売と2度裏切られるとは思わなかったです。Wi-Fiモデルでは珍しくGPSが搭載されている点や高性能なTegra2搭載など個人的にかなり期待している機種です。

キャリアなのにWi-Fiモデルとは・・・、3大キャリアの中で唯一タブレットを出して無いだけに焦っているのでしょうか?

au公式サイト



3機種のスペックを分かりやすく比較している表をGaGaGadgetが作られています、これは非常に参考なりますよ。
GaGaGadget:タブレット比較!「iPad2、XOOM、Optimus Pad、Galaxy Tab 10.1」スペック比較表


お勧め機種はどれ?用途別に解説

共通してできること
動画やアプリをデジタルテレビに映して楽しむ(iPad2は別途オプションが必要)
インターネット・メール
写真と動画の撮影
Webカメラでビデオチャット
Wi-Fi環境で使用
アプリのダウンロード及び購入等など
Bluetoothの使用

フラッシュが見られないと困る
iPad2は選択肢から外れます、XOOMとOptimus Padはサポートはしていますが2011年春にFlash Playerがリリースされるので今すぐには使えません、ハードの性能はどちらも高いので大画面での再生にも耐えられるでしょう。

買ったらすぐにアプリを入れて楽しみたい
iPad2ですね、XOOMとOptimus Padに搭載されているAndroid3.0に最適化されたアプリは今後出てくる予定です、従来のバージョン向けのアプリも使えるでしょうが表示崩れや一部対応していない等の問題が出てくるでしょう。

ビジネス用途で使いたい
iPad2でしょう、アプリという資産が山ほどありますしiPadという実績があります、対するXOOMとOptimus Padはアプリ資産は僅かで実績もなくビジネスで使えるのかまだ未知数です。
実際に私は仕事でiPadを利用していますがプレゼンや営業といった用途には最適です。

自分好みにカスタムしたりOSの細かいところまで設定したい
XOOMとOptimus Padでしょう、iPad2は自由に設定できる箇所は僅かです、ウィジェットもありませんのでせいぜい壁紙を変えて楽しむ程度です。
  
手で持って使う・バッグに入れて持ち運ぶので軽いものが欲しい
iPad2 601g
Optimus Pad L-06C 620g
XOOM 700g
iPadは680gですが本のように手で持って使うと手首がすぐに疲れます。

大きな画面がいい
XOOMの10.1インチでしょう。

キャリアとは契約したくない
iPad2(Wi-Fiモデル)かXOOMです、XOOMはauが販売しますが契約は必要ありません、公式ページに「auの料金プランなどへのご加入は不要です。」と記載されています。

サクサク動くやつがいい
動画レビューを見る限り3機種とも処理落ちや変なひかかり等はないようです。

バッテリーの持ち具合が一番いいやつを頼む
iPad2 最長10時間(Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生時)
XOOM 約510分(YouTube使用時)
Optimus Pad L-06C 不明

Optimus Pad L-06Cの連続稼働時間は不明です、メーカーは良いことはいっても悪いことはいいませんから稼働時間は期待できないかもしれません。

デジタルカメラの写真を取り込みたいのだが
iPad2はオプションのキットで可能です。

ナビにしたい
iPad2は3G版しかGPSが搭載されていないので3G版を購入する必要があります。
XOOMとOptimus PadはGPSを搭載しているのでナビとして使えますがXOOMはWi-Fi通信専用なのでGoogleが提供するナビアプリ等通信環境が必要なナビを使用する場合モバイルールータ等の通信環境が必要です。

一番安い奴を頼む
Optimus Pad L-06C:各種割引適用後に新規契約で3万円代前半の予想らしいです、ただし月額通信費が発生するのでランニングコストを合わせると高いです。
iPad2:Wi-Fiモデル499ドルから、日本ではiPadが販売された時と同じ価格になるとのことです。
XOOM:海外ではWi-Fiモデルが600ドル、日本じゃ5万円代でしょうかね?

まとめ

一般の人に勧めるならiPad2です、高級感あふれるデザインで女性が持っても違和感がありません、実用性が高いのはiPadで証明済みですし。
もし私がiPadを持っていなかったら間違いなくiPad2を買います。

デジタルガジェットが大好きとか自作ユーザーとかパソコンが大好きな人にはXOOMとOptimus Padをお勧めしたいですね(というか自ら選びそうですが)、後は3GかWi-Fiかで分かれるところでしょう。
iPadを持っている今iPad2に乗り換えるほどの魅力はないですから個人的にはXOOMを買いたいと思っています(後は価格次第ですけど)。

それとiPad2の発表によりiPadのWi-Fiモデル16Gが35,800円に値下がりしました、ネットブックと肩を並べる価格です。
メールとインターネットだけの使用ならiPadの方が使いやすいので安くなったiPadという選択肢も有りじゃないかなと思います。